新・御神楽少女探偵団
| シナリオ | 絵 | 音楽 | 演出 | システム | 総合評価 | オススメ度 |
| 7 | 8 | 8 | 7 | 8 | 79 | ★★★ |
コンシューマーから18禁へとプラットフォームを変えた作品。なのだが。
あいたー。これは18禁にしてはいけないゲームの典型になっちまいました。
PS版ではぼかしてあったエログロの表現を遠慮なく盛り込んでしまったことで、コンシューマー版にあった魅力が損なわれてしまったという稀有な例。
そして、何よりも爽快感の薄いシナリオ。
とかくひどかったPS版の絵に関しては、さすがに老舗のエルフが手がけただけあって、原画・塗りともに隙のない高レベルなものに進化しているものの。
キャスティングも見直しが計られ、PS版で「アンタ本当にプロ?」と疑いたくなる演技をかましていた某お嬢様等、ボイス面でも大幅に改善が見られたものの。
残念ながら、キャラ立てと18禁というフィールドが噛み合っていない。
前作はパッと見は「3人娘で探偵団? ウヒウヒ、エロゲな予感」な雰囲気なのだが、同梱されている移植版をプレイすると分かる通り、見た目とはうって変わった硬派の、清潔感あるAVGなのだ。
が、せっかく生き生きとした個性を持ち合わせていた3人が、「色恋沙汰」を最終目的として盛り込まれてしまったため、凡百の小娘に大変身。
おまけにそのHシーンもかなり薄く、シチュエーションも強引で、「とにかくエロを盛り込まなきゃ」という意志が空回りしている印象を受ける。
せめて、3人の個別のエピソードをもっと設け、時人との心の交流を丹念に描くべきだったと思う。
最後の最後にきて、「私、先生が好きです→いきなりH」という展開はどうにも腑に落ちないのだ。
また、肝心の快刀乱麻を断つべき探偵の時人が今作ではヘタレなのも問題。
確かに推理力においてかつての冴えを衰えさせてはいないものの、いきなりジャンキーで廃人寸前、というのはこれから推理ゲームを解くぞ! という意気込みをしていたプレイヤーを脱力させるに十分すぎる。
おまけに、目はうつろで頬は痩け、よだれと不精髭にまみれた、見るからに汚らしいグラフィックまできちんと用意してくれやがってる徹底ぶり。いったい誰がそんな名探偵像を拝みたいものだろうか。
普通、プレイヤーにショックを与えるのは奮起を促すための演出じゃないのか。これでは萎える一方だ。
そういった、「推理」以外の部分のシナリオにはかなり粗が目立つが、軸となるこちらはさすがの出来映え。
意外性の高さや複雑に絡み合う伏線、プレイヤーにほんの少しの違和感を提示するテクニックも見事だし、謎解きも時折荒唐無稽な点はあるが、納得に足るレベル。
さらに18禁ということで遠慮なくやれるようになった猟奇的エピソードと残酷描写がてんこ盛り。
人によっては目を背けたくなるグラフィックや吐き気を催すであろうシチュエーションがこれでもか、と大量に盛り込まれているので、おどろおどろしい推理物に目がない人ならかなり楽しめるはずだ。
だからこそ上記の2点が惜しすぎるのだが。
読むだけでないシステムとして「推理トリガー」を盛り込んであるので、ゲームとしてはかなり好感触。
自分で能動的に介入しないと解けないようになっているので、ダレがちな長編AVGによい緊張感を与えてくれるし、そうして謎が解けたときの爽快感もひとしお。
ただ、推理ゲームとしてはバックログを読めることが必須だと思うのだが、これがなぜかできない。
この辺のシステム周りは少々片手落ち感が否めない。
セーブもチャプターごとにしかできないので、別の選択肢をしてみたいときが面倒。
ゲームの性質上、どこでもセーブ、というわけにはいかないだろうが、尺の長いゲームでもあるので、その辺もう少し融通を利かせてくれると良かったと思う。
本格推理物、ゲーム性のあるエロゲーを求める方にお勧め。
ただし、残酷描写にお気を付けて。シャレじゃなくかなりキッツイのがありますので。