| シナリオ | 絵 | 音楽 | 演出 | システム | 総合評価 | オススメ度 |
| 8 | 9 | 8 | 8 | 9 | 85 | ★★★★ |
「こみっくパーティー」で放心、「まじかるアンティーク」で呆然、「誰彼」で私に絶望を見せつけ、「もうだめだ」と思っていた瀕死のゲームメーカーLeafが、起死回生の一発を放ってくれました。
良作です。エロが薄いこと、難易度が低すぎること、分岐がないこと以外はほぼ文句なし。
よくぞここまで立ち直ってくれた。
かつて気に入っていたメーカーなので、その復活の兆しが見えるこの作品には好意的な評価ができるというもの。
絵、音楽に関しては特に言うことは何もない。さすがの出来映え。
実は私、人外キャラ嫌いなんですが、この作品に関してはそれ自体がストーリーのキモであるし、何より作画がとてつもない綺麗さだったので、マイナスの印象は受けなかった。
チップキャラのなめらかな動きや立ち絵のバリエーションも多く、ことCGに関しては他メーカーを圧倒する仕事ぶりは健在。
ただ、イベントCGが少なすぎる。
「このシーンおいしいよなぁ」と思う場面でも、ただ暗転して終わるケースが多かった気が。
せっかくのイベントなんだから、ここ一番、というところで気張ってほしかった。
(まあ、スタッフは死んだかもしれんが……)
音楽は少々曲数が少ないが、シーンの雰囲気を壊さない作風で、ちゃんと仕事を果たしている。
シナリオに関しては、終盤~ラストまでが少々急ぎすぎた。
肝心の謎の部分を「すったかたー」と通り過ぎてしまった感がある。一応きちんと説明はされているので疑問点は残らないのだが、もうちょっと引っ張ってもいいかも……と思わずにはいられなかった。
それだけ、この世界観にひたることができた、ということであるけれども。
散りばめた伏線をすべて回収しようとする努力や、何気ない伏線の張り方には感心した。
まさか、序盤の木登り→落下エピソードがラストに絡んでこようとは……。
単なる作画上の飾りだと思っていた髪飾りに、そんな意味があろうとは……。
派手に意外性があるわけでもなく、奇天烈なキャラ造形をしてるわけでもないが、とにかく丁寧な作り。
かなりな数のキャラが出てくるが、一部を重用しすぎてバランスを崩したり、他をないがしろにしたりすることなく、それぞれに印象深いエピソードを用意し、それを主軸に絡めてくる手腕はかなりのもの。
また、緩急のテンポが絶妙で、戦闘を終えた後には必ずちょっと笑えるイベントを数多く用意してあったり、異世界伝奇物という特殊なフィールドでプレイヤーがとまどいや疎外感を覚える前に、流れにうまく乗せてしまうテクニックは賞賛に価する。
また、一歩間違えば殺伐で陰惨な雰囲気を醸し出しそうな「戦国時代」を舞台にしておきながら、このAVGパートでの「笑い」がそうなるのを防いでおり、ゲームとしての雰囲気がとてもいい。
プレイしていても、ちっとも嫌な気分にならないのだ。
テーマには種の存続や人としての尊厳、国同士の攻防による理不尽さなど重っ苦しいものがてんこ盛りだというのに。
どこかしら暖かく懐かしい雰囲気と、自分を信頼してくれる心強い仲間たちが繰り広げる、時には笑い、時には涙するエピソードの数々が、一気にラストまでへと導いてくれる牽引力となっている。
その「笑い」の部分も、無理矢理ギャグを言ったり、理不尽な展開に持ち込む奇形的な笑わせ方でなく、あくまでも話の流れ上やキャラの性格を活かした、モニターの前で「プッ」と吹き出す程度の自然さで誘導していて、乗せられていても気分がいい。
(とか言ってたら、このシナリオライターって「BE-YOND」の人だったのね……納得)
ラストの扱いについては賛否両論あるらしいですが、私はあれで満足。
ユズハもちゃんと亡くなってるし(設定上そうなんだから仕方がない。生きてたら興ざめだ)、ひょっとしてハクオロが帰ってきたのかな? と暗示させる程度に抑えてるところが、この話の空気を壊さないでいるような気がしたので。
このゲームの最大の問題点は、何と言ってもその難易度。
めっちゃ簡単すぎ。
あのですね、18歳以上のゲーマーならば目をつぶっていてもできますぜ、このSLGパートは。
攻略もへったくれもなし。早い話、全員を攻撃力重視で育て、やられる前に大将をタコ殴りにすればおしまい。
おまけに連撃システムなんてあるもんだから、ますますバランスの崩れること崩れること。
自軍強すぎのため、「ユニットが潰されるかも……」といった、通常のSLGに感じられる緊張感は皆無。
地形効果や騎兵と弓兵、歩兵との相性なんてのがあるからこそSLGは面白いわけで。
まあ、これ自体がイベントの一環、と言えなくもないので、あえて目をつぶりますが。
せっかく、勝利条件は色々とバリエーションを取り入れ、途中のイベントによって変わったり、と工夫を凝らしているのだから、もっともっと戦略性を強めてもよかったと思う。
あとは、魅力的な女性キャラが多数いるので、分岐エンディングも見てみたかった。
ストーリーを魅せるためにはこの手法がベストだ、というのは分かってるんですが、これはちと残念。
その分、エンディングでその後の展開を見せてくれたのはありがたかった。皆、納得できる行く末だったので。
どうもコンシューマーを狙っているような気もするが、戦略パートを改良すれば、十二分に通用する出来映えだと思います。
私はこれ、「エロゲー未体験者」にお勧めの「ファースト18禁ゲーム」に向いていると思う。
ストーリーも魅力あるし、エロも薄いしどノーマルだし(笑)
極めて拒絶反応の薄い、良質のゲームだと思います。
正直、手元に置いてからも半年以上放置してたことを後悔。やっぱ積みゲーはダメね。