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鬼畜眼鏡

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
68★★

注! このゲームはボーイズラブゲームです。ホモゲーに免疫ない方は近寄らないように!

鬼畜→わりと好きです。
眼鏡→死ぬほど好きです。
リーマン→鼻血吹くほど大好物です。

だから、主人公始め登場人物の半数以上がリーマン、おまけに鬼畜+眼鏡となればプレイ前からトキメキ度MAX、とばかりに張り切って挑んだ今作だったが。

あーえーっと、2007年発売作品の中で、多くの姐さん方が年間ベストに挙げているのを承知で申しますが。
まったく萌えない上にちっとも盛り上がりませんでした。あたいのトキメキを返せ! 返せよぅ!!
その理由は色々あるが、一番大きなものとしては、すべての面においてステレオタイプ、お約束に過ぎること。
つまり、安定はしているが特筆すべきところもない。未知の作品に触れたときの驚きや新鮮味がまったくないのだ。
安定ゆえの面白さに繋がる作品も確かにあるが、今作は安定ゆえの単調さを引き起こしてしまっている。
所々プラス面もあるにはあったのだが、それが全体的なマイナスを上回ることはとうとうなかった。

まず絵。原画はわりと好きなタイプの絵だが、塗りが安定していない箇所が散見される。
差分を除いてもかなりの枚数があるのでそれを仕上げるのは大変なのだろうが、その落差があまりにも激しい。
基本的には原画のトーンを生かした淡い色彩がマッチしているのに、一部ではベターっとしたアニメ塗り。
開発が長期に渡ってしまった弊害なのか、絵柄が安定していない箇所もあり、違和感を感じた所も多かった。
立ち絵とCGではキャラが別人に見えるという失態もあり、なまじ絵が好みなだけにそこが非常に残念。
あと、すごーく細かくて申し訳ないが、御堂が休日の自室でもジャケットを羽織っていたりとか、あれっ? と思うようなビジュアルがあるのが惜しい。
受け手にフィクションを楽しませるには、そういう違和感を感じさせてはいけないと思うのですよ。
差分も多いし、キスマーク付きの立ち絵もあったりと、開発期間にふさわしいボリュームはあるので、その点は良いのだが。

システムは可もなく不可もなく。必要なものはだいたい揃っているが、それ以上でも以下でもない。
ただ、セーブの際にコメントが書き入れられないのがマイナス。
全31種類ものエンドを持つ今作、必然的にセーブを活用する回数は多い。
だがその際、コメントを入れられないのでは何が何だか分からなくなってしまう。完全に個人の記憶に頼るしかない。
それに、今どきホイールでの文字送りができないのも大きなマイナス。
一画面に表示される文字数の多いノベルゲーならともかく、細かいセリフごとに文字送りが発生するウィンドウタイプのAVGでは、何度もクリックするのは煩雑で面倒。
(オートモードはどうしてもタイミングが合わないので使用しない)
そういう、必要充分なのだが細かいところにはまったく手が届いていない、奥歯に物が挟まったような気分にさせられるシステム。

ビジュアルアーツ傘下であるので、エンジンはお馴染みのRealLive。実は個人的にはいまいち評価が低い。
今作でも、スキップが遅かったり場面の切り替えがもたついたり、どうももっさりとした印象が否めない。
(推奨スペックは超余裕で凌駕しています。念のため)
ならば表現力が豊かかというとまったくそういうこともなく、正直、一時代前のエンジンという感じ。
エフェクトの派手さがない分、カメラワークやカットイン等で見せ方を工夫するといったフォローもなく、エンジンの力不足に疑問を感じないのだろうな、と寂しくなる。
ゲームのアドバンテージであるべきこういった点を工夫しないのでは、ドラマCDやマンガの方がよっぽど手っ取り早くて安上がりだとしか思えないのですが。

音楽はテーマ曲以外、まったくもって没個性の代物。作品の邪魔をしない代わりに、作品を盛り上げもしない。
当然、耳に残るような名曲もないし、鳴ってるか鳴ってないかすらも気にならないレベル。
代わりにテーマ曲のレベルはハンパなく、さすがVA系、I'veのC.G mix氏を起用。
ダークな世界観の楽曲が、出来の良いOPムービーと共に作品を盛り上げる。
どうせなら、作中のBGMもI'veに発注すれば良かったのに。
声優陣は皆キャスティングも演技もはまっており、特に主人公役の平井達矢氏は大奮闘。
一人二役を、これを本当に同一人物がやっているのかと思えるほどがらりと変えて演じ分けています。すごい。

さて、シナリオですが。
基本的にエロシチュエーションがメインなリーマン系BLコミック、定価600円(税込)という印象です。
正直、今作に税込定価8,190円払うなら、ドラマCD3枚買うかBLコミック10冊くらい買った方がまし。
悪くはない。決して悪くはないけど、別段面白いわけじゃない。おまけにちっとも萌えない。

第一、リーマン物であるはずなのに、仕事エピソードのリアリティがなさすぎる
細かいこと言うなよと言われてもいい。OL歴十数年の私はそこが気になって気になって(×10)しょうがない。
物売る会社にも、開発→製造のラインを持つ工場にも勤めたことがあるが、本作のエピソードに関しては、「そりゃねーだろ」の連続ですがな。
あ、もしや外資だからか? さすがに外資には勤めたことがないから分からないけどne!
ともあれ、このシナリオライター氏は一般的な会社勤めの経験がないと思われますが。
今作のコンセプトに仕事エピソードは不可欠であるはずなのに、ディテールがまるでなってなくてそこでまず失笑。
これでは最初っからハマれるわけがないのですよ。

ユーザーは最初からフィクションだって分かって作品を手に取るのです。
だったらせめて、そこで上手に嘘を付いてほしい。興ざめさせないでほしいのです。
これは他作品のレビューで何度も書いていることだが、フィクションにも最低限のリアリティは必要。特に現代が舞台なら。
それがプレイヤーをうまく世界観に乗せるコツなのでは。

今作ではかなりの数のエンド数が用意されているが、最悪のバッドエンドが全部刺されて終わるケースなのもいただけない。
殺され方・殺し方に一家言持つ殺し愛愛好家としては、痴話ゲンカの末か恨みを買ってブスッ→デッドエンド、では酒のつまみにすらなりゃしません。
他のエンド・エピソードにしてもそうだが、全体的にバリエーションがなさすぎ
31種類もエンドがあるというのに、どれもこれも似たようなシチュエーションで単調。
おまけにエロにも差分があるため、CG回収のためいちいち同じシチュエーションを繰り返さねばならず、飽きて死亡確定。

ただ、鬼畜度合いのバランスは良い。基本的には言葉攻めメインなのもうれしい。
私は肉体的に痛い系・あまりにハードすぎるものは好きではないので、これくらいがちょうどよかった。
鬼畜初心者にも抵抗感なくプレイできるレベルだと思う。

ところで、今作の一番の問題点は。

「鬼畜眼鏡」というタイトルでありながら、鬼畜でも眼鏡でもない主人公受ルートがあるということなのですが。
こんなアホなタイトル(から連想されるシチュエーション)を好んで買うようなユーザーが、そんなルートを喜ぶだろうかということくらい、ちょっと考えれば3分で答えが出ませんか、普通?
攻だろ? このタイトルから連想される内容って主人公攻だろ? リバが最高に苦手&自分が攻じゃないと許せない私が、何のために今作をやったと思ってるんじゃ、spray!!
だいたい、「眼鏡をかける」って選択肢自体が必要ないだろ。「鬼畜眼鏡」なんだから。
それをシナリオの都合で、「かける」「はずす」を選ばなきゃならないって何ですか?
タイトルに騙されたユーザーに対する嫌がらせですか?
おまけに眼鏡かけっぱなしだと、鬼畜ゲージが真っ赤に振り切れるってどういうことですか。
「鬼畜眼鏡」なんだから眼鏡かけるでしょ。かけるべきだ。かけなければならない。
眼鏡を外したらバッドエンドだってならともかく、付けっぱなしはバッドエンド、付けなきゃ受ルートってのはあんまりです。
私にとってはいずれもデッドエンドに等しい所業だったのですが。

そういう、「ユーザーの欲する空気読めてない感」が今作にはあちこちに漂っていて、いちいちやる気が削がれる。
せっかくの直属の上司は無能な上に乙女チックでものの役にも立たない愚鈍な男だし。(それが一番腹が立つ)
同僚は脳みそまで筋肉のアホタレだし。
主人公は主人公で、眼鏡をかけていないと単なるヘタレのグズで蹴飛ばしたくなる性格してるし。
まともかと思われた嫌味なエリートはいきなり肉体関係強要してくる真性ホモだし。

ホモじゃない奴が紆余曲折の末、ホモ道に堕ちるところにこそBLの醍醐味があるんだろうが!(あくまで持論です)
最初っからホモな奴らがお手々繋いでウフフアハハなBLには萌えないんだよボケが!(だからあくまで持論です)

……と、そんな(私にとっては)トンチキキャラが右往左往している様を見ても楽しめるはずがないのです。
システムパートで前述したけれど、特筆するべき演出があるわけでもないし。

正直言って凡百。そもそも、ゲームである必然性が皆無です。
受攻が選べるくらいがせめてもの利点なのか。個人的には受ルートはまったく無用の長物でしかないのだが。
動きもしない、ゲーム性もない、シナリオはテンプレ。音楽は空気。
いいのは声優陣の熱演とテーマ曲、一部CGくらい。
エロゲなら、どこのレビューサイトでも取り上げてすらもらえないレベルでしかない、空気な作品でした。
むしろ、事前のこれだけの話題性に対してこの内容だったら、地雷扱いされても文句は言えないぞ。

BL、特にリーマン物が(たとえ嘘八百でリアリティの欠片がなくとも)好きで好きでたまらない、ついでにちょっぴり鬼畜で眼鏡キャラならなお良し、といった人にならお勧め。
ある意味、キャラ萌えにしか頼っていない、作品としての総合力は二の次でしかない、非常にBLらしいBLと言えるかも。

キラル盛

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
84キラル好きなら
★★★★

※これはBLゲームブランド、ニトロプラスキラル作品のアミューズメントディスクです。ミニゲームが3本収録されているので、それぞれについて書いてあります。


■猫打(タイピングゲーム)

Lamentoキャラによるタイピングゲーム。
だがお遊びと侮ることなかれ。見た目はものすごくかわいいのだが、難易度は結構高め(らしい)。
私はそこそこタイピングが得意な方なので(7~8打/秒くらい)ノーミスでクリアできたが、他のユーザーのブログやらサイトやらを見て回ったら、あちこちでかなり悲鳴に近い声が。
どうやら通常レベルの速度では、ラストバトル付近はかなり苦しいらしいのでお覚悟を。
と言ってもそこはそれゲームなので、一行分の入力を丸々スキップできる特殊技を実装し、ちゃんとクリアできるようにバランスは取ってあります。
実は攻略中は1回も使わなかったので、効用が全然分からなかったマヌケっぷり。
チュートリアル読んで初めて知ったよ。
ちなみにこのチュートリアル、不親切なことにインストールされたプログラムフォルダ内にあります。これ、知らない人が結構いると思う。
どうしてゲームトップに記載してないのかは謎だが、ご一読を。

ところでこのミニゲーム、真の敵は難易度よりもそのシナリオの笑撃度にあると思う。
淵井鏑氏、ギャグシナリオ超上手すぎ。笑いすぎでキーを打ち損なう危険性の方が高かったよ。
「Lamento」本編を楽しめた人なら、腹抱えて笑えること間違いなし。
よりにもよって帝王・森川智之氏に「にゃー」と言わせるとか、どんな鬼畜の所業か。危うく死にかけたよ。
その他にも、本編では拝めなかったかなりほのぼの系のシナリオも搭載されているのでプレイして損はなし。
「キラル盛」に収録されている3本中、これが真打ちだと思うほど作り込みが細やかで面白かった。超お勧め。

あと、アミューズメントディスクのわりに推奨スペックが異常に高いのはニトロの伝統です。
兄ブランドに慣らされているので私は平気だが、大変にお嘆きのお嬢さん方が多かったようなので。


■クイムス(パズルゲーム)

ちょっとだけ新ルールを加えた、よくある落ち物パズル。
こちらの難易度は「猫打」と違ってやたらと低め。
長丁場になっても落下スピードが大して速くならないので緊張感がなく、いまいち盛り上がりに欠ける。
新録のボイスとゆーぽん氏のちみキャラを楽しむため、と割り切ってゲームにはあまりこだわらない方がいいかも。
また、シナリオというほどのエピソードもなく、基本的にパートナーに誰を選んでも展開はほぼ同じ。
「猫打」ほど特筆するほどのものはなかったのが正直なところ。
ただ、3人全員をクリアすると隠しキャラをパートナーにできるので、それまでは頑張るべし。
それにしても、やはり、「Lamento」だけで2本作るのは少々大変なんじゃ、と思う。
どうせお遊びなら、「Lamento」「咎狗」のクロスオーバーで1本とかにすれば面白かったような気が。


■咎狗ポーカー(カードゲーム)

その名の通り、咎狗キャラ同士で対戦するポーカー。
「必殺技」を使ったイカサマプレイができるが、使用の可否は選べるので、至極真っ当なカードゲームとして遊ぶことも可能。
(と言っても、わざわざオフにする人はさほどいないと思うが)
難易度はこれまた低め。使用キャラによって違うが、必殺技がかなりのイカサマ具合なので。
使いどころのタイミングを間違えず、あと運さえ絶望的に悪くなければ(必殺技は失敗することもある)ほぼ勝てる。
ちなみに最強イカサマ師は処刑人コンビかナノ。この二人を使って負けることはまずありえない。
反対にまったく使えないのが源泉。おいちゃん、CPU相手にその技はマジで使えないよ……!
これにもシナリオと呼ぶほどのものはなく、各キャラのミニエピソード程度。
その代わり、使用可能キャラがかなり多めなのでバラエティには富んでいる。
実際に発売されたグッズである「咎狗の血トランプ」の絵柄をそのまま採用しているので、現物を持っていない人にはそちらも見どころかも。

ところでスタッフクレジットですが。
PS2版で声優名が解禁になったからって、かつて源氏名だった人をそのまま載せちゃっても大丈夫なんですか。
確かに今作は18禁要素はないけど、オラ思わず余計なこと心配しちゃったよ。

薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲ク

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
80★★★

注! このゲームはボーイズラブゲームです。ホモゲーに免疫ない方は近寄らないように!

雑記にてお勧めのBL作品を問うたところ、この作品を推す人が非常に多かったので、勇んでプレイすることに。
が、私は甘かった。砂糖菓子を水飴コーティングし、その上から粉砂糖をまんべんなく振りかけたほどに甘かった。
要するに、百戦錬磨の姐さんたちと、ヒヨッ子の自分のスキル差を全然自覚していなかったのDEATH。
まさかこの作品、キャラ総当たりの陵辱・純愛ルートが用意されている上、Hシーンごとに受攻リバ有り、という破滅的な組み合わせの多さだなんて、攻略サイトを見るまで全然気にしてなかったのDEATH。
(とにかく攻略が大変だという話は聞いていたので、今回は最初から攻略サイト併用です。ヘタレご容赦)
が、知ってしまったとしても後の祭り。もうプレイする宣言をしてしまったし、何よりインストールもしてしまった。
半泣きのまま決死の覚悟を決め、とにかく突撃。

すでに数年前の作品であるので、演出は確かに古いのだが、男子校で起こった陵辱事件の犯人を追うというストーリーは、大正~昭和初期という世界観も相まって、退廃的で背徳感溢れる雰囲気を醸している。
これなら、むしろ画面が著しく動いたりしない方が吉。
その代わり、カーソルが薔薇だったり、メニューが蝶だったり、カップリングを選ぶメイン画面では花吹雪が舞っていたりと、バリバリに耽美を主張する凝った作り。
メニューを選択するたびに、「セーブするのか?」とか、「おや? 止めるんですか?」とかキャラが喋り、気恥ずかしいくらいの凝りっぷりだ。

システムはオーソドックスなAVGで、パッチを当てれば進行には問題なし。
ホイールバックログや音声再生にも対応しているし、膨大なルート攻略に必要なセーブ数も万全。
また、CGモードでは、Hシーンだけでなく、イベントシーン再現もできるのがとても親切。
何しろ、かなりのボリュームがある作品なので、もう一度あのシーンが見たいと思っても、再プレイするほどの根性はなかなか出てこないと思うのだ。

他の点ではかなり頑張っている印象を受ける作品だが、残念ながら、音楽面はかなり寂しい。
曲数も少ないし、無音の箇所もままある。
プレイ後に覚えているのは、オープニングタイトルの物々しいBGMだけという空気っぷりで、これがもう少し頑張っていればもっと単調さを防げたかもしれない。
声はHシーンと一部重要シーンのみのパートボイスとなっており、今となってはやはり物足りない印象が拭えない。
それに、中の人によってえらく出来に差がありすぎるように感じる。
受攻総当たりなのだから、どちらもできる人を起用すべきだったのだろうが、一部の人が、攻はいいが受が聞くに堪えないレベルだったのが気になって仕方なかった。
レトロ感溢れる台詞を、現代の声優さんたちが喋るのはなかなか面白く、その点はかなり楽しめたのだが。

立ち絵のバリエーションはさほどないのだが、イベント絵はかなりのクオリティで仕上げられており、見ごたえは充分。
ただ、一昔前の少女マンガ的絵柄なため、好き嫌いが分かれるかもしれない。
何しろ、日本人と英国人のハーフが金髪碧眼で出てくるレトロさだ。うわーすげー超劣性遺伝
……などと思ってはいけない。たかだか十数年前の少女マンガには、こういうブッ飛び設定のハーフキャラが跋扈しており、それは乙女な小説の世界でも同様だったからだ。

さて、突撃した私は、まずはトゥルーEDから最も遠そうな陵辱ルートから始めることにしたのだが。
基本的に、作品はコンプリートすることを前提にしているので、CG100%を目指したまではよかったが、当然、その反復回数はシャレにならないことに。
特に、陵辱ルートは相手を落とした後のエピソードが著しく単調なため、すぐに飽きて幽体離脱。
進めども進めども、ただひたすらに容疑者(?)を拿捕→支配下にするの繰り返し。
肝心の犯人は、始まってものの10分で(ネタバレ危険→)下手すりゃパッケ見ただけで分かる仕様になっているので、主人公の間抜けっぷりがまどろっこしく、お願いだからもう解放してくれと、何度囚われの受のごとく泣き叫ぶところだったか。
正直言って、凌辱ルートは、とにかくHシーンが好きという人じゃないと耐えられない。
私は、よほど好みのシチュか、めちゃくちゃエロいとかでない限り、別段そんなにHシーンが好きなわけではないので、これには本気でまいった。
それが、攻略キャラ5人×リバ×H回数=死亡。
私が、ゲームスタートから陵辱ルート終了までに1ヶ月以上かかった気持ちがお分かりになるだろうか。
見かねた常連さんから、動作保証対象外の超速スキップ技を教えてもらわなければ、私は確実にあの世へ旅立っていた。
この場を借りて御礼申し上げます。ありがとう、某姐さん!

そんなわけで、まさか純愛ルートもこんなんだったらどうしよう、勧めてくれた姐さんたちを恨んでやる、と八つ当たりしつつ、取りかかるまでさらに半月を要したのは、萎えた心を奮い立たせるのに必要な時間でした。申し訳ありません。

が、着手してみてビックリ。純愛ルートは各キャラの掘り下げがぐっと深くなっており、エピソードも重複するものが少なく、オーソドックスなシナリオながら、それぞれに楽しめた。
また、時代設定を巧みに生かしたエピソードやEDが多く、非常に据わりが良い。これならお勧めされたのも納得の出来。
このギャップは何なのだ。
普通、これだけのキャラが出てきてしかも総当たりとなると、一つくらいはやっつけ仕事が出てきそうなものだが、どのエピソードもとても丁寧に綴られていて破綻がない。
そのバラエティに富んだエピソードが、単調極まりない陵辱パートにもあれば紛れもなく名作となったのであろうが、物語の構成上、これは仕方がないのだろう。
そもそも支配者は隷属する者の事情など鑑みないものだし、エピソードの発露には、陵辱・純愛との分岐選択にて純愛を選び、両者が心を通わせるようになることが条件となっているからだ。

とにかくクリアまでの道のりが異常に大変なので、途中で放棄した人も多いかと思うのだが、付録に「手記」が出るまでは頑張ってプレイしてほしい。(純愛グッドED後に出現するらしい)
これこそがこの作品の真骨頂、これを読まずして真のクリアとは言えないからだ。
ある程度予想の範疇ではあったけれど、それでもその強烈なカタルシスのあまり、各キャラEDを食ってしまう危険性があったからか、あえて本シナリオから外され、「付録」という形にされたラストエピソード。
その、すべての元凶となった想いをぜひ味わってみてほしい。

この作品、確かに多数のプレイヤーにお勧めされるだけの力作ではあるのだが、惜しむらくは、前述の通り、犯人やその動機が分かりやすすぎること、シナリオやキャラがステレオタイプすぎて、斬新な目新しさがないこと。
ただ、意外性がない分、安定感は抜群で、BLというよりは古風なJUNE小説を読んでいるかのような印象を受けた。
ある意味、伝統的な作品だと思う。こういう作風って、今はむしろ貴重なのでは。
閉鎖空間で濃密に展開される物語が好きな人、レトロな時代観が好きな人向け。
軽めのBLに飽きた人、原点を求めたい人なども。

Lamento -BEYOND THE VOID-

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
82★★★

注! このゲームはボーイズラブゲームです。ホモゲーに免疫ない方は近寄らないように!

処女作、「咎狗の血」によって、一躍BLブランドの雄にのし上がったニトロプラスキラルの二作目。
まぐれと実力の違いがはっきりする運命の二作目、なるほど、こうきたかという気分です。
一作目では総合力を、二作目ではハンパでないキャラ萌えを見せつけてくれるとは。

もちろん、作品としてのクオリティもきちんと追求されている。
今回は起動と進行に関する大きいバグがあり、プレイできないユーザーから、「作品自体がツンデレだ」などと揶揄されたが、それでも、兄ブランドで培った技術を惜しみなく投入した、他の単なる紙芝居AVGとは一線を画す仕上がり。
効果音や一枚絵だけでなく、カットインやエフェクト、スクロールを多用する、最近のエロゲ界では流行の演出をかなり積極的に取り入れているが、付け焼き刃感は全然なく、実に板についたもの。
これが総合力か、と思い知らされる。
だが、その動きの多い演出が、通常のAVGに慣れたユーザーには不評を買ったようなのだが、私は素直に感心した。
まだ二作目、色々なことにチャレンジしないでどうする。真に冒険できるのは今のうちだけだ。
ましてや、それは失敗ではなく、確実に効果を上げているのだから。
(余談だが、兄ブランドは「天使の二挺拳銃」で冒険しすぎて失敗した)

しかし、先ほども書いたが、一部ユーザーが起動できない、進行途中でいきなり落ちるというバグを出したのは大問題。
別に差別なわけではないが、特に女性ユーザーでこういうアクシデントに自力対処できる人はまだまだ少ない。
メーカーPCを買ったままの状態で使っているという人も少なくないはずだし、そこをもっと踏まえて、初心者レベルで優しいシステム構築を。
また、推奨スペックを余裕で上回る私のマシンでも、画面のもたつきやセーブ、ロードの切り替えの遅さが気になった。
コンシューマーじゃないのだし、せっかくHDへフルインストールできる環境、もっと快適なインターフェースという面を考慮しなくては意味がない。
コンフィグは細かく変更できて便利だが、それより一歩前の段階で、もっと見直すべき点があると思う。

さて、今作では、「歌」が重要なファクターとなっているが、それに伴って音楽はかなりの力作揃い。
複数のボーカル曲に加え、どのシーンにも落ち着いて品のある、作品の雰囲気をさらに高める楽曲が使われており、さすが
のZIZZクオリティ。まったく問題なし。むしろサントラは買いだ。
キャスト? 誰が文句を付けられるというのだ。BLの帝王、森川智之氏が満を持しての登場だというのに。
本来なら一作目にこそ持ってくるような人材だから、きっといつかはと思っていたが、まさか「猫」に持ってくるとは。
もう、森川氏の「……馬鹿猫が」に萌えて萌えて萌え狂った身としては、文句などあろうはずがありません。
周りが実力派揃いすぎて、主役が一番イマイチなのだが、前作の先割れスプーン氏と比べるのも酷なので、これはこれで。
初々しさがあるので、運命に翻弄される様はよく表現されていて、それが好きな人も多かろうと思った。
個人的には、フラウドの笹沼晃氏とラゼルの犬野忠輔氏がツボ。サドっぽさのあるエロい声と重低音ボイスに弱いので。
何と言っても犬野氏、先に発表した源氏名がヤバすぎて改名させられたいわく付きだし。

絵は相変わらず非常に好み。たたなかな氏は本当にセンスが良い。
尻尾が付いたり角が付いたりすれば、もうそれだけでバランスが崩れそうなものなのに、まったく違和感なくそれを表現してくるし、個体差がきちんと描き分けられているのにも感心。
人種(?)や年齢によってキャラの体格が違うのは当たり前のことだが、そこを身長差や色分け程度でしか描けていない原画家が多い中で、ちゃんと筋肉の付き方や体格そのものを描き分けられるというのは貴重だと思う。
悪魔のデザインも実に秀逸。フラウドのデザインが発表された当時、公式サイトを見てブッ飛んだよ。
キラルいったい何作ってるんだ!? と本気で心配しました。

正直言って、今回は私が大の苦手とする人外キャラだし、まったく期待していなかったのだが、どうやら私は淵井鏑&たたなかなのコンビをまだまだ侮っていたということに気づかされました。
萌えまくったよ、コンチクショウ。まさか人外に落ちる日がくるとは思わなかったよ。一生ありえないと思ってたのに。
最初は、「ネコミミ? もう次回作は買うのやーめた」と思ってたくらい忌避していたのに。

とにかく設定が非常に巧妙。パケ買い狙いの、単なる記号としての耳や尻尾じゃなく、かなりきっちりと「猫」していて、その徹底ぶりが小気味よい。
急所や身のこなし、毛づくろいといった習性を巧みに用いたエピソードの妙には、またもやしてやられた。
なぜ世界には雄が多いのか、なぜ人外なのか、そういう根本的なことを無視する作品が多い中で、こうした細かい設定のフォローは非常に重要だと思う。
今回は、咎狗のときのように事前設定が語り足りないということもなく、すんなりと世界観を受け入れられるよう、かなり気も配られている。

ただ、構造的に1本のメインエピソードを、攻略対象キャラ3人で共有しているので、それぞれの関係は丁寧に描かれてはいるのだが、どのルートを進んでも、基本的に結果は一つしかない(相手はもちろん違うが)。
10人近くも攻略しろと言われても困る(むしろ嫌だ)が、3人という、最近の作品にしては非常に少ない数だからこそ、もっと大々的にシナリオ自体をがらりと変えてしまってもよかったと思う。
これは咎狗のときも同様の構造だったので、次回作への課題。
1本から派生するのではなく、複数ルートが絡み合って1本となる手法の方が、もっと各エピソードが生きてくるのでは。

今作は、過去との決別や自己と対峙することを軸に成立しているので、キャラの逡巡や苦悩を描くシーンが多く、かなりのもどかしさがある。
また、バトルシーンも、名のある敵との死闘というわけではなく、暗殺者に付きまとわれる類のものなので、燃え成分は薄め。
結果的に爽快感に欠け、人によっては飽きてしまう危険性もある。
作中の謎に関しても、途中で解決をみるものが少なく、先へ先へと延ばされてしまうため、どうしても暗闇の中をそろそろと歩くような不確かさばかりが際立ってしまい、全体的にテンポが鈍く感じてしまう。
スピード狂の私としては、それが非常に残念。
物語の内容からすればこれで正解なのだろうが、一ユーザーのわがままとしては、もっと緩急のテンポ差、時には息詰まるほどの疾走感を味わいたかった。

ところで、この作品を楽しむために、ユーザーに求められる重要なことが一つある。
それは、キャラ萌えできるかということだ。
どんな作品でもそうだが、ハマるキャラがいるのといないのとでは、その作品に対する意識は雲泥の差となってしまう。
この作品は特にその傾向が強く、ハマったキャラのルートは非常に楽しいのだが、それ以外はそこそこ、といった印象になりがち。
物語の展開自体はさほど目新しいこともなく、斬新な驚きという点には期待できないからだ。
ただ、その分を補ってあまりあるキャラの数々。ヒャッホウ眼帯、ヒャッホウ悪魔、もう最高!!

……すいません、取り乱しました。

ともかく、実に多彩な肉付けをされたキャラ立ちの良い面々が、そりゃもう様々なシチュエーションでもって、私のような不感症気味の腐女子魂をも大いに奮い立たせてくれます。
淵井鏑氏は本当にツボを心得ている。(ネタバレ危険!→)闇に囚われたかつての師弟が殺しあうエンドだなんて、もうそれだけでご飯3杯はいけます。(食うなよ)
さらに、狂気に支配されたライとの約束を果たすため、自らの手で殺そうとするエンドだなんて、
もうそれだけでご飯5杯は以下略。(食い過ぎだ)
咎狗と同じく、バッドエンドに出色のものが多いような気がするのは、単に私の好みだからか?
ちなみに、殺愛好きにはもうたまりません。ご飯全部で一升はいけます。

以上、今回が以降のユーザー層を分けたであろう今作、私はこのシナリオ&原画コンビがマジで好きだという結論に達してしまったので、引き続き購入させていただきます。
そもそも人外が大好きだという人は文句なしに買い。悶えるくらいに萌え死ねます
私のように、他に惹かれる点はあるが、どうしても人外が嫌で躊躇している人。その辺の、ケモノ耳や尻尾が付いただけの「なんちゃって人外」なんて、足元にも及びません。
ましてや、世界観できっちりとその理由が語られているので、違和感はかなり薄め。
思いきってプレイされることをお勧めします。特に中の人が好きならなおさら。帝王バンザイ! 帝王ブラボー!!

近未来バイオレンス、異世界ファンタジーときて、次は学園伝奇物なんてやってみたいが、さてどうなることか。

咎狗の血 デスクトップアクセサリ

イベント合わせのお遊びディスク。店頭売りはしていないはずなので、お求めはニトロプラスダイレクトから。
普通のアクセサリーキットならまず買わないのだが、多くの腐女子を爆笑とポカーンの渦に巻き込んだタイピングゲームが収録されているとあっては、発注ボタンをポチッとな、しかあるまい。

ソフトの中身はその名の通り、壁紙やデスクトップクロック、ウインドウストラップといったカスタマイズアイテム集。
私? マシンはパワー&スピード命。壁紙は見づらいからいらぬ。時計はツールバー内のもので充分だし、ディスプレイは
液晶だから、スクリーンセーバもまったく必要なしッ!
という、その辺の会社で使われているPCなんぞよりも、格段に色気のない仕様にて稼動中なので、残念ながら、今後も収録アイテムが使用される見込みはないかと。
でも、この中身自体はなかなかにゴージャスで、それぞれ出来も良く、こういったものがお好きな人なら満足できるレベルだと思われます。

さて、ディスクのメインであるタイピングゲームだが。
一つ忠告。おふざけシナリオがダメな人、世界観を大事にしたい人は、近寄らない方が無難。
公式サイトのエイプリルフール企画に代表されるギャグのノリが好きな人なら、ぜひやるとよろしい。
プレイヤーはニトロキラルの広報キャラである「キラルくん」。
実は彼は、ENEDの別ラインプロジェクトから生み出された、まったく新しい戦闘兵器、その名も「愛のエキスパート」。
(ちなみにエマ曰く、「別名:ラブ・エキスパート」とのこと。変わってねーよ)
相手の懐深くへと入り込み、戦意を喪失させる能力を持つキラルくんが、「骨のある者を骨抜きにする(原文まま)」という
任務を負ってトシマに赴く、という、極めてバカ丸出しの設定。(※褒めてます)

骨抜きにするには、タイピングによる会話を成立させるわけだが、中にはキャラが嫌う会話もあるので、それを打つと好感度が下がってしまう。
当然、ネタバレ気味のものもあり、キャラの設定を理解していないと会話自体の意味も不明なので、本編クリアは大前提
また、誤答の出現率はかなり高く、マイナス幅も大きいので注意が必要。
とは言っても、基本的にミニゲームなので、クリア自体はごく簡単にできる。

打ち込んだ会話に対してのキャラのリアクションがやたらと面白く、立ち絵もスチルも全部使い回しなのに、シナリオと演出(と一部効果音)によって、こうも違う作品になってしまうのかと驚かされた。
特にアルビトロ様は必見。元々狂言回し的なキャラだが、確実に今作の主役は彼だ。
ライターの筆もノリまくっているのがよく分かる、絶妙のバカ加減。笑いすぎて手元がおろそかにならないように注意。
お値段はそこそこ安いので、パロディが平気な人、アルビトロ様が好きで好きでたまらない人はぜひ。

好きなものは好きだからしょうがない!!

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
74★★★

※注! この作品はボーイズラブ、しかも4部作です。従ってレビュー内容が4作全部にわたっており、未プレイ作品がある方はネタバレにくれぐれもご注意。

ボブゲ界のパイオニア的ソフト。BLを扱った作品では初の18禁であることもさることながら、その世界観やキャラに熱狂的なファンが多数おり、ボブゲ初心者としてはやはりプレイしておくべきだろう、と勇んで特攻したのはよかったが。

愛さえあれば、白いものすら黒と言い切れる腐女子のパワーを見くびっておりました。

何じゃあ、このまるでPC98時代のエロゲのように行き届いていないシステムは!!
製作にあたって、コンシューマーのAVGや最も近いフィールドであるエロゲのシステムを全然参考にしなかったのか!?
そもそも、ゲームを起ち上げると同時にいきなりフルスクリーンモードに切り替わる。
昨今のゲームはどうもフルスクリーンでやらせたいらしく、最初からそれがデフォルトになっている場合が多い。
ちなみに私は古参エロゲプレイヤーなので、どうもそれに馴染めず、未だにウインドウ派。
仕方がないので、さっそくコンフィグを開く。

……ない。
ウインドウモードへの変更がない。
(1作目のみ。2作目からはできます。が、表示位置の記憶ができません。タイトルコールのたびに画面中央に戻ります)

おまけに調整できるのはメッセージスピード(しかも3段階)とサウンドの有無のみ。
SFCのゲームだって、これよりカスタマイズできたと思うのだが如何。
「いじる必要がない」とチュンソフトのように究極のインターフェイスを追求しているならともかく、到底快適とは言いがたい手触り。
メッセージスキップはさすがに実装しているのだが、それもいちいち画面上部のコンパネを開かないと実行できないし、選択肢以降で解除になってしまうのも問題。
その選択肢がかなり多めで、多様なルートに分岐するのは評価に値するのだが、そのたびにこんな手間をかけていてはフルコンプへの気力がどんどん削がれていく。
おまけにセーブ数が10。とにかく選択肢が多く、CG回収にも手間取る作りなのに、何が何でも私に最初からやり直せと。
あんた鬼ですか!(血涙)

これはレトロゲーレトロゲーレトロゲーレトロゲーレトロゲー(以下10回繰り返し)

と無理矢理自己暗示をかけてゲームを進める羽目に。

とにかく全体的に質が甘すぎる
シナリオの伏線や展開、文章、背景、立ち絵、イベントCGに至るまで、ありとあらゆるところに粗が見受けられ、一度でもエロゲーのトップメーカーの作品をやったことがある人ならぶっ倒れること確実。
特に塗りに関しては叫びたくなるほどひどく、「外注の手を借りない」といえば聞こえはいいが、「おっと大変、明日提出の水彩画の宿題をやってなかったぜ」といわんばかりの突貫工事的な背景は目に余る。
私のような素人目にすら、ほとんど一発書きの下絵(もちろん鉛筆画)をスキャンして慌てて色をつけた、としか見えないのは、「作風です」と言い切れないレベルのものだと思うのだが、どうか。

キャラ絵にしても、いわゆる「アタリ」をとるためにいくつもの線が引かれている状態をそのまま取りこんでいるのだから、間違いなく下絵だと思うが、イベントCGですらこのありさま。
せめてこちらには力が入っているならば話はまだ分かるのだが、一枚丸々キャラのアップ、というものですら顔の輪郭線が複数ある状態。
最高に緊迫感のある場面でこれがドーンと出てきたときには、脱力を通り越して泣きたくなってしまった。

では、いったい何に力を注いでいるのかと問われると、これは萌え音痴の私でも容易に分かりました。
製作者自らが、並々ならぬ愛情と自キャラ萌えを持っていることに。
とにかくもう、腐女子のための萌え要素がてんこ盛り

  • 「女と見まごうかわいらしさ」(腐女子の好物その1)の幼なじみ(しかも生き別れ)

  • 全幅の信頼をおける「金髪碧眼の美形ハーフ」(腐女子の好物その2。しかし遺伝の法則を知らんのか)の親友

  • 面倒見が良くて頼りになる、でも「実は二重人格で鬼畜」(腐女子の好物その3)な兄貴分

  • 兄貴分の相棒で女房役の、家事の達人で甘やかし上手・実は暗い過去持ち(腐女子の好物その4)な癒し系存在

  • 誘い受の小悪魔系で好きな人に対しては一途(腐女子の好物その5)

  • エロテクは一流で自信家。皮肉屋だが実は優しい(腐女子の好物その6)←ちなみに私もこれにハマりやすい
  • その他にも、ちょっと変態入った医者(腐女子の好物その7)だの、キザが様になる弁護士(腐女子の好物その8)だの、冷酷眼鏡に白衣に元気系・ぷに系、と実に多彩なキャラが膨大なエピソードを携えてプレイヤーに襲いかかる。
    CD4枚に分けただけあって、その分量は途方もないもの。
    初作こそルートも少なくすぐに終わってしまうのだが、2作目以降は分岐の嵐。
    同じキャラのルートでもバッド・ハッピーと別れる他に、ノーマルやトゥルーにあたるエンドもあったり、
    直接本筋には関わらないまったく別のエピソードに分岐したり、とにかくボリューム(だけ)はたっぷり。

    あと、エロもかなり多め。
    激甘ラヴラヴなストロベリっぷりで砂を吐きそうなシチュエーションから、ほのぼの、鬼畜まで百貨店並みの品揃え。
    正直、パッケージから受ける印象で、「鬼畜ったって、そんなにすごいのはないだろうなぁ」と思ってたので、意外にも頑張っていたのには驚いた。
    最近の、エロが薄めのエロゲ業界よりはずっと頑張ってエロってます。ネクタイ拘束は基本です。

    イベント絵も非常に多く、絵や塗りが雑で安定していないのが気にはなるが、腐女子のやる気を促成するには充分。
    が、差分CGを回収するのに(エプロンの有無とか)かなり前からやり直さなければいけないというのはつらい。
    セーブスロットは10個しかなく、分岐は多いのにこれではあんまり。
    おまけに、ルート確定の選択肢も比較的早めに出てしまうので、必然的に共通部分が多くなり、再プレイが非常に面倒。

    そして、このキャラ造形。
    ……一つお尋ねしてもよろしいでしょうか。

    この世界にはオカマホモと変態、子供しかおらぬのDEATHか?

    ロン毛禁止! 長髪が似合う男(特に日本人)なんて現実では砂粒の中のダイヤモンドほどしかいないんだよ。
    触覚も禁止! その不自然な髪の毛には絶対神経が通ってるに違いない。いくら何でも重力に逆らいすぎだ貴様ら。

    それなのに、受キャラは基本的にロン毛だし、骨格も女にしか見えない華奢さ。
    おまけにエロCGでは心なしか胸まであるし、ケツも丸くて肉付きよすぎ。
    実は私、こういう「やってることは少女マンガなんだけど、相手とりあえず男にしてみました」的なBLが一番苦手。
    そんなの、ホモの意味ないのでは。
    案の定、主人公と幼なじみがくっついちゃったことを知った親友は、ちょっとはびっくりするものの、あっさり「おめでとう」とか言ってるし。
    そこ! 「男同士だろ」とかツッコミはなしですか。自分の親友を非生産的な不毛な道に歩ませていいんですか。
    あまつさえ祝ってる場合ですか!
    同性同士だからこその苦悩とか迫害とか逡巡とかないんですか。
    そんなことを考えていてはむしろボブゲやる資格はないのですか。

    さらに、学校は男子校、教師も男、友人も男、周囲の関係者もみな男、とものの見事なメンズワールドが展開され、ストーリーにこれっぽっちもまったくカケラも女性が出てこない。
    そのため、もンのすンごく香ばしいファンタジー臭が漂う疑似世界が展開されてしまい、現代を舞台にした作品では、たとえ荒唐無稽であってもある程度のリアリティを重要視する私としては、「あは、あはははは……」と乾いた笑いしか浮かばなくなってきていたり。
    女がいなけりゃ、ホモのお前たちだって誰も生まれてこれないのに、そんなことお構いなしですか。
    敵の幹部、もしくは自分たちの協力者など、たった一人か二人でもいいから、ちょっと印象的な役にでも女性キャラを設定しておけば、この嘘くささだって相当緩和されたはずなのに。
    まぁ、腐女子ってのは、自分たちだって女性なのにストーリーに絡まれるのは嫌らしいですが。何で?

    そういったいびつな世界観を持っているため、最初はそれに馴染めずへこたれ気味でプレイすることになるのに、
    シナリオの日本語が壊滅的。顔文字((><)←こんなの)が普通に出てきたとき、私の心境はΣ( ̄△ ̄|||)でした。
    そんなAVGなんて、私のむやみに長いゲーマー人生の中でも初めてです。
    これだけでもまず萎えなのに、とにかく勢いで書きなぐった、といわんばかりのセンスの感じられない文章の数々。
    一人称なのはまぁしょうがない。本当は相当に巧い人がやらないとアイタタタな結果になってしまう手法だが、とりあえず、元気がよくてちょっとおバカ、かわいカッコイイ系な主人公の雰囲気はよく出ている。
    ……でも、バカすぎてときどき泣きたくなったんDEATHけどね。

    シナリオ自体はライトで明るい学園コメディを装っておきつつも、要所はきっちりシリアス。
    なのでこの文章が余計に痛いのだが、ありがち設定を駆使しつつも、感動的・または心に痛いエピソードを惜しげもなく投入し、飽きさせる、ということはない。
    展開自体はかなり先が読めるのだが、キャラに慣れてさえしまえば、「しょーがねーなー」と諦めもつき、苦笑して物語を楽しむか、という気になってくる。

    でも、悪の親玉の行動原理とか組織の資金源とか、バックグラウンドがとにかくいい加減で、設定自体に説得力が皆無。
    よって物語としては三流
    パッケージや宣伝資料に「学園なんでも屋」という単語が頻出するので、ひょっとして学園アクションコメディか? なんて期待してプレイすると、肩すかしを食らったうえに勢い余って一回転(ひねり入り)してしまうくらい、そんなのどうでもいい設定となってますので、皆様騙されませんよう。(私はちょっと騙された)

    逆に、人間関係のプロセスをすごく大事にしているので、恋愛物としては一流半。
    このボリュームを最大限に生かし、4枚分のエピソードを積み重ねていくにしたがって徐々に変化していく関係をじっくり丁寧に描写しているのには好感が持てた。伊達にボブゲのパイオニアではないということか。
    エロゲの純愛物にありがちな、「出会って恋に落ちた→大したエピソードもなくすぐエッチ」というアホウな恋愛模様よりはずっとやきもきできるし、葛藤や逡巡もきちんと描かれてます。
    なぜか、男同士ということに関しての葛藤はほとんどないのDEATHがね。

    1・2作目では物語がまったく動かず、半死半生でプレイする羽目になるのだが、3作目で急転直下、4作目で大団円とボリュームに相応しい展開を見せたのも評価。じゃないと、これを全作買ったユーザーが浮かばれない。
    逆に、1・2作目だけで止めてしまった人がいるのなら、ぜひ3・4作目はやってみてほしい。
    私も最初の2枚までは危うくクソゲーの評価を下しそうになりましたが、最後までやってみたら意外にも持ち直し。
    案外まともな作品だったんだ、と今なら思えます。

    女性皆無のBL的世界観に違和感のない人、ご都合展開や伏線なんて気にしないぜ、という漢気のある人、腐女子レベルが高く、キャラ萌えだけでご飯3杯はいける、という人にかなりオススメです。
    キャラ立ちだけはめちゃくちゃしっかりしてますので。萌え狂う腐女子の気持ちがちょっぴり分かりました。
    甘甘エンドは正直どうでもよかったのだが、鬼畜、もしくは壊れ系エンドにはなかなか良いものが多かったので、甘いだけのラヴでは満足できない大人な貴女にもオススメ。
    やはり、名の通った作品にはそれ相応の力があるもんなのだなぁと感心しました。

    ……でもやっぱり、自分は真性のエロゲーマーなのだと痛感。
    帰りたい、あのフィールドへ帰りたいよママン!!
    脱ぐのはやっぱ女じゃなきゃ嫌だい! 乳とケツが拝みたいんだい!
    というわけで、しばらくはボブゲはお腹一杯です。ゲフゥ。(4作もやったから当たり前だが)

    咎狗の血

    シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
    83★★★

    注! このゲームはボーイズラブゲームです。ホモゲーに免疫ない方は近寄らないように!
    注2! 声優・エンディングに関してウルトラレベルのネタバレが含まれます。くれぐれもご注意!

    とうとうやらかしてしまいました。初・ボーイズラブ(以下BL)作品。
    はっきり言って、読むだけは結構読んでるのでBLという形態に特に抵抗はないのだが、それでも自分で買うというのはかなり二の足を踏んだ。
    信じられないかもしれないが、今までそういった作品を1冊も所持していなかったからだ。(本当です!)

    なのに何でホモゲーなんて、いきなりレベルAクラスのブツを購入するに至ったかというと、それが私の愛するメーカー、ニトロプラスの姉妹ブランドから出される作品、おまけに監修・ディレクションがあの虚淵玄氏だということで、理性のタガが一瞬にして飛んでしまったからだ。
    漢祭りの第一人者がディレクションするBLゲー、これだけで脳内を爛れた妄想が駆け巡ったのは言うまでもない。

    正直言って、BLゲーというジャンルはまだまだ若い業界で成熟には至らないし、良作よりも粗悪品の方が多いという評をあちこちで目にしていたので、いったいどんな代物に仕上がってくるかでかなーり不安を抱いてはいたのだが。

    すんません。ニトロの底力をナメてました。さすがです。

    すでにエロゲーでノウハウを確立しているだけあってシステム周りは完璧。
    セーブコメント有、ホイールログ送り・バックログ対応、サウンド・シーン回想・CG鑑賞モードをもちろん兼ね備え、既読スキップや選択肢に戻るコマンドにショートカットも割り当てられていて、AVGを快適にプレイする環境は充分。
    もちろんバグもないし、誤字も少ない。
    CDレス起動はできないが、イメージ化は可能なのでディスクレスしたい人にも特に問題はない。

    CGも、キメどころはきちんとスチルを用意しており、分量も申し分なし。
    元々原画の方のセンスが好みなこともあるが、BL作品にありがちなヒョロヒョロした人体もなく、きちんと筋肉の付いた男らしい体つきの各キャラは、死のバトルゲームに参戦する、という設定に違和感のない作風。
    背景や武器も、そこは親ブランドがニトロ。隙のないきっちりとした仕事。

    お馴染みのZIZZ SUTDIOによる音楽もバッチリハマっていて、ハードなギターサウンドが荒廃した世界観をドラマティックに盛り上げる。
    また、場面場面での音楽・SEの使い方や切り替えがかなり巧みで、今作は音楽による演出のレベルが高い。
    ぶっちゃけ、今までのニトロ作品の中で、この作品の音楽が一番好きかも。(罠にはまってるぞ、私!)

    「音」と言えば、今作で絶対に外されないのが、異常なまでに高レベルな各声優陣の演技。
    バラして恐縮ですが、列挙すると、

      アキラ:先割れスプーン(鳥海浩輔)……主人公。パーフェクト受。
     ケイスケ:何武者(杉田智和)……主人公の幼なじみ。穏やかな人格でアキラを慕っている。
       シキ:緑川光……「イグラ」最強と噂される謎の男。超俺様人格。
       リン:鬼龍院隼人(福山潤)……明るいが時折冷たい表情を見せる二面性を持つ。
       源泉:一条和矢……街の情報屋。余裕があり面倒見のよいオヤジ。
    アルビトロ:菱勝(岡野浩介)……犯罪組織ヴィスキオの幹部で「イグラ」の審判役。かなり変態。
      キリヲ:富士爆発(小西克幸)……処刑人。いかにもヤヴァイあんちゃん。
      グンジ:杉崎和哉(谷山紀章)……処刑人。気まぐれな殺人狂。
        n:Prof.紫龍(山崎たくみ)……謎の男。物語のキーパーソン。

    という、「お前それは反則だろ!!」と言いたくなるような巧すぎる方々を惜しげもなく投入。
    この辺がさすがニトロ。「斬魔大聖デモンベイン」で見せつけてくれたキャストの妙を垣間見た気分です。
    特にケイスケ役の何武者氏。彼のエロボイスのおかげで、この作品の私的気恥ずかしさ度は300%を超えました。
    彼の「アキラァ……」を聞くたびに、とにかく悶絶。
    ゲーム前半の善良な人格を完璧に演じていただけあって、反転してからのサディスティックさやエロさが余計に際立ち、マジで鳥肌ものの巧さ。
    はっきり言って、大好きです。ファンになりました。(だから罠にはまってるぞ、私!)
    他のメンツも、変態は変態らしく、鬼畜は鬼畜らしく、鬼気迫る演技力でゲームの臨場感に一役も二役も買ってます。
    (でも、n役のProf.紫龍氏が、同メーカー作品の某マッドサイエンティスト『西博士』と同じ人でビックリ。
    役柄は全然違うのに、今にもギターをかき鳴らして超テンションを見せつけられる気がしてシリアスな場面で爆笑しちまいました……すんません)

    さて、メインのシナリオ。
    正直、設定に斬新さはさほどないものの、腐女子の萌えだけに突っ走ることなく、かといってそれを軽視もせずに手を変え品を変え、ここまでまとめ上げたのは並大抵の苦労ではなかったと思う。
    それに、男性プレイヤーを非常に意識した作りだと感じた。
    同性同士という異様なシチュエーションを、ハードな世界観と極限状態という非常事態に紛れ込ませ、あえて幸せピンク色のイメージを表に出さなかったのは正解。
    おかげで私のようなBLゲー初心者でも非常にプレイしやすかった。

    テキストが硬質のしっかりした文体であるのも取っつきやすい理由の一つ。
    BL小説などでは、はっきり言って読むに耐えないレベルのものが多数あるが、今作はそれもなく、感情に走ることなく意識的に抑えた筆致が世界観を損なうことなくリアルさを出すのに一役買っている。
    通常のAVG群と比較しても遜色ない出来で、安心して読み進められる。

    だが、正直言って、ネタの扱い方には甘さが多く見られた。
    どうしても女性向け、ということが足枷になるのは仕方がないのだが、世界観が重いわりに展開が淡々としすぎ、そして早すぎる。
    描写は丁寧なのだが、何となく重みに欠け、私のように、「死のゲーム」から連想される、魂を打ち倒される鬱展開を期待するプレイヤーはかなり物足りなさを覚えるだろうということ。
    むしろゲーム後半、「愛」や「信頼」といった生ぬるい感情論に傾きがちになり、そこが少し興ざめ。
    せっかくの、ただ一人の頂点を決める死のバトルゲームという設定なんだから、もっとハードな殺し合い、目を覆いたくなる残酷な事実、燃えバトルなどを期待するのは当然ではないだろうか。
    (あれで充分残酷だ、という腐女子の皆様ごめんなさい。殺し合い大好きっ子なもんで)

    結局、メインの設定であったはずのバトルゲーム「イグラ」は、詳細なルールの取り決めがあったにもかかわらず、ほとんどその描写がなされない。
    これは、シナリオの根幹として(ネタバレ危険!→)「イグラ」は壮大な茶番劇である、という設定があるので仕方がないのだが、それでも表面上は闘うために街に入ったはずなのに、バトル風味がこうも薄くては何だかなぁという気分がぬぐい去れないのだ。
    デスマッチ大好きっ子としては、もっと執拗なくらいに(「鬼哭街」なくらいに)バトルシーンを持ってきてもよかったように思う。
    そこで段々シナリオの裏が見えてきて……という展開なら、もっと熱くなれたと思うのだが。

    また、キャラ別ルートに入ってしまうと、他のキャラの扱いがおざなりになり、基本的なシナリオの謎すら明らかにはされない、といった破綻が発生する。
    結局、裏で糸を引いていた人物が唐突に出てきて真相を語り、あとは攻略キャラと脱出・エンディング、といった共通の展開はいかにも駆け足すぎ、おかげでせっかくエンディングを迎えても、何だかすっきりしない消化不良感が残る。
    どのルートでも、もう少しエピソードの補完をするべきだったと思う。

    これは、世界観の説明も同様だ。
    日本を二分するほどの勢力を持つCFCと日興連という組織について、シナリオ中でほとんど触れられていないのはいかがなものかと思う。
    公式サイト・雑誌情報などでは説明されているが、こういったものはやはりきちんと作中で解説されるべき
    ほとんどのプレイヤーは予備知識など持たないのだから、既知情報として扱われても混乱を招くだけだ。
    こうした情報を作中で扱うことによって、世界や人々の精神的な荒廃具合に裏付けと説得力が与えられ、物語世界を一層深いものにできたであろうに惜しいことこの上ない。

    思うに、このライター氏、まだ固さが取れていない。だが、経験を積めば大化けする可能性大
    潜在的な力量はかなりある。熱意もすごく汲み取れる。何より、殺愛支配愛など、「アナタ私の脳内覗いた?」と聞きたくなるほど、私的萌えシチュエーションを生み出す才能は希有のもの。
    私の好み以外にも、大多数の腐女子をほぼフォローできるくらいに多彩なシチュエーションが用意されており、かなり研究したな、とその苦労を労わずにはいられない。
    人によっては萌え死ぬ可能性すらある妄想の余地のあるキャラ造形は素晴らしいの一言。
    おかげさまでうかつにも今作最大のバッドエンドで萌えてしまった大バカ者がここに。

    ちなみにどんなエンドかというと、(ネタバレ危険!↓)

    自分に密かな想いを寄せていた、普段穏やかな性格の幼なじみだったケイスケが麻薬によって黒人格へと豹変し、
    大雨の中殺し合った挙げ句に恍惚と内臓引きずり出され、それを見ながら意識が遠のく(つーか死ぬ)

    というもの。本当にコレ、腐女子ゲームか?(ちなみに私は変態ではない。念のため)

    その他にも、とにかく一筋縄ではいかないエンディングばかりあり、BL作品特有の極甘ラブラブエンドを期待している方々には受け入れられない可能性大。(ちなみにそういうエンドもあります)
    というわけで、シキエンドは激しく賛否両論らしい。
    ちなみに私はシキエンド3(↓ネタバレ危険!)で萌えましたが何か?

    麻薬王となったシキと、半ば精神崩壊し、シキの愛玩物と化したアキラ。
    その類い希なる受パワーをもってしてシキの留守中に部下を籠絡し、帰ってきたシキの嫉妬心を引き出して二人して愛欲に狂うというバカップルエンド。

    以上、新規ブランドだけに詰めの甘いところも多かったが、それでも今現在市場に溢れているBL作品とはいきなりレベルの違うところに突如現れてしまった今作、以降の業界標準となるべき作品なんじゃなかろうか。
    ブランド処女作として非常に手堅い作りで、「ニトロの姉妹ブランド」というレッテルを良く生かしたという印象。
    その分、冒険はあえて避けたという感じで、ぎらつく野心こそないものの、それでも心に訴えるものがあった。
    とにかくこの業界に一石を投じよう、という心意気を感じる。
    志、とでも言おうか。腐女子の中の漢たちが作った、とでも言おうか。私は好きです、こういう攻め姿勢。
    これならニトロキラル二作目も買おうかなと思える出来だった。
    BL未体験だけどやってみたい、という男性プレイヤーにもお勧め。
    さほど気持ち悪さは感じない……はずです。たぶん。(ケツ穴痛そうなのは我慢してくれ)

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