Routes
| シナリオ | 絵 | 音楽 | 演出 | システム | 総合評価 | オススメ度 |
| 8 | 8 | 9 | 8 | 7 | 80 | ★★★ |
高橋&水無月コンビ(雫・痕・To heartの立役者)の抜けたLeafなど枯葉」と揶揄され、「誰彼」で本当にたそがれてしまったもう後のないメーカー、Leaf大阪開発室の新作。
とうとう伝家の宝刀「リーフビジュアルノベルシリーズ」を持ち出し、どうなることかと、私を含めた9割以上のユーザーに危惧されていたわけですが。
背水の陣、成功しましたね( ̄ー ̄)ニヤリ
さすがに往時の勢いはないものの、これを地雷呼ばわりするのであれば、ほとんどすべての作品が地雷扱いになるかと。
実にそつなく、手堅くまとめてあります。ツッコミどころもかなり多いけどな。
何はともあれ、一番ツッコミたいのは文章が下手なこと。
助詞がかなり抜けてます。主人公、日本人だよね? と作中、首を傾げることしきり。
「てにをは」をきちんとした、崩れのない日本語を!
過剰な装飾や滑りすぎのギャグ、おまけに変に表現に凝らなくていい。
「二人は無駄口を畳んだ」とか「俺に怖気をふるった」とか書かなくていい。
「飛ぶ鳥落とす篁エネルギー」じゃなく、ちゃんと「飛ぶ鳥を落とす勢いの~」って書いて。お願い。
改行もおかしく、改ページも多すぎ。これじゃ、ノベルじゃなくて普通のAVGです。
文がメインなんだから、読みやすく、クセのない素直な文章が一番。
モノは「ビジュアルノベル」なんですぜ、ダンナ方(←今回、シナリオライターが二人なので複数形)。
これで文章下手くそだったら、ほとんどすべてが台無しでしょう。
シナリオ展開自体は悪くなかったので、これがとても残念。
ノリやテンポを重視しているのだろうが、たぶん「筆が滑ってる」状態なんじゃないかと。
とてもじゃないが、じっくり腰を据えて書かれた文章とは思えない。
ちなみにこの「バカップル」や「掛け合い漫才」度数は私の忍耐限度ギリギリ。
これ以上だったらレッドアラート点滅でした。
ただ、これぐらい筆が滑ってないと今作のテーマである、
真っ正面からの人間賛歌
は書き上げられなかっただろうなぁ、というのもまた然り。
よくもまぁ、エロゲーでここまでこっ恥ずかしいテーマを据えたもんだと感心しながら(注:誉めてます)プレイしてましたが、今のLeafには、やってる方が苦笑してしまうこの青臭さがふさわしいと思う。
序盤は「スプリガン+エイリアンシリーズ(C)菊地秀行」なノリで、これを基軸に一本大きい事件を解決して終わるのかな……と思いきや。
いきなりYU-NOモード発動。その突拍子のなさに唖然。
でも、最後の最後までプレイして分かりました。貴方たちが何を言いたかったのか、了解しました。
「これが、俺たちのルーツさ」
という、とてつもなくこっ恥ずかしさ度MAX限度オーバーなセリフと共に。
80年代のゲーム作りの姿勢に戻る、と見なしてよろしいでしょうか。
イベントのたびに必死こいてフロッピーディスクを入れ替え、それを苦とも思わなかったあの時代に。
FM音源の中に、珠玉の音楽性を感じ取っていたあの頃に。
16色ですら、神業とも言えるCGを見せつけてくれたあの頃に。
表現の限界なんて、全然感じることのなかった、あの頃に。
PC98からの筋金入りのエロゲーマー(恥ずかしいな、おい)としては、心に響くノスタルジックな作品でした。
往年のLeafファンとして、その心意気、しかと受け取りました。
それはそうとして。
あのー、作品中、バレバレの伏線多すぎじゃない?
とすれば、椎葉物語キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
と、数学の証明問題のごとく、明快きわまりない展開を読めてしまうのがちと気になりましてな。
それでも、後半まではずっと現代物の様相を呈してるので、「気のせいかなぁ」と思ってたら案の定。
いきなり「平景清」かい。
今度は「源平討魔伝」キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
ああもう、何で私のツボを突きやがりますか。
「ありがたやー」ですか。「おまえのちからはそんなものか」ですか。「ころしてしんぜよう」ですか。
レトロゲーマーはどうしてこんなところばかりにツッコミ入れてますか。
(この辺は、分かる人だけ分かってね)
ま、それはおいといて。
とにかくこのシナリオ、「今できるものを全部突っ込んじまえ!!」ってヤケクソとも思える開き直りっぷりがいっそのこと小気味いいです。
いいんじゃないかなぁ。無茶苦茶でもトンデモ設定でも。勢いあるし。伏線は全部回収してるし。これがコケたらマジで後がないわけだし。
私はわりと楽しめました。どうオチつけるのかな? と興味津々だったし。
そして腐ってもLeaf、音楽と絵は相変わらず最高レベル。
特に今回は音屋さんたちがいい仕事してます。
私はボーカル曲があんまり好きではないが、今回の「あなたを想いたい」はかなり気に入ったし、過去の名作群を彷彿とさせるBGMもすべて高レベルで、特にRoots編は素晴らしい。
このBGMに合わせて、桜の花びらが舞う中、ゆっくりと背景がスクロールしていく演出は、ゲームプレイ中久しぶりに鳥肌立ちました。
全体的に非常に良くまとまっていて、安心して遊べる&勧められるレベルの力作だとおもいます。
だがね。このゲームの真価は、おまけシナリオにあるのだよ。
この、Leafの暗部を自爆ギャグとして無理矢理昇華させようとしてる内輪ウケスレスレのシナリオ。
もう大好き。
というより、対象者狭っ!!
これ、Leafのスタッフや、背景に起こった事件を知ってる人じゃないと、ほとんど面白くないと思う。
つまり、「重度のLeafファンに向けてのメッセージ」だったわけで。
「色々ゴタゴタあったけど、今度はちゃんとやるから許して」
って解釈してよろしいでしょうか。
私としては、今回の「Routes」と「うたわれるもの」でだいぶ持ち直した感があるので、次回作まで様子見かな、って気もしますが。
少なくとも、今作では大阪開発室の面目躍如、ってところではあると思います。
ただ、伝家の宝刀を抜いたにしては、若干攻撃力が弱かった感は否めないけどね。
「電波届いた?」や「あなたを殺します」クラスの一撃必殺技をかつて味わったことのある身としては、今回の「数撃ちゃ当たる」的シナリオは、今回限りの裏技、ってことで及第点とします。