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鬼畜眼鏡

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
68★★

注! このゲームはボーイズラブゲームです。ホモゲーに免疫ない方は近寄らないように!

鬼畜→わりと好きです。
眼鏡→死ぬほど好きです。
リーマン→鼻血吹くほど大好物です。

だから、主人公始め登場人物の半数以上がリーマン、おまけに鬼畜+眼鏡となればプレイ前からトキメキ度MAX、とばかりに張り切って挑んだ今作だったが。

あーえーっと、2007年発売作品の中で、多くの姐さん方が年間ベストに挙げているのを承知で申しますが。
まったく萌えない上にちっとも盛り上がりませんでした。あたいのトキメキを返せ! 返せよぅ!!
その理由は色々あるが、一番大きなものとしては、すべての面においてステレオタイプ、お約束に過ぎること。
つまり、安定はしているが特筆すべきところもない。未知の作品に触れたときの驚きや新鮮味がまったくないのだ。
安定ゆえの面白さに繋がる作品も確かにあるが、今作は安定ゆえの単調さを引き起こしてしまっている。
所々プラス面もあるにはあったのだが、それが全体的なマイナスを上回ることはとうとうなかった。

まず絵。原画はわりと好きなタイプの絵だが、塗りが安定していない箇所が散見される。
差分を除いてもかなりの枚数があるのでそれを仕上げるのは大変なのだろうが、その落差があまりにも激しい。
基本的には原画のトーンを生かした淡い色彩がマッチしているのに、一部ではベターっとしたアニメ塗り。
開発が長期に渡ってしまった弊害なのか、絵柄が安定していない箇所もあり、違和感を感じた所も多かった。
立ち絵とCGではキャラが別人に見えるという失態もあり、なまじ絵が好みなだけにそこが非常に残念。
あと、すごーく細かくて申し訳ないが、御堂が休日の自室でもジャケットを羽織っていたりとか、あれっ? と思うようなビジュアルがあるのが惜しい。
受け手にフィクションを楽しませるには、そういう違和感を感じさせてはいけないと思うのですよ。
差分も多いし、キスマーク付きの立ち絵もあったりと、開発期間にふさわしいボリュームはあるので、その点は良いのだが。

システムは可もなく不可もなく。必要なものはだいたい揃っているが、それ以上でも以下でもない。
ただ、セーブの際にコメントが書き入れられないのがマイナス。
全31種類ものエンドを持つ今作、必然的にセーブを活用する回数は多い。
だがその際、コメントを入れられないのでは何が何だか分からなくなってしまう。完全に個人の記憶に頼るしかない。
それに、今どきホイールでの文字送りができないのも大きなマイナス。
一画面に表示される文字数の多いノベルゲーならともかく、細かいセリフごとに文字送りが発生するウィンドウタイプのAVGでは、何度もクリックするのは煩雑で面倒。
(オートモードはどうしてもタイミングが合わないので使用しない)
そういう、必要充分なのだが細かいところにはまったく手が届いていない、奥歯に物が挟まったような気分にさせられるシステム。

ビジュアルアーツ傘下であるので、エンジンはお馴染みのRealLive。実は個人的にはいまいち評価が低い。
今作でも、スキップが遅かったり場面の切り替えがもたついたり、どうももっさりとした印象が否めない。
(推奨スペックは超余裕で凌駕しています。念のため)
ならば表現力が豊かかというとまったくそういうこともなく、正直、一時代前のエンジンという感じ。
エフェクトの派手さがない分、カメラワークやカットイン等で見せ方を工夫するといったフォローもなく、エンジンの力不足に疑問を感じないのだろうな、と寂しくなる。
ゲームのアドバンテージであるべきこういった点を工夫しないのでは、ドラマCDやマンガの方がよっぽど手っ取り早くて安上がりだとしか思えないのですが。

音楽はテーマ曲以外、まったくもって没個性の代物。作品の邪魔をしない代わりに、作品を盛り上げもしない。
当然、耳に残るような名曲もないし、鳴ってるか鳴ってないかすらも気にならないレベル。
代わりにテーマ曲のレベルはハンパなく、さすがVA系、I'veのC.G mix氏を起用。
ダークな世界観の楽曲が、出来の良いOPムービーと共に作品を盛り上げる。
どうせなら、作中のBGMもI'veに発注すれば良かったのに。
声優陣は皆キャスティングも演技もはまっており、特に主人公役の平井達矢氏は大奮闘。
一人二役を、これを本当に同一人物がやっているのかと思えるほどがらりと変えて演じ分けています。すごい。

さて、シナリオですが。
基本的にエロシチュエーションがメインなリーマン系BLコミック、定価600円(税込)という印象です。
正直、今作に税込定価8,190円払うなら、ドラマCD3枚買うかBLコミック10冊くらい買った方がまし。
悪くはない。決して悪くはないけど、別段面白いわけじゃない。おまけにちっとも萌えない。

第一、リーマン物であるはずなのに、仕事エピソードのリアリティがなさすぎる
細かいこと言うなよと言われてもいい。OL歴十数年の私はそこが気になって気になって(×10)しょうがない。
物売る会社にも、開発→製造のラインを持つ工場にも勤めたことがあるが、本作のエピソードに関しては、「そりゃねーだろ」の連続ですがな。
あ、もしや外資だからか? さすがに外資には勤めたことがないから分からないけどne!
ともあれ、このシナリオライター氏は一般的な会社勤めの経験がないと思われますが。
今作のコンセプトに仕事エピソードは不可欠であるはずなのに、ディテールがまるでなってなくてそこでまず失笑。
これでは最初っからハマれるわけがないのですよ。

ユーザーは最初からフィクションだって分かって作品を手に取るのです。
だったらせめて、そこで上手に嘘を付いてほしい。興ざめさせないでほしいのです。
これは他作品のレビューで何度も書いていることだが、フィクションにも最低限のリアリティは必要。特に現代が舞台なら。
それがプレイヤーをうまく世界観に乗せるコツなのでは。

今作ではかなりの数のエンド数が用意されているが、最悪のバッドエンドが全部刺されて終わるケースなのもいただけない。
殺され方・殺し方に一家言持つ殺し愛愛好家としては、痴話ゲンカの末か恨みを買ってブスッ→デッドエンド、では酒のつまみにすらなりゃしません。
他のエンド・エピソードにしてもそうだが、全体的にバリエーションがなさすぎ
31種類もエンドがあるというのに、どれもこれも似たようなシチュエーションで単調。
おまけにエロにも差分があるため、CG回収のためいちいち同じシチュエーションを繰り返さねばならず、飽きて死亡確定。

ただ、鬼畜度合いのバランスは良い。基本的には言葉攻めメインなのもうれしい。
私は肉体的に痛い系・あまりにハードすぎるものは好きではないので、これくらいがちょうどよかった。
鬼畜初心者にも抵抗感なくプレイできるレベルだと思う。

ところで、今作の一番の問題点は。

「鬼畜眼鏡」というタイトルでありながら、鬼畜でも眼鏡でもない主人公受ルートがあるということなのですが。
こんなアホなタイトル(から連想されるシチュエーション)を好んで買うようなユーザーが、そんなルートを喜ぶだろうかということくらい、ちょっと考えれば3分で答えが出ませんか、普通?
攻だろ? このタイトルから連想される内容って主人公攻だろ? リバが最高に苦手&自分が攻じゃないと許せない私が、何のために今作をやったと思ってるんじゃ、spray!!
だいたい、「眼鏡をかける」って選択肢自体が必要ないだろ。「鬼畜眼鏡」なんだから。
それをシナリオの都合で、「かける」「はずす」を選ばなきゃならないって何ですか?
タイトルに騙されたユーザーに対する嫌がらせですか?
おまけに眼鏡かけっぱなしだと、鬼畜ゲージが真っ赤に振り切れるってどういうことですか。
「鬼畜眼鏡」なんだから眼鏡かけるでしょ。かけるべきだ。かけなければならない。
眼鏡を外したらバッドエンドだってならともかく、付けっぱなしはバッドエンド、付けなきゃ受ルートってのはあんまりです。
私にとってはいずれもデッドエンドに等しい所業だったのですが。

そういう、「ユーザーの欲する空気読めてない感」が今作にはあちこちに漂っていて、いちいちやる気が削がれる。
せっかくの直属の上司は無能な上に乙女チックでものの役にも立たない愚鈍な男だし。(それが一番腹が立つ)
同僚は脳みそまで筋肉のアホタレだし。
主人公は主人公で、眼鏡をかけていないと単なるヘタレのグズで蹴飛ばしたくなる性格してるし。
まともかと思われた嫌味なエリートはいきなり肉体関係強要してくる真性ホモだし。

ホモじゃない奴が紆余曲折の末、ホモ道に堕ちるところにこそBLの醍醐味があるんだろうが!(あくまで持論です)
最初っからホモな奴らがお手々繋いでウフフアハハなBLには萌えないんだよボケが!(だからあくまで持論です)

……と、そんな(私にとっては)トンチキキャラが右往左往している様を見ても楽しめるはずがないのです。
システムパートで前述したけれど、特筆するべき演出があるわけでもないし。

正直言って凡百。そもそも、ゲームである必然性が皆無です。
受攻が選べるくらいがせめてもの利点なのか。個人的には受ルートはまったく無用の長物でしかないのだが。
動きもしない、ゲーム性もない、シナリオはテンプレ。音楽は空気。
いいのは声優陣の熱演とテーマ曲、一部CGくらい。
エロゲなら、どこのレビューサイトでも取り上げてすらもらえないレベルでしかない、空気な作品でした。
むしろ、事前のこれだけの話題性に対してこの内容だったら、地雷扱いされても文句は言えないぞ。

BL、特にリーマン物が(たとえ嘘八百でリアリティの欠片がなくとも)好きで好きでたまらない、ついでにちょっぴり鬼畜で眼鏡キャラならなお良し、といった人にならお勧め。
ある意味、キャラ萌えにしか頼っていない、作品としての総合力は二の次でしかない、非常にBLらしいBLと言えるかも。

長靴をはいたデコ

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
67パロディに寛容なら
★★★

「デジタライズド・ゲームブック」と銘打った処女作、「蠅声の王」で業界に特異な地位を築いたLost Script。
今作は同システムを継承した第二弾となる。
だが、公式サイトの作品概要では本来ゲームブックと相性が良いはずのファンタジー的世界観とはまったく方向を違えており、いったいどんな手法でくるのかとまるで予想もできない状態だったのだが。

ああ、なるほど。
あえてメジャー路線から一本路地裏に入っちゃう作品ばかり作っている(※褒めてます)大槻涼樹氏らしい作品だと。
前作だって相当ニッチな作品だと思ってたのに、よりにもよってそれのはるか上を行ってしまっている今作、何というか非常に評価が難しい。
あらかじめ言っておくと私は普通に楽しめた。途中で飽きることもなかったしちゃんと面白かった。
しかし決して他人には勧めない(それがどんなに私と趣味が合う人にでも)し、良作・力作と認定することはできない。
それどころか、これを定価で買っていたらおそらく許さなかっただろうと思う。
(ちなみにげっちゅ屋で30%オフで購入しました)
定価で買うにはあまりにも粗がありすぎ、危険も大きすぎる。

絵とシナリオはパートによって2人の原画家に振り分けられる。
デコパートは原画が前作でもお馴染みのVanilla氏、脚本がうつろあくた氏。
ホストパートは原画が吉澤友章氏、脚本が大槻涼樹氏。
二つの物語が並行して進む今作では、メリハリをつける意味でもそれぞれ書き手を分けたことは正解。
だが率直に言って、原画はそれぞれ逆を担当した方がいいと思った。
わざとらしいアニメっぽさ(要するに「聖闘○星矢」っぽさ)を出そうとしているのだろうが、吉澤氏のこのキャラデザではあまりに濃すぎて腐女子は萌えないような気がする。
前作で思わぬところ(腐女子層)から人気が出たもんだから狙いどころは悪くなかったのだが、むしろ女性キャラの方が魅力的に描ける原画家だと思うので、どうもミスキャスト感が否めない。
各CGは製作が押していたせいかイマイチな出来のものが多いし、背景の時間差分すらない。
わざわざフルスクリーン推奨にしてまでビジュアル面を押し出しているようだが、可変ウインドウなんぞ珍しくも何ともない。
縦長のCGだったら、PC98時代から搭載してるとこはしてたぞ。
それよりだったら、1枚でも多く気合いの入ったCG(or差分)を用意してもらえた方がうれしいと思うが。

音楽はまあまあ。曲数は少ないが、どれも作品に合っているし問題ない。
が、明らかにOP「陽だまりのつくり方」より「ホスト☆聖夜」と「ドンペリ・ロマンティック」が奮っている。
前作でボーカル曲に関する不満を漏らしたが、今回は作品の尺のわりにずいぶんと大盤振る舞いをしてきたな、と感心。
ところで上記2曲を歌ってる、「CHERRY PINK BOYS」って誰よ?

演出は地味め。派手であればいいというものではないが、ここまで何もないとさすがにいささか寂しくなる。
作品の構成自体が大がかりな演出になっているのではあるが、ユーザーの目につきやすいキャッチーな売りに乏しいのだ。
何度も前のシナリオを繰り返すことのできるデコ編に比べ、ホスト編はそれができない等、後で仕掛けが判明してから膝を打つタイプの、渋い(有り体に言えば分かりづらい)演出に光るものはあるのだが。
つまり、(超ネタバレ!→)前者は「螺線(スパイラル)」、後者は「螺旋(へリックス)」であることを示している。それにしたって、公式サイトの作品紹介ですでにこれを記載しちゃってるとは、何という度胸のあるネタバレ。
でもこんなの、気付く人じゃないと気付けないと思う。そういう意味でも非常にニッチ。
本来なら、明らかに力を入れているはずのホストパートにOPムービーを入れるとか、そういう分かりやすい演出が必要なはず。
そういった、どこもかしこも中途半端・ユーザーおいてきぼりな感が漂い、突き抜けた面白さに繋がらない。
ぶっちゃけ、プロモーションである公式HPの更新が一番面白かった。悲しいことに。

システムの足回りは前作とほぼ同様。だが、スキップ未搭載というのはありえない。今どきどんな作品なのかと。
同一のセーブデータでない限り、アイテム・辞典等の継承がされないのもマイナス。
これ、人によってはバグだと思うのでは。
1000近いパラグラフの管理だけで相当な手間であるというのは分かるが、どうもいまいち、ユーザーに快適にプレイしてほしいという気構えが見えてこない。
作品とは単に面白ければいいってもんじゃない。ユーザーにとっては決して安くない金と、二度と戻らない時間を消費してプレイしてるんだから。

さて、メインであるゲームブックのシステムだが。
本作最大の売りが、今作最大の問題点になってしまいました。猛省を促します。
デバッグ中、これはヤバイと思わなかったのか。だとしたら、制作者はユーザーと感覚が完全にズレてるぞ。

このシナリオではゲームブック方式は弊害でしかなく、かえって作品をダメにしている。

直接パラグラフを入力することでいつでもどのエピソードへも飛べる、「ルート制限・フラグ管理」の利かないこのシステムでは、シナリオがぶつ切りになってしまい物語の連続性が失われてしまう。
だが、このシナリオはその連続性と並行性にこそ意味がある仕掛け。それがシステムという高位の存在によってぶった切られてしまってはもうどうしようもないのですが。
だから、前作のようなダンジョン探索型・バトル重視の、ストーリーよりパズル性・臨場感を重視した作品ならいざ知らず、シナリオ自体に仕掛けを盛り込んでしまった物語重視型の今作にはゲームブック方式は向いていないのだ。
せっかく前作で耳目を集めたゲームシステムを搭載しているにも係わらず、今作のみならず前作のユーザーをも切り捨てる覚悟の作り。
何でおとなしく続編にしてくれなかったんだ。冒険するにもほどがある。

また、構造自体は非常に面白いシナリオであったものの、随所に溢れまくるパロディがそれを素直に評価させてくれない。
私は車田ネタもパロディも好きだし、大いに笑った箇所もあるのでまだいいが、正直言って度を超していると思う。
これと同じ構造のシナリオを、完全オリジナルの、笑いを極力排したネタでやられてたらかなりの好印象だっただろうに、遊び心が過ぎたせいで、単なるトンデモ展開としか思えなくなってしまったのが残念。
そして悪いことに一発ネタであるので、次からは二度と使えない。

「笑い」を武器にするということは、己が真剣な局面でさえも笑いとして捉えられてしまう危険性を秘めている。
そして笑いは、度が過ぎれば鼻についてうざいものでしかなくなってしまう。
その危うさを承知の上での冒険であるなら仕方がないが、今作に関しては、火遊びしていて家が全焼、というレベルな気がするのですが。

複数のシナリオライターで物語を構成すれば、各担当パートごとに齟齬が生じたり筆力の違いが気になったりするものだが、今作はどちらも均整が取れていてそこは非常にありがたかった。
ライターごとに落差がある作品というのは本当にトホホなので。
ただ、筆力は拮抗しているが、詰めの甘さも拮抗してるのは大問題。
最後があまりにも駆け足すぎ。細部の処理が適当すぎ。
デコ編は全体的に起伏に乏しく、事件が起こっても淡々としすぎる印象。(これは演出かもしれないが)
ホスト編は常に起伏に富んではいるが、文中で同じ表現を使いすぎているのが目につく。「とまれ」多用しすぎだよ。

以上、非常に手厳しいことばかり書いたが、二作目に期待していただけに落胆も大きかったというのが事実。
本来なら一発屋かどうかを見定められる重要な立ち位置であるはずの今作で、こんな体を張った暴挙に出た度胸は買おうとも思ったが。
ただ、1作ごとに存続がかかっているはずの体力に余地のないメーカーが、こんな危険を冒してはいけない。
確かに、このニッチな作風を好むユーザーしかついていかないタイプのメーカーではあろうが、一見さんお断りの雰囲気を出すのは10年早いと言わせてもらおう。
以降のユーザーを選別するという意味では正しいチョイスだと思うが、そんな余裕かましてる場合か? と余計な心配をしてしまう。
少なくとも公式サイトを見る限り、そんな余力はこれっぽっちも残されてなさそうな印象を受けるのだが。

悪ふざけとも言えるレベルのパロディに対して、笑いながらツッコミを入れられる寛容な心をお持ちの方向け。
あと、車田正美作品の知識がないとそもそも何がパロディなのかすら分からないと思うので、プレイ前に読破推奨
そういった面でも非常にプレイヤーを選ぶタイプの作品。

……最後に(ネタバレ危険→)坂を登ってる途中で終わるのはマジでやりすぎだと思うんだ。未完!

和み匣

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
67★★
※注! 当レビューには「カルタグラ」のネタバレが含まれます。未プレイの人はご注意。

さて、前二作の、実にアレな「スタイリッシュミステリィ」で、私を大いに笑わせたInnocent Greyの初ファンディスク。
(なぜかは各作品のレビュー参照)
こんなもん作ってる余裕があったら、次作に精を出した方がいいのでは、とも思ったが、「カルタグラ」のアフターストーリーが入る、ということだったので、一応購入してみた次第。

内容は、ミニシナリオ3本とミニゲーム2本。
ミニシナリオはカルタグラのアフターストーリーである、「サクラメント」。これが今作の(たぶん)メイン。
人気の高いヒロイン、凛を主人公にしたエロシナリオ「凛 雪に咲く花」。
各ヒロインが女子高生&教員となって展開するパラレルギャグシナリオの「いのぐれっ!」、この3本。
ミニゲームは、要するにドンジャラの「ポンジャン!」と、たこ焼きバトルの「真ロシアンスピリッツ」の2つ。

正直、どれもこれも大した出来ではないので、この価格は高すぎると思った。
ミニゲームをオールクリアし、シナリオを全部通してやっても、3~5時間もあれば終了してしまう。
これで7,140円はちょっといただけない。どんなに高くとも4~5千円が関の山なのでは。

シナリオはほとんど読むだけ、ゲームは惰性と慣れでクリックすれば終了、というのでは楽しみようがない。
特に、せっかく18禁なのに、ミニゲームの各ステージをクリアしても、エロ画像の1枚もないというのはどうか。
ストーリーの面白さで引っ張ろうとするほどの気合いも感じられないし、すべてが中途半端な印象。

また、シナリオでは場面転換の際にいちいちアイキャッチが入り、これが鬱陶しくて仕方がない。
かといって、コンフィグで場面転換の効果をオフにすると、日付や章といった必要情報まですっ飛んでしまう
アイキャッチを入れるなら入れるで我慢するので、せめてワンクリックかエンターで飛ぶように設定できんものか。
次作でもこの手を使うつもりなら、切に改良願いたい。

さて、肝心のメインシナリオだが。
今作からシナリオライターを変更し、どうなるかと思っていたら、至極まとも。
「カルタグラ」のイメージをなるべく損なわないよう、かなり気を遣っているのが分かるし、「PP」のような破滅的日本語もさほど見あたらない。
ただ、エピソードの扱いが少々ウェットに過ぎると思った。
和菜ルートと由良ルートの二つが用意されているのだが、特に由良エンドに納得がいかない。

「カルタグラ」は妄執の話。(ネタバレ危険!→)たった一人の男を手に入れるために幾人も殺害し、さらには血を分けた双子をもその手にかけようとして、結果、最愛の人間に撃たれ、いつ覚めるともしれない眠りについた話だ。
それほどまでに妄念に彩られた由良が、昏睡から目を覚ましただけで、妹のことなどそっちのけで男との逃避行など選ぶものか。
たとえ一人で逃げることになったとて、どこまでも和菜を追いかけ、その目的を果たそうとするに違いない。
それこそ、和菜ルートでそうしたように。
そういった意味では、もっと救いのないエンドを期待していた私としては、肩すかしを食らった気分だった。
由良ファンには待望のハッピーエンド(?)なんだろうが、「カルタグラ」としてはどうなのか、と思わざるをえない。
また、和菜ルートでも、最後の最後に結局逃げ出す主人公のヘタレっぷりに思わず失笑。
このメーカー、どこまでいっても主人公はヘタレじゃないといけないのですね。ここまで徹底してるとある意味すげえ。

これは前作を踏襲しなければいけなかったのだから、ライターの本領ではないとは思うが、この調子だと次作も不安。
特に、「いのぐれっ!」はくだらなすぎてツッコむ気も失せた。ギャグシナリオは書かない方がいいと思う。

最後に一つ。
「カルタグラ」の主人公はこんなに出張ってきてたのに、「PP」の主人公には、とうとう出番がありませんでした。
「PP」本作以上に空気になってて大爆笑。
「PP」での空気っぷりについては、レビューをご参照あれ)

CLANNAD

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
63★★

注! このゲームは全年齢対象です。ですがKey作品ということで、あえてこちらに分類しました。
さらに注! もうお分かりでしょうが、Keyファンは回れ右。絶対立ち入り禁止区域です。苦情はスルーいたします。

……パトラッシュ、僕はもう疲れたよ。

「Fate/stay night」と共に、2004年の最高峰との呼び声も高い今作。
製作に3年もの歳月を費やし、満を持して発売されたわけだが、結果は冒頭の通り。
良くも悪くも、徹底的にkey作品。3年前と何一つ変わっていない。
だから、好きな人には堪えられない魅力があるが、私のように基本的にkey風味(特に前作のAIR)に否定的な者からすれば、結局ここからは変われないのか、と残念に思うしかない。
変わらぬテイスト、というのはファンにとって大事なことではあるけれど、進歩がないこととは基本的に違う。

絵はいつも通り、キャラ以外は大変良い。
これは、原画が樋上いたる氏である限りもうどうしようもないことなのだが、デッサンって何ですか? と言わんばかりのありえない人体展と化している。
おまけに老若男女、顔の中身がみな同じ。いたる氏には描き分けという概念は存在しないらしい。

ちょっと腰を曲げて皺をつければ老人。
等身を縮めれば子供。
肩幅を広くして、目を小さくすれば男、それ以外は女。
ついでに言わせてもらえば、キャラ全員、手が小さすぎ。それは人形の手ですか?

……もしもし、それで金もらってるんだよね? ある意味ふざけんなよ?
さらに、時代の趨勢には抗えなかったのか、とうとう触覚付きキャラが。

キシャァァァ! このアホ毛・触覚撲滅委員会(たった今発足)委員長の私は許しませんよ!
目立って異常な髪型(色は除く)を描かないのが、いたる氏の最後の美点だったのに。
そんなこんなでキャラ絵はいつも通り笑うしかないレベルなのだが、それにしたってボリュームの割にイベント絵がやけに少ない。
絵師が一人だから? 理由にならない。同じ一人でも、「カルタグラ」はゲームボリュームは半分以下だが、それでも差分なしで200枚(しかも全部高レベル。ついでに社長兼業)を実装している。
「key系」と言われるほど一大ジャンルを築いたブランドであるのに、その中身はシナリオにおんぶに抱っこな姿勢が未だに抜けていない。
ゲームは総合力。一つだけ飛び抜けていても、他が足を引っ張るようではお話にならない。

次に、key最大の財産である音楽。
正直、AIRほどのインパクトには欠けるが、これはさすがに文句の付けようがないレベル。
綺麗で品良く、時には物悲しく。純愛系の作品にはベストマッチする作風であり、はっきり言ってKeyにはもったいない。
それに、音楽の挿入タイミングが他メーカーのそれよりも図抜けてセンスが良い。
そういった演出面には光るものを持っているだけに、返す返すもシナリオの出来が惜しまれてならない。

ボイスはなしだが、この膨大なアホウワールドをいちいち声付きで再現されたら、演じる声優さんもかわいそうだし、間違いなく殺戮の宴の幕開けとなるので、なくて正解。むしろ、頼むから付けるな。
ご多分に漏れずOPムービーもあるが、その挿入箇所が問題。
演出の一環として、トゥルーエンドの鍵を握るキャラのシナリオ中にのみ流れるのだが、それならばそのキャラ専用のものと
通常バージョンと2種類用意してほしかった。
本来、演出としては見るべきものなのだろうが、肝心のムービーの中身が何だかそぐわないため、気分の盛り上がり方が半端で終わってしまうのだ。
何だか今作は、時間がかかったわりに、どれもこれも中途半端な感が否めない箇所が多々あるような気が。

それでは、皆様お楽しみ(?)のシナリオコーナーへと突入させていただきます。
例によって、かなりネタバレも含まれますので、よろしく。私はこの作品に対する気遣いは捨てました。
だって、バレて困るような斬新なネタなんて、何一つ盛り込まれてなかったので。

3年間のブランクの末がこれですか。
劣化した金型で作られた代物をスルーできるほど、私の目は節穴じゃないと叫びたい気分です。

メインライターである麻枝氏の落とし方というのは、AIRとその他数多の亜流作品に形骸化され尽くされ、もはや新鮮味は完全に失われていると言っていい。
なのに、それを生み出した張本人が気付いているのかいないのか、今作でもそのパターン地獄に自らずっぽりはまってしまっているおかげで、またこの手かよ、もう飽きたよと思わざるをえない。

病気禁止、子供禁止、奇跡禁止、超常現象禁止、白痴レベルのボケも禁止。

これ全部封じるだけで、すでに麻枝作品ではなくなってしまうというカラーの出方、引き出しの浅さはクリエイターとして致命的じゃないですか。
基本設定をちょっといじっただけであとは全部同じ、というシナリオ展開。ONEの頃から何一つ変わっていない。
無気力な主人公に白痴ヒロイン、退屈な日常とそこからの脱却、じわじわと侵食してくる不透明な世界。
食べ物や愛玩物でキャラの肉付けをしたり、掛け合い漫才のネタにする手法も同じ。
自分リスペクトもいい加減にしてくれ、とうんざりするしかないのですが。

はっきり言って、個別で見れば別に大した出来じゃないし、新鮮味も薄いのに、別ライターが担当したシナリオの方が数倍ましだった。
メインシナリオがつまらないって致命傷じゃないのか? エンディングへの到達を妨げようとする嫌がらせなのか?

幼稚で投げやり、優柔不断で思いこみが激しい、とヘタレ要素てんこ盛りの主人公。
取り柄の一つもないくせになぜかモテモテ、とエロゲエッセンスでこれでもかと味付け。いつものパターン。

超レベルの天然で会話にもほとんど脈絡がなく、コミュニケーション能力の欠如が著しいガイキチの各ヒロイン。
主人公の言うことは何でも鵜呑みにしてしまう、真性のキモオタにしか好かれないような造形。これもいつものパターン。
お前たちに知性という概念はないのか。
ギャーギャーとうざい狂言回しの友人は主人公に輪をかけたヘタレ、大人であるはずの周囲の人間はボケ爆弾。

急募! 普通の人間! 明日のkey作品を救うのは君だ!

メインライターの麻枝氏が最高のキチガイ率を誇っているのに対し、他の2名は比較的まとも。
ことみ、椋、杏、どれも基本的には普通の展開だったが、それでも麻枝シナリオに比べたらマシだ。

シナリオ展開以外に目を向けるなら、伊達に3年もの歳月をかけたわけではないらしく、細部まで神経の行き届いた、実にきっちりとした作り。
たった1ヶ所の差分テキストが発生したとしても、その後の共通パートでズレが生じる、ということがまったくない。
途方もないボリュームを持ち、分岐も多様で複雑な発生条件を内包しているのにも係らず、そういうミスが起こらないというのは賞賛に値する。
膨大なフラグを厳密に管理しなければならなかったであろう製作チームの苦労が思いやられ、狙いすぎで白けるお涙頂戴シナリオよりも、ずっと泣けた。
シナリオがすべればすべるほど、その他の点が素晴らしく見えてくるという摩訶不思議な現象が。
ただし、個人的には、日常の読み飛ばしても問題ないようなシーンで既読スキップが解除されてしまうので、賞賛半分、発狂半分といったところなのですが。

複雑ついでに言わせてもらうと、シナリオ重視のAVGとして非常に難しすぎる。

基本個別シナリオクリア → 裏シナリオ → 裏個別シナリオクリア → トゥルーエンド

という演出はシナリオ上、仕方がない。
だが、その個別ルートの発生条件が厳しく分かりにくすぎるのと、どう考えても全然必要ないようなキャラにまで個別ルートが用意されているせいで、このゲームを途中で投げ出した人はかなりいるはずだと断言する。

だって、ダラダラと数時間も面白くもない(むしろムカつく)日常生活が続く各個別ルート、みんなやりたいか?
そんなヒロインでもないような奴の話、外伝でもファンディスクでもないのに読みたいと思うか?

今作のテーマが基本的に、「町と人の物語」であるから、説得力を持たせるために、その町に住まう人をたくさん盛り込んだ方がいいと思ったのだろうが、盛り込まれたのはダルさだけでした。
サブルートとしか思えないようなものも補完しないと、ラストにたどり着けないというのは大きすぎるマイナス。
言っておくが、そんな各ルートが面白ければ何の問題もない。優れた演出だと評価できるだろう。
だが、面白くないんですわ。どれもこれも。

ああ、人間誰しも他人には分からないような悩みや問題を抱えてはいるだろうよ。
だが、それを全部感動のオチで片付けられると思うなよ。
人はな、結局は自分で自分を救わなきゃいけないんだよ。血反吐を吐いて、泥にまみれて生きるもんなんだよ。
倒れたら見知らぬ他人が手を差し伸べてくれる、いい人ばかりの世の中なんてねぇんだよ。
何でもかんでも知障のような主人公の空回りの努力で解決なんてできやしねぇんだよ。
奇跡なんて起こらねぇんだよ。もっと地に足の着いた、まっとうな人間像を描いてみせろやゴルァ!!!

と、プレイ中に何度叫びそうになったことか。

基本的に、物語に「痛み」がない。それを表現しようと頑張ってはいるのだろうが、薄っぺらで嘘くさい。
落として、落として、どん底に叩き落とされて、それで初めて怠惰な生き方をしてきた自分を反省できるのだろうに、そこまでいかずとも優しい誰かが必ず手を差し伸べてくれるため、どうせうまいことなるんだろ、ふーんあっそ、という気分になってしまい、何の感動もない。
おまけに、その感動させようとする手段が、これまたいつも通りの人の生死が関わるパターンが多すぎるため、もう本当にお腹一杯状態。
最終ルートで、自分の子供が死にそうになってるのに、それを抱えて雪の中に走り出して叫ぶ主人公ってバカ?
今、その子供に必要なのは救急車だ。お前の叫びや願いじゃねぇ。
そういう、絵にはなるだろうが現実離れした行動が多すぎて、気分が萎えっ放し。ライターは夢の中で生きてますか?

第一この最終ルート、社会人として歩み出した主人公と某ヒロインの話なのだが、この話がもう薄っペラペラ。
働きだしてたった二ヶ月かそこらで、いきなり現場監督として引き抜かれるに値するような仕事ができる人間になれるわけがない。
普通はまだ研修中のようなガキだぞ。しかも、高校時代を腑抜けで過ごした主人公だぞ。
それをいきなり、「以前とは目が変わった」だの、「お前は計数にも強い」だの、主人公、裏技でも使っていきなりクラスチェンジしましたか。それともこの職場はめくらの集団ですか?
それまでバイトもしたことのないような人間が、たった一日二日で仕事に慣れるか。んなわけねぇだろ。
あまり社会を舐めるなよ。全年齢対象だからって、ふざけたことばかり書いてると、お姉さんおしおきしちゃうよ?

あまりのパターン臭に嫌気が差し、半分眠りながらプレイしていると、とうとう病弱なヒロインと自分との間に子供が。
あーなんかこれはヒロイン死ぬくさいな。子供生んで自分は息絶えるってパターンだな、きっと。

ビンゴ。このシナリオ、ワンダフルバカ?

あー、とうとう子供持っちまったよ。ん? 子持ちで片親? ってことはここから先、それがきっかけで親父とも和解するっぽいな。

またビンゴ。このシナリオ、グレイトフルバカ?

今は元気だけど、子供はきっと母親と同じ病を抱えてるに違いないよ。で、ラストでいつもの奇跡が大安売りで発生して全部解決するんだ、きっと。

またまたビンゴ。このシナリオ、マーベラスバカ?

ありえないでしょ、こんな今どき韓流ドラマも裸足で逃げ出すようなベッタベタの展開。
ゲームシナリオ募集とかの告知に応募したら、真っ先に落選させられそうな勢いの話だよ?
私は最初ふざけてるのかと思った。大マジで作ったのか、これは。3年間、本当にがむしゃらに作った作品なのか?
何でこれで泣けるの、みんな。目を覚ましてよ、頼むよマジで。それともおかしいのは私なの? ここは猿の惑星なの?

Keyがこれを作った、ということよりも、これを受けれ入れる土壌があることの方が私には信じられない。

面白くないゲームはたくさんあれど、腹が立つゲームを作らせたら、マジでKeyは天才的だと思います。
泣く? どうやって? 血の涙を流してか?

普通の感性を持った、普通の人間を自負してる人は間違ってもやってはいけません。ふざけすぎていて死にます。
ちょっとでも「俺、オタクだし反応できそう……?」と不安があるならやってみれ。ただし、責任は持ちません。
空が青くてもポストが赤くても泣ける、という人はぜひおやり下さい。体中の水分が流れ出すぐらい泣けるでしょう。

私? 泣けたよ。マジで。あくび噛み殺してな。

天使ノ二挺拳銃 -Angelos Armas-

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
67★★

ニトロやっちまいました。ブランド名(火薬)に引火して、アチチチ助けて119番、な状態です。
この、とてもニトロ作品とは思えない点数を叩き出したすべての根元は、システムの大失敗
これじゃなくて、通常のAVGかノベルスタイルだったら、たぶん点数はニ割増しだったと思う。
(それでも80点台は付けられませんが)

悪い点が多すぎるので、とりあえず良い点から。
絵、音楽に関してはもう安定の一言。抑えた色調の中央東口氏の絵は、終末感漂うこの作品にベストマッチしている。
ニトロの他の絵師では、とてもこの雰囲気を出せないだろう。
相変わらず、チンピラ・オヤジ・化物のニトロ三大必須キャラが群を抜いてお上手であらせられます。大好きだー!
萌え絵ばかりが綺麗であとはお粗末、という作品に比べて、格段に物語に厚みを与えている。
皺や髭を付け足しただけであとは若者と一緒、という絵を描いてしまう絵師が増えてきた中で、この描き分けの達者さはかなり貴重なものだと思う。
(言っておくが女性も上手だ。というかものすごい進歩を遂げた)

音楽はおなじみ、ZIZZ STUDIO。もうコツが分かっているというか、そぐわないというBGMがほとんどないので安心して聞いていられる。
毎回質の高いボーカル曲を出してくるが、今回のEDテーマも相当に良かった。ED自体はアレだがな。

さて。さてさてさて。今回のメインぶった切られ悪役(市中引き回しの上、磔獄門)であるシステム。
いったい今までの作品の蓄積は何だったのか、と頭を抱えたくなるほどにまるでなってない。
普通、作品数が増えれば増えるほどに、システム周りは洗練されていくものじゃないの?
そもそも、セーブデータをロードするのに10秒近く待たせられるエロゲなんてプレイしたことがありません。
これはPSのゲームですか? それとも記録媒体がテープレコーダだったころのアレ?
(若いプレイヤーは知らないだろうが、パソコンにはそういう時代があったのです。しかし私はそこまで歳取ってないよ)

1G以上もフルインストさせておいて、ディスクレスにならないこと、レスポンスが激悪なことも納得いかない。
何かするたびに必ずワンテンポ遅れるし、今回初搭載のうざったらしいエフェクトも切れない。
念のため書き添えるが、私のマシンは05年8月の現時点でも比較的高スペックな方です。
なので、マシンが原因という可能性はかなり薄いはず。

一番最悪なのは、AVGでありながら既読スキップがないこと。
ぶっちゃけ、最初と最後だけ読めば、中盤はどうでもいいシナリオなのDEATHがね。
それだって、既読スキップなんて搭載されて当たり前の機能、なぜあえて外してしまったのか問い詰めたい。
小一時間問い詰めたい。
おかげでこっちは、画面眺めたままの高速スキップ併用というアホな作業を繰り返すことに。

これでただでさえイライラが募るのに、このシステム、異常に不安定で何かの拍子にいきなり落ちます。
私なんぞ、あと2,3回画面送ればエンディング、という箇所でいきなり落ちた。
当然やる気は下降線。むしろマイナス。そんな状態が幾度かあり、既読スキップもないのだから、途中、セーブしないで延々とプレイしてると確実に泣きを見ます。(ホント泣けたよ……)
私のマシンだけかと思ったが、他にもそういう事例が多々あるようなので、間違いなくバグと言えよう。

頼むよー、こんなボリュームの少ない作品でそんな致命的なミス犯すなよー。
普段のニトロなら考えられないのだが、今回は、AVGとしてのシステムを一から構築したせいで仕方ないのだろう。
だが、新しいものを導入するときは、それに見合った保守を。安全性はシステムの最根幹を担う要素だ。

そして、よりバリエーションに豊んだ演出を表現しようとして採用されたであろうこのシステム、はっきり言ってウザいだけなのは私だけですか?
マンガのようにセリフや説明が吹き出しで表現され、一枚絵の背景にそれを喋るキャラがカットインで挿入される、という手法なのだが、ただでさえ説明が多く、難解で重いテーマがある設定であるのに、それを白抜きの吹き出しで小出しにポコポコ表示されるような真似をされちゃったら、読みづらいことこの上ない。
おまけにその吹き出しの出現位置が定まらないので、視線をあちこちに動かさねばならず、文との一体感、スピード感が全然味わえないのだ。
マンガなら右から左、ノベルタイプなら左から右、といった日本人共通のお約束をいとも簡単に飛び越えられてしまい、普通のゲームスタイルに慣れていればいるほど、こちらのリズムを簡単に狂わせられてしまう。
この点、もしノベルタイプだったら、文章のリズムを崩すことなく、違和感なく世界観に入っていけたと思われるのがまず失敗の一点。

さらに、これだけどシリアスな物語をこの手法でやっちゃったら、どんなに気を付けても

下手なアメコミみたいな三文芝居

にしかなりえないということ。
カットインのタイミングや絵、画面効果などは本当に見事なのだが、すべてに吹き出しが表示されるせいで、どう好意的に見ても陳腐なデジコミとしか思えないのだ。
おかげで、世界観に入りこむ前に作品に対する熱が氷点下まで下がってしまい、物語を楽しむどころではなくなる。

何でこの作品でこの手法取っちゃったんだろう。これは、もっと甘酸っぱ~いメルヘンラヴな世界か、この手法の効果すらギャグとして笑えるようなコメディ作品にしか通用しないのでは。
少なくとも、私は演出方法とシナリオとの間に深い溝を感じた。
もともと大したシナリオでもないのに、演出によってさらにその魅力が半減。こんなゲーム初めてだ。
(普通は、シナリオはいいのに演出は、とかその逆が多数を占める)

カットインのセンスには並々ならぬものを感じたので演出に8点を付けたが、吹き出しだけなら3点クラス。
もう二度と使わないでほしい。頼む。本当頼む。これ以上やられたら、ディスク叩き割りたくなる。
どうしても使いたいのなら、吹き出しかノベル式か選べるようにしてくれ。じゃないと忍耐が保たない。

そして、その最悪の演出とイヤな相乗効果を生み出してしまったシナリオ。
残念ながら、このテーマを扱うには、現時点では決定的に力量不足。
同社内に虚淵玄という卓越しすぎたライターがいるもんだから、その点をかわいそうには思うし、ある程度情状酌量の余地はあるのだが、どうしても比べざるをえない。
同じライターでも、いっそのこと鋼屋ジン氏(デモンベインのライター)のように、全然違う角度から切りこめばよかったのだろうが、終末という閉塞した世界観、異形の種、狂気の愛、ポン刀銃器カーチェイス祭り、どれもこれも虚淵氏の得意フィールドばかり。
となれば、あとは地力の差が出てしまうに決まっている。

案の定、最近流行りの「アンチハッピーエンド」に仕上げてしまったのだが、それがまず間違いの始まり。

安易なハッピーエンドには罵声を。下手くそなエンドには制裁を。

アンチハッピーエンドってのはものすごーく難しいのです。受け手に衝撃を与えつつ、それでも納得に足る結末を与えなければならないのだから。
そこのところを無視して、ざらつきだけを残すようなエンドってのは、そのときは確かに強烈に印象に残っても、結局は不快感しか残っていないもの。
むしろ、最後まで右往左往してるようなおバカちんが主人公の今作では、
「お前がグズで腑抜けだからこうなっちまったんだ、ボケ!」
としか言われないのが関の山かと。

さらに、黒幕の行動原理がもうすっっっっっっっっっごくチープ

今どき、

「女にフラレた(そもそも、好かれてると勘違いしてた)」→「誰も理解してくれない」→「ボク寂しんぼ」

くらいで世界を滅ぼそうとする短絡思考の悪役がいたんですね。思わず生ぬるい微笑を浮かべてしまいました。
火曜サスペンス劇場だって、もうちょっと気のきいた動機を思いつくぞ。
どうせ鬱を狙うなら、もっと救いがなく、もっとどす黒い、魂が汚濁されるかのような理由を。
おまけに君たち天使なのに、輪廻を信じるんですか。天使はブディストだなんて初めて知りました。

とにかく、一生懸命資料に当たって勉強はしたんだろう。それは感じられるものの、付け焼刃感が強すぎて、結果的に一つのストーリーとしてまとまりがなくなっている。
風子ルートでペーターが語った嘘の定義が、実はエンディングの伏線であるなど端々に光るエピソードも結構あったし、後半のアクションシーンはスピード感も出てきてよかったのだが、いかんせん途中のダラダラした展開が長すぎて、後半に入る頃には「もういいから早く終わってくれ」と祈るしかなくなる。
こういう話なら、各人の心理描写が重要になってくるのに、それがおろそかで状況説明ばかりがくどくどしく入るため、とにかく「うざい」という印象しか持てない。

今作に新人を起用したのは大きなミステイク。メーカーとライター、双方にとって不幸な結末しか生んでないし、実験作では新人の力を測れない。
シナリオ自体、確かに力量不足の感は否めないけれど、たぶん、ノベルタイプだったらもうほんのちょっとは高評価できたであろうので、演出に邪魔されたことを差し引いて、あと1,2作は様子を見たい。
過度の期待はしないが、成長の余地はかなりある。基本的には悪くないものを持っているとは思うので、正統派のゲームスタイルで、きちんとした監修の付いたものをプレイしてみたい。
「」内に句点を付けてしまうような凡ミスに気を付けて、精進してくれることを切に願う。
(↑私はこれが許せない。今作に限らず、結構間違ってる作品多々あり。日本語勉強し直してくれ)

メーカーとしては、これ以上私を苦しませないでほしい。この演出は、個人的に再度の使用を禁止します。
ファンディスク等のギャグ系作品じゃない限り、これを搭載したら私は買わない。徹底回避させていただきます。
それにしてもウロブッチー、ホモゲーのディレクションしてる場合じゃないっすよ! 屋台骨の危機っすよ!
ここらで一発、ガツンとメインシナリオかましてください!
こんな状態が続いたら、私はきっと死ぬ。_| ̄|○~0

天使のいない12月

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
63★★

Leaf東京開発室を過信したのが私の間違いだった。
もっと率直に言えば、所詮、「こみっくパーティー」のライターだった、ということだ。

とにかく、こんなにやる気が削がれたゲームは久しぶりだ。
何一つ盛り上がるところがなく、すべてが何となく進み、何となく終わる。
が、かといって「静かなゲーム」というわけでもない。それなら深みがあるだろうし、余韻もあるだろう。
まず、全体的にどんより感が漂っていて、結論をプレイヤーに丸投げしていることも相まって、最後まですっきりしない。
一本終えた後、「へんじがない。ただのしかばねのようだ」(C)ドラクエ
になりかねないくらいの倦怠感が襲ってくる。

例えば鬱ゲーならどん底に落ち込む衝撃を。
感動・泣きゲーなら心震える展開を。

そういった、最後に何かを得られるカタルシスに乏しく、「何でこんなゲームプレイしちゃったんだろう」とあまりにも虚しすぎる自己否定の感情すら覚える。
それこそがこのシナリオの主人公と同等のメンタルなわけだが。

人間関係は軽く薄く小さくがモットーであり、なにごとにもいい加減で投げ遣りな生活を送っている
(ゲーム煽り文より)

というのが主人公なわけだが、その造形からして何だかピンとこない。
私自身、無意味なポジティブは大嫌いだし、熱血やそういう鬱陶しい感情も御免被るけど、だからといっていきなり超ネガティブに走るような単細胞さは持ち合わせていない。
が、この主人公、高校生にしてすでに生きるも死ぬも面倒くさいと言っているほどの荒廃ぶり。
もしもし、君いったい過去に何があったのですか?

確かにバカだ単純だと言われて久しいけれど、それでも今どき(死語)の高校生が、こんなにも愚かで現実を見つめられないアホ野郎だとは到底思えない。
敢えて言うなら、そういう感覚から遠ざかったいい歳した大人が、世間的な情報だけで「今の若者ってこんな感じ?」と憶測でキャラを造っちゃったような雰囲気。
等身大であろうとして、かえってリアリティに欠ける。

そして、肝心のヒロイン達も、はっきり言って誰一人として魅力的じゃない。
むしろ、未だかつてこれほどまでに電波漂うヒロイン群に遭遇したことがありません、私。
絵は本当に綺麗でかわいく魅力的なのに、このシナリオのせいで、全員がもうどうでもいいキャラに成り下がっている。
そんなヒロイン群に、「本当は優しい子」だの「誠実な人」だの言われてもうれしくないよ俺。つーか迷惑。
と思うのがまっとうな人間だと思うのに、それに対していちいち揺らいでしまう結局冷めきれない主人公。
ひとたび各ヒロインと肉体関係を持ってからは右往左往すること甚だしく、心境の変化が性急すぎる。
その揺らぎっぷりが高校生らしい、といえばそうなのかもしれないけど。

だが、体のつながりだけがすべてだと考え、どこまでも恋愛感情を否定しようと理詰めで考えてしまう主人公。
その行動こそ、お前がすでに恋愛に陥ってる証拠なんだよ、と18歳以上のプレイヤーとしては、徒労感と共にやれやれとため息をつきたくなる。
ガキの独り相撲ほど、大人にとって見苦しいものはない。

そうして、修羅場もなくピンチもない、どうでもいいエピソードを積み重ねた挙げ句、はっきりした結論を提示せず、何だかもやの掛かったような、ぼやけたラストが到来する。
結局は別段鬱になるような展開が待ってるでもなく、開き直って快楽を求めきることもなく、かすかな希望の片鱗さえ見せつけるという、逆説的な人間賛歌で終わってしまうのだけれども。

言いたいことは分からなくもないが、全体的に力量不足。
黙って「こみっくパーティー」みたいなおポンチシナリオ書いてりゃよかったものを、柄にもなくこんな難しいテーマに取り組むものだから、失敗なんてレベルじゃ語れないくらいに消化不良気味。
せっかくのハイレベルなCGや質の高いBGMが、まったく力を発揮できずにぽつねんと取り残されている。
Leafのような大手ゲームメーカーから発売された作品でなければ、誰一人見向きもしないはずだ。
テーマは悪くないので、やる人を選ぶ作品であることは認める。ただ、方向性が間違っているだけだ。

私には大いなる地雷作だった。
確固たる自我をお持ちの方・ポジティブ思考の方にはお勧めできません。
ストーリーはどうでもいい上に、イライラするだけで何一つ得るものがないので。
逆に原画家のファンの方には良い作品かも。
最近のLeafには珍しく、結構頑張ってエロ絵描いてますんで。

こみっくパーティー

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
62★★

正直、「許してください」と思ったソフト。
Leaf版Piaキャロ at 同人誌。それ以外の何者でもない。
しょうもなくオチもないシナリオ、ほとんど皆無のゲーム性、お気楽なノリ、とぬるーくやるにはいいかもしれんが、Leafというメーカーからこの作品を発表したことの罪は重い
プレイ後、(虚しくて)泣き崩れました。

Campus~桜の舞う中で~

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
60★★

微妙……なゲーム。
妹萌えゲー、なんだろうか。そのわりにこの妹、ウザいだけでかわいくないんだけど。
私の心の妹、唯には遠く及ばず。(←(C)同級生2です。念のため)
ヒロインによってシナリオに落差がありすぎるのが気になる。というより、見るべきシナリオは巫女さんの一つしかない。
オチがどれもありがち。智里なんて登場と共に正体バレバレです。

AIR

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
65★★★

「Kanon」で大ブレイクした、Key作品第二弾。が、このメーカー、相変わらず★三つしかつかないなー。
これは完全に私の嗜好のせいもあるのだが。

私は基本的に感動物が嫌いなのだが、それを除いたってこのゲーム、泣きに特化しすぎ。
泣けるシナリオを重視するあまり、文章やテンポ、18禁であるための必然性を犠牲にしているのに気付いてないのか、わざとなのか。
はっきり言ってこのメーカー、これ以上18禁で作品作らない方が得策。

さて、肝心のゲームの方は……ぶっちゃけて言うと、ヤバイ。
シナリオの出来にあまりにも差がありすぎる。
ヒロインが3人しかいないのに、各人が全然平均、拮抗していない。

メインテーマの「AIR」を浮かび上がらせるのに一人は確実に必要。が、後の二人はおまけですか?
以下、今回のシナリオに対するプレイ直後の率直な評価。冷静になれば少しは変わるかも知れないが。

観鈴:60点、佳乃:55点、美凪:30点、過去編(SUMMER):75点、AIR:50点。
総合評価:60点。
厳密に計算すると54点になるのだが、プラス6点は音楽点。

とにかく、音楽は本当に素晴らしい。すげえぜ折戸信治! さすがだ! アンタ天才や!!
各場面場面にこれ以上ないくらいマッチした美しい楽曲。印象的なメロディーライン。

音楽だけになら、90点つけてもいい。

相変わらず、オープニングなんかは本当に出来が良く、かなりの期待を高めてしまう(そしてその後玉砕する)のだが、そのテンションが持続しないのだ。
「田舎」という舞台設定のせいもあるが、とにかく冗漫。だら~っと話が進む。いや、進まない。
中盤の半ば(変な日本語。でもそういう状況)まで、まったく動きのない展開。

だるい、うざい、面倒くさい、の三拍子が見事に揃う

めくるめく展開の好きなスピード狂の私としては、はっきり言って拷問以外の何者でもなかった。

あと、「Kanon」の時にも少し気になってたのだが、キャラかぶってないか? 全員同じ路線だぞ?
つーか、こういうボケ系のキャラしかヒロインとしての存在は許されませんか?
何か、今回は無理矢理キャラ造形をした、って感じがして、ある意味痛々しい。

それにしても、ド素人の勝手な評価とは言え、最高点と最低点のシナリオの差が40点以上ある、ってのはどうかと思う。
外見上、一番私の好みかと思われた美凪のシナリオが、なぜ異常に点が低いかと言うと、考えるまでもない。

キーパーソンがクソガキだからだ。(何度も言うが、私は大変な子供嫌いだ)
そして、シナリオの展開自体が陳腐だからだ。

特に、ハッピーエンドに至る展開。
今どき、あんな使い古されたネタで、しかも小道具のシャボン玉のシーンなんて、毎度殺意を抱くほどうざいくらいに繰り広げておいて(私はここを早送りした)、「それ泣け、今泣け、すぐ泣け」という姿勢が見え見え。
(母親と一緒にメシ食うシーンとかね)
で、最後に「君の妹は空で僕たちを見守ってるよ。だから二人で頑張ろう」なんて腐ったオチだろ、これ。
今どき幼稚園児だって泣かんわ。ユーザーなめんなよ。

天が許しても私が許さん

他は、というと観鈴シナリオは消化不良気味(これには理由があるのだが)だし、佳乃はどうでもいい。
美凪は上記の理由で最低。
つまり、現代編はどれも駄作。
「Kanon」否定派の私でさえ、あれは良作だったんだね、と思わざるをえない。

が、完全におまけだと思っていた「過去編」に一筋の光明はあった。
すべての発端となった、翼人と人との物語。これこれ、こういうのが見たかったのよ。
相変わらず意外性は薄いが、少数に絞ったキャラ設定で、適度に長く、展開も早く、設定もそれなりにおいしく(八百比丘尼だからね)、演出も心得ている。

何でここまでできるのが、あんなお粗末な現代編を作っちゃうんだろう?

という疑問はさておき、このシナリオはとても良かった。
すべての因縁を始めるにふさわしい、悲しく、はかなく、美しい物語。
が、思うにこのメーカー、こういう「大風呂敷広げる系」の壮大な話の組み立てが下手だ。
収束させるまでの展開が、あまりにも長すぎて無駄が多いのだ。
逆に、人の業、精神描写、に関する演出は卓越している。
「呪い」の設定なんて本当に秀逸。それに、現代編の謎が解き明かされる瞬間の快感なんてのは、結構計算されてると思うのだが。
そして、わずかな希望と、次編に余韻を残すラスト。
おお、良い話じゃん!!(過去編だけなら)
が……ここで一瞬でも気分を良くした私は甘かった。「AIR」の悲劇はこれに留まらなかったのだ。

その名もズバリ「AIR」編。頼むから、叫ばせてください。

これを書きたいがためのシナリオだったら、もっと練ってこんかい!!

長い。長すぎる。無駄に長い。面白くない。
とにかく、(ネタバレ危険!→)観鈴が死ぬまでの経過が長すぎる。とっとと逝ってくれ。いや、マジで。
じゃないと、感動できるもんもできない。
家族の絆なんて描いている場合じゃなかろう。1000年前の呪いから解き放たれる、という一番大きい命題があるじゃん。
(だから「the 1000th summer」なんだろう?)

テーマを一つに絞るべきだ。複数やろうとするからややこしくなるし、長くなる。
ただ、このラストシーンはとても好きだ。見る人によっては、バッドともハッピーともつかぬエンディング。
このラスト、私の解釈では、(ネタバレ危険!→)神奈の呪いは解け、柳也と共に転生し、違う時間軸の観鈴と往人に遭遇してることになってるのだが。
(全然違ってたらどうしよう……)

そして、そのとき呟く(ネタバレ危険!→)「僕らには、始まりを」「彼らには、過酷な日々を」このセリフを表示させたセンス、というのは抜きんでており、それはものすごい破壊力を持っている思う。

やりようによっては傑作になりうる可能性を多大に秘めていただけに、あまりにも残念すぎるゲームだ。
まあ、世間の評価はおおむね良好なようなので、これ以上は何も言うまい。
プレイしたばっか、ということで、レビューも無駄に長くなってしまったし。

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