水夏

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
78★★★

「バッドエンドがすごい」という話を聞き、勇んでやったソフト。(ぉ
確かにバッドエンドは面白かった。いきなり終わるわ救いはないわダークな展開だわ。
だが、いまいち点数が振るわないのは、最初はよかったのに、最後の方が尻すぼみになってしまったから。

1~3章までの「黒い」ノリを持続してくれたらもっと評価は高かったのだが、4章では突然感動物に日和見してしまい、かなり失望。
私は3章が一番好きだ。何てったってドロドロぐちゃぐちゃの人間関係で最後がコワーイ愛憎劇だから。

しかし、どの章にも言えることだが、シナリオが安直で文章下手すぎ。
一つの段落に何度も同じ表現、統一されていない漢字に派手な誤字脱字。

ノベルタイプのAVGは文章が主役。

なのにその扱いがこうもお粗末では手に負えない。これでかなり興ざめしてしまう。
それに、どのシナリオも、途中でほとんどオチが見えてしまう展開。
むしろ、ハッピーエンドに持っていかず、完全にホラー仕立てにした方がインパクトがあって良かったような気がする。
ぶっちゃけて言えばこのストーリー、ハッピーエンドが似合わない物語だから。

私としては、1章の死人返りや2章の冬虫夏草のエピソード、3章の「真の黒幕」なんかは、ホラーとしてかなりいい味出してると思ったんだが。
1章なんて、展開によっては腰抜けるほど恐い話にできたと思うし。
最終の4章は、悪くはないけどありがちな味付け。愛憎劇が人情劇に急降下。だるい。

18禁という限られた場でしかできない表現方法を求めてエロゲーやってんのに、そういうフィールドですら、

「失われゆく命との絆」とか、
「離れていたor忘れていた時を取り戻す」とか、

ゴールデンタイムに視聴者からお涙頂戴するような、陳腐なドラマを見せられてたまるか。
そんなのはやらせがお得意のテレビにでも任せておけばよし。

私はこのフィールドに、18歳以上でなければアイデンティティが崩壊するような衝撃を求めている。
だからこその年齢制限だ。

「エロいから18禁」なのじゃなくて、「18歳以上じゃなければ危険」だから。
「エロ」も「グロ」も「暴力」もあるけれど、それすら上回る圧倒的な力感と熱量。
そういった力を併せ持つ作品にはなかなかお目にかかれない現実。
「水夏」はやりようによってはいい爆弾になると思ったので残念。

「水夏」の一番の弱点は、各ヒロインに個性が全然感じられないこと。
引き合いに出して悪いが、Keyやleaf系の「痛すぎる個性」にも行き着けないし、確信犯的な狙いにも至らない。
結果、「このあり余る感情をどうしたらいいんだーっ!!」ってことにならない。
(それを「萌え」と言うのでは?)
これって、エロゲーでは致命的なことだ。私が萌えないだけで、他のプレイヤーは萌えてるのかもしれんが。
その辺、どーなんですかね? キャラ萌え事情には明るくないもんで。

色々書いたけど、多少主題がボケている点を除けば、及第点のゲームだと思います。
DC版はどんなオチになっているのか気になる。
いや、ED改変してるって聞いたんで。