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誰彼

シナリオ音楽演出システム総合評価厳重注意度
50★★★★

当レビュー初の赤点。これがあのリーフのゲームかと思うと、その没落ぶりに涙が出てくる。
あまりのすごさに、怒りを通り越して笑えるくらいの怪作。(決して遺作、臭作、鬼作の兄弟ではない)
少なくとも私はこれを許すことができないので、あえてレビューを書いた。
私は容赦のない性格なので、はっきり言わせてもらう。

シナリオがダメ。演出がダメ。文章もダメ。AVGとしての形態に意味まるでなし。

そこまで言うことないだろう、と思っている方、試しにプレイしてみましょう。
ただし、リーフ作品体験者に限る。
「誰彼」を初めてプレイして、このメーカーがいつもこんなアホゲーばっか作っていると思われては、さすがに可哀想すぎるので。

とにかくもう、マジすごい文章と矛盾極まる設定の嵐。センスのかけらも感じられないセリフ。
有名すぎて今さらだが、これだけは世界に知らしめねばならないと信じているので、あえて引用する。

「おまえがいまじている情は精神的疾患の一種だ。
          しずめる方法はが知っている。に任せろ」
(通称、「感感俺俺」)

「感じている感情」って?Σ(゚▽゚;)
このように、文章構造に欠陥があることはもう言うまでもない。

さらに、エンディング直前の最高(?)の盛り上がりを見せる場面で、今回の事件の根元でもあるヒロインが、愛する男と共に皆の前からひっそりと姿を消し、その際にたった一人の肉親である弟に残したセリフ。
(つーかこの展開がすでにひでえ)

「日本一の弟だと思っています」

よっ、にっぽんいちぃ~~~~!(←狂い気味)
ダセェェェェェェ!!!!

君(シナリオライター)にはセンスがないのかと問いたい。
問い詰めたい。
小一時間問い詰めたい。
(むしろ、並々ならぬギャグセンスに満ちあふれていることは認める)

こんなこと喋られて、ラストに感動の涙を流すアホ愉快な人物がいたらお目にかかりたい。
全編この調子で、ミステリアスでシリアスであるべき伝奇物が、電波系ギャグへと変換されている希有なこの作品。
クソゲーハンターならやってみるべし。
ただし、私は責任をとらないので各自自爆覚悟でお願いします。

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
1094

私的18禁ゲームランキング第1位。現時点で考え得る最高傑作。
(長年守った王座だったが、2002年末にとうとう「月姫」に明け渡した)

シナリオ、キャラ造形、音楽、演出、すべてにおいて、100パーセントに最も近いゲーム。
何で100をつけないかというと、一部のシナリオが弱いのと、ここで100を付けちゃったら、この先ゲームをやる意義を見失いそうだったから。
それくらい、見事にツボにはまったゲームでした。

特にシナリオが絶妙。神懸かり的に冴えわたってると言っても、過言でない。

千鶴の、「あなたを殺します」で死んだ人は数知れず
(私も死んだよ……)

バッドエンドがかくも美しく印象的なのも特徴か。絶対ハッピーエンドよりレベルが高い。
さらに、何と言っても、日本の美を感じさせる描写とシナリオ、そして、音楽
和物に弱い私としては、それだけでもうオッケーな気もするのですが。

柏木四姉妹のエピソードは、それぞれどれも印象的ではあるんだけど、残念ながら、梓がやや弱い。
これが100点にならない第一の原因。
が、しょうがない、これは。他の3人のシナリオが立ちすぎなんだから。


  • 記のセリフ&ラストシーンで陥落率No.1の千鶴

  • 転生入ってて無口だけどひたむき、ツボ抑え率No.1の楓

  • 純粋でけなげで守ってあげたくなる率No.1の初音


この隙のまったくない布陣のどこに梓の食い込む余地が?(梓ファンの方、すいません)

だが、導入部の事件にきちんとした解決を与えなくてはシナリオとして成立しないし、あの4人の中で誰がその役を果たすか、となると、やはり梓としか考えられない。
キャラ造形的に見て、彼女が一番現実的で、非日常をあまり感じさせないキャラだからだろう。
そういう計算も兼ねて、現実をより際だたせる「料理上手」とか、「行動的」な性格を与えた、と考えるのは穿ちすぎかな?

このゲーム、べらぼうにキャラが立ちまくってはいるけれど、実はそんなにセリフが多いわけではない。
なのに、このキャラの存在感。これはひとえに演出の妙だろう。完成度高すぎ
無駄がないゲームってのは本当に優れている。

さらに、ゲームとしてのスタンスも進化している。
前作の「雫」は、そのシナリオの毒電波ぶりに、とても万人向けとは言い難かった。
それが一部の熱狂的ファンを生み出す要因にもなったわけだが。
普通ならここで、もっとどぎつく、扇情的なものが生み出されてくるか、一般受けを狙って、妙にソフトになるかのどちらかなのだろうが、「痕」は違った。

「雫」の長所で短所でもある(私は長所だと思っているが)、先鋭的な部分を丸くして、結果的にシナリオの妙を損なうような愚行はせず、さらに魅力的なシナリオを用意した上で、突出した部分を上手くカムフラージュさせ、その実切れ味は増している、という希有なゲームなのだ。

シリーズが進化する、というのは、実はなかなか大変なことなのだ、
という持論を持つ私としては、この点は大きく評価したい。

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
88★★★★

あのダークな雰囲気が気になって以前からずっとやってみたかったのだが、タイミングよくお勧めもあってプレイすることに。

初っぱなからキてます。電波ガンガン届いてます。
キャラ? そんなものは二の次でいいっす。
コンシューマーになんて移植は絶対不可能。むしろ、したら殺ス。
18禁であることの強みを最大限に引き出しているシナリオに脱帽。

ボリューム的には長くない、むしろ昨今のゲームに比べて非常に短いくらいだけれども、それの持つ重みは全然違う。
そして、一般的に見れば決してハッピーエンドじゃないけれど、一つの物語として、限りなく美しい収束。

完成されたものが与えるインパクトというのは、こうも大きいのか

そう思いました。

あと、音楽が素晴らしいです。特に好きなのが「バッドエンド」と「瑠璃子」。
ええ、私はそういうキャラです。

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