"Hello,world."
| シナリオ | 絵 | 音楽 | 演出 | システム | 総合評価 | オススメ度 |
| 7 | 6 | 8 | 7 | 9 | 72 | ★★★ |
神(メーカー)は、全ニトロファンの忍耐を試しているのに違いない。
だってそうとしか思えないんだよ。私だってこんな点数付けたくないよ。
「ファントム Phantom of Inferno」が90点、「吸血殲鬼ヴェドゴニア」が84点、「鬼哭街」が83点と、常に高アベレージを叩き出し、安心して遊べるメーカーだと信じてきたニトロが、まさかこんなどうしようもなくアイタタタな作品作っちまうとは。
とりあえずプレイ開始後10分でやる気をなくしたゲームは久しぶりです。
ものすごくダルい。異常な説明の多さ。
たとえそれが、主人公がこれから人間社会の常識を身につけていくことを前提としたロボットだという演出を差し引いても。
前半、どうやってもちっとも進まないストーリー。魂が抜けかけるような冗漫な毎日の繰り返し。
私がプレイ中密かに気になったのは、どうもアージュ臭さが漂っていたこと。
学生の仲良しグループ、身近などうでもいい事件の積み重ね、キャラ同士のつまらない掛け合い漫才。
主人公と奈都美、薫、圭介の関係なんて、まんま「君が望む永遠」じゃん。
いくらメーカー同士が仲が良くても、いらんところまで参考にしなくてもよいわ。
ニトロにはニトロの、他メーカーには出せないカラーがあって、そこが好きだったのに。
率直に言って、今回はシステムしか評価できない。
ニトロ作品とやたらに相性の悪かった私のマシンでも今回はかなり安定していたし、サウンドやエフェクト、その他細かいところまで自分のいいようにカスタマイズできる仕組みになっている。
バックログの読み込みや、そこからの復帰がやや時間がかかるような気がするが、それ以外はセーブ数も多いし、セーブ時のコメントや選択肢に戻る機能も備え、AVGとして必要なシステムを網羅しており、十二分に合格点。でもそれだけ。
3DCGはかなり良い出来映えなのだが、肝心のキャラ絵は好みじゃないし(時折変な人体になってるし)、シナリオもテンポ激悪。演出は平凡。
キャラの肉付けに至っては涙を流して「勘弁してください」と土下座したくなるくらい最低。
あまりにひどかったので列挙します。
こんな各ステキヒロインのシナリオ攻略に、8~10時間以上(スキップ併用・常人平均値)かかるのはいかがなものか。
さらに、そこまで長時間縛り付けておいて、どうしてトゥルーエンドが全員同じなのか。
よくぞ耐え抜いた、私。
それもこれも、
「次の瞬間には、きっとあっと驚く『ニトロ仕掛け』が飛び出すに違いない」
と信じていたから。(そして裏切られた)
泣くに泣けません。
ファーストプレイではスキップが使えないため、おそらくプレイ時間が20時間近くかかると思われるのだが、それでもストーリー上の盛り上がりは大きく分けて3回しかない。
しかも、それがすべて中盤以降の後半に集中している。
これだけでシナリオのバランスが悪いことを露呈しているのに、その展開自体がトホホなもんだから、プレイヤーは脳死を起こします。
今どき無機物から派生した破滅主義やロボットの人間性の発露なんて流行りません。テーマが遅すぎ&古すぎ。
しかも、それを肉付けも味付けもしてないもんだから、実に陳腐な勧善懲悪自己犠牲物に仕上がっている。
つまらん! 実につまらん! そんなの18禁ゲーじゃ意味ないやい!
今回は、メーカーが「萌え」を意識したらしいが、意識しすぎて空回りしたという印象が拭えない。
モーラ(※「吸血殲鬼ヴェドゴニア」のヒロイン)にならいくらでも萌えられるが、奈都美に萌えろというのは逆立ちして一回転しても無理。
むしろ、ニトロの銃火器類になら萌えられますが、ヒロインに萌えることは不可能。
萌えを意識していない方が、ずっとずっと萌え&燃えられる展開を巻き起こしていたニトロに戻ってくれ、頼む。
メーカーへの愛ゆえにこっぴどくこき下ろしたが、このプレイ中ずっと苦行に耐えているような気がしていたので。
「楽しむ」ためにゲームやってんのに、それをほとんど味わえることなく苦痛な数週間を過ごしてしまったので。
これなら総プレイ時間3時間の「鬼哭街」の方が、ずっとコストパフォーマンスに優れているような気すら。
次回作「斬魔大聖デモンベイン」に期待します。シナリオ担当の鋼屋ジン氏の文章や展開は結構好きなんで。
……とりあえず最後に。
こんなのニトロ作品じゃないやい!!
(夕陽に向かって猛ダッシュしつつ涙を拭きながら)