和み匣
| シナリオ | 絵 | 音楽 | 演出 | システム | 総合評価 | オススメ度 |
| 7 | 9 | 8 | 7 | 8 | 67 | ★★ |
さて、前二作の、実にアレな「スタイリッシュミステリィ」で、私を大いに笑わせたInnocent Greyの初ファンディスク。
(なぜかは各作品のレビュー参照)
こんなもん作ってる余裕があったら、次作に精を出した方がいいのでは、とも思ったが、「カルタグラ」のアフターストーリーが入る、ということだったので、一応購入してみた次第。
内容は、ミニシナリオ3本とミニゲーム2本。
ミニシナリオはカルタグラのアフターストーリーである、「サクラメント」。これが今作の(たぶん)メイン。
人気の高いヒロイン、凛を主人公にしたエロシナリオ「凛 雪に咲く花」。
各ヒロインが女子高生&教員となって展開するパラレルギャグシナリオの「いのぐれっ!」、この3本。
ミニゲームは、要するにドンジャラの「ポンジャン!」と、たこ焼きバトルの「真ロシアンスピリッツ」の2つ。
正直、どれもこれも大した出来ではないので、この価格は高すぎると思った。
ミニゲームをオールクリアし、シナリオを全部通してやっても、3~5時間もあれば終了してしまう。
これで7,140円はちょっといただけない。どんなに高くとも4~5千円が関の山なのでは。
シナリオはほとんど読むだけ、ゲームは惰性と慣れでクリックすれば終了、というのでは楽しみようがない。
特に、せっかく18禁なのに、ミニゲームの各ステージをクリアしても、エロ画像の1枚もないというのはどうか。
ストーリーの面白さで引っ張ろうとするほどの気合いも感じられないし、すべてが中途半端な印象。
また、シナリオでは場面転換の際にいちいちアイキャッチが入り、これが鬱陶しくて仕方がない。
かといって、コンフィグで場面転換の効果をオフにすると、日付や章といった必要情報まですっ飛んでしまう。
アイキャッチを入れるなら入れるで我慢するので、せめてワンクリックかエンターで飛ぶように設定できんものか。
次作でもこの手を使うつもりなら、切に改良願いたい。
さて、肝心のメインシナリオだが。
今作からシナリオライターを変更し、どうなるかと思っていたら、至極まとも。
「カルタグラ」のイメージをなるべく損なわないよう、かなり気を遣っているのが分かるし、「PP」のような破滅的日本語もさほど見あたらない。
ただ、エピソードの扱いが少々ウェットに過ぎると思った。
和菜ルートと由良ルートの二つが用意されているのだが、特に由良エンドに納得がいかない。
「カルタグラ」は妄執の話。(ネタバレ危険!→)たった一人の男を手に入れるために幾人も殺害し、さらには血を分けた双子をもその手にかけようとして、結果、最愛の人間に撃たれ、いつ覚めるともしれない眠りについた話だ。
それほどまでに妄念に彩られた由良が、昏睡から目を覚ましただけで、妹のことなどそっちのけで男との逃避行など選ぶものか。
たとえ一人で逃げることになったとて、どこまでも和菜を追いかけ、その目的を果たそうとするに違いない。
それこそ、和菜ルートでそうしたように。
そういった意味では、もっと救いのないエンドを期待していた私としては、肩すかしを食らった気分だった。
由良ファンには待望のハッピーエンド(?)なんだろうが、「カルタグラ」としてはどうなのか、と思わざるをえない。
また、和菜ルートでも、最後の最後に結局逃げ出す主人公のヘタレっぷりに思わず失笑。
このメーカー、どこまでいっても主人公はヘタレじゃないといけないのですね。ここまで徹底してるとある意味すげえ。
これは前作を踏襲しなければいけなかったのだから、ライターの本領ではないとは思うが、この調子だと次作も不安。
特に、「いのぐれっ!」はくだらなすぎてツッコむ気も失せた。ギャグシナリオは書かない方がいいと思う。
最後に一つ。
「カルタグラ」の主人公はこんなに出張ってきてたのに、「PP」の主人公には、とうとう出番がありませんでした。
「PP」本作以上に空気になってて大爆笑。
(「PP」での空気っぷりについては、レビューをご参照あれ)