シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
1094

私的18禁ゲームランキング第1位。現時点で考え得る最高傑作。
(長年守った王座だったが、2002年末にとうとう「月姫」に明け渡した)

シナリオ、キャラ造形、音楽、演出、すべてにおいて、100パーセントに最も近いゲーム。
何で100をつけないかというと、一部のシナリオが弱いのと、ここで100を付けちゃったら、この先ゲームをやる意義を見失いそうだったから。
それくらい、見事にツボにはまったゲームでした。

特にシナリオが絶妙。神懸かり的に冴えわたってると言っても、過言でない。

千鶴の、「あなたを殺します」で死んだ人は数知れず
(私も死んだよ……)

バッドエンドがかくも美しく印象的なのも特徴か。絶対ハッピーエンドよりレベルが高い。
さらに、何と言っても、日本の美を感じさせる描写とシナリオ、そして、音楽
和物に弱い私としては、それだけでもうオッケーな気もするのですが。

柏木四姉妹のエピソードは、それぞれどれも印象的ではあるんだけど、残念ながら、梓がやや弱い。
これが100点にならない第一の原因。
が、しょうがない、これは。他の3人のシナリオが立ちすぎなんだから。


  • 記のセリフ&ラストシーンで陥落率No.1の千鶴

  • 転生入ってて無口だけどひたむき、ツボ抑え率No.1の楓

  • 純粋でけなげで守ってあげたくなる率No.1の初音


この隙のまったくない布陣のどこに梓の食い込む余地が?(梓ファンの方、すいません)

だが、導入部の事件にきちんとした解決を与えなくてはシナリオとして成立しないし、あの4人の中で誰がその役を果たすか、となると、やはり梓としか考えられない。
キャラ造形的に見て、彼女が一番現実的で、非日常をあまり感じさせないキャラだからだろう。
そういう計算も兼ねて、現実をより際だたせる「料理上手」とか、「行動的」な性格を与えた、と考えるのは穿ちすぎかな?

このゲーム、べらぼうにキャラが立ちまくってはいるけれど、実はそんなにセリフが多いわけではない。
なのに、このキャラの存在感。これはひとえに演出の妙だろう。完成度高すぎ
無駄がないゲームってのは本当に優れている。

さらに、ゲームとしてのスタンスも進化している。
前作の「雫」は、そのシナリオの毒電波ぶりに、とても万人向けとは言い難かった。
それが一部の熱狂的ファンを生み出す要因にもなったわけだが。
普通ならここで、もっとどぎつく、扇情的なものが生み出されてくるか、一般受けを狙って、妙にソフトになるかのどちらかなのだろうが、「痕」は違った。

「雫」の長所で短所でもある(私は長所だと思っているが)、先鋭的な部分を丸くして、結果的にシナリオの妙を損なうような愚行はせず、さらに魅力的なシナリオを用意した上で、突出した部分を上手くカムフラージュさせ、その実切れ味は増している、という希有なゲームなのだ。

シリーズが進化する、というのは、実はなかなか大変なことなのだ、
という持論を持つ私としては、この点は大きく評価したい。