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天使のいない12月

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
63★★

Leaf東京開発室を過信したのが私の間違いだった。
もっと率直に言えば、所詮、「こみっくパーティー」のライターだった、ということだ。

とにかく、こんなにやる気が削がれたゲームは久しぶりだ。
何一つ盛り上がるところがなく、すべてが何となく進み、何となく終わる。
が、かといって「静かなゲーム」というわけでもない。それなら深みがあるだろうし、余韻もあるだろう。
まず、全体的にどんより感が漂っていて、結論をプレイヤーに丸投げしていることも相まって、最後まですっきりしない。
一本終えた後、「へんじがない。ただのしかばねのようだ」(C)ドラクエ
になりかねないくらいの倦怠感が襲ってくる。

例えば鬱ゲーならどん底に落ち込む衝撃を。
感動・泣きゲーなら心震える展開を。

そういった、最後に何かを得られるカタルシスに乏しく、「何でこんなゲームプレイしちゃったんだろう」とあまりにも虚しすぎる自己否定の感情すら覚える。
それこそがこのシナリオの主人公と同等のメンタルなわけだが。

人間関係は軽く薄く小さくがモットーであり、なにごとにもいい加減で投げ遣りな生活を送っている
(ゲーム煽り文より)

というのが主人公なわけだが、その造形からして何だかピンとこない。
私自身、無意味なポジティブは大嫌いだし、熱血やそういう鬱陶しい感情も御免被るけど、だからといっていきなり超ネガティブに走るような単細胞さは持ち合わせていない。
が、この主人公、高校生にしてすでに生きるも死ぬも面倒くさいと言っているほどの荒廃ぶり。
もしもし、君いったい過去に何があったのですか?

確かにバカだ単純だと言われて久しいけれど、それでも今どき(死語)の高校生が、こんなにも愚かで現実を見つめられないアホ野郎だとは到底思えない。
敢えて言うなら、そういう感覚から遠ざかったいい歳した大人が、世間的な情報だけで「今の若者ってこんな感じ?」と憶測でキャラを造っちゃったような雰囲気。
等身大であろうとして、かえってリアリティに欠ける。

そして、肝心のヒロイン達も、はっきり言って誰一人として魅力的じゃない。
むしろ、未だかつてこれほどまでに電波漂うヒロイン群に遭遇したことがありません、私。
絵は本当に綺麗でかわいく魅力的なのに、このシナリオのせいで、全員がもうどうでもいいキャラに成り下がっている。
そんなヒロイン群に、「本当は優しい子」だの「誠実な人」だの言われてもうれしくないよ俺。つーか迷惑。
と思うのがまっとうな人間だと思うのに、それに対していちいち揺らいでしまう結局冷めきれない主人公。
ひとたび各ヒロインと肉体関係を持ってからは右往左往すること甚だしく、心境の変化が性急すぎる。
その揺らぎっぷりが高校生らしい、といえばそうなのかもしれないけど。

だが、体のつながりだけがすべてだと考え、どこまでも恋愛感情を否定しようと理詰めで考えてしまう主人公。
その行動こそ、お前がすでに恋愛に陥ってる証拠なんだよ、と18歳以上のプレイヤーとしては、徒労感と共にやれやれとため息をつきたくなる。
ガキの独り相撲ほど、大人にとって見苦しいものはない。

そうして、修羅場もなくピンチもない、どうでもいいエピソードを積み重ねた挙げ句、はっきりした結論を提示せず、何だかもやの掛かったような、ぼやけたラストが到来する。
結局は別段鬱になるような展開が待ってるでもなく、開き直って快楽を求めきることもなく、かすかな希望の片鱗さえ見せつけるという、逆説的な人間賛歌で終わってしまうのだけれども。

言いたいことは分からなくもないが、全体的に力量不足。
黙って「こみっくパーティー」みたいなおポンチシナリオ書いてりゃよかったものを、柄にもなくこんな難しいテーマに取り組むものだから、失敗なんてレベルじゃ語れないくらいに消化不良気味。
せっかくのハイレベルなCGや質の高いBGMが、まったく力を発揮できずにぽつねんと取り残されている。
Leafのような大手ゲームメーカーから発売された作品でなければ、誰一人見向きもしないはずだ。
テーマは悪くないので、やる人を選ぶ作品であることは認める。ただ、方向性が間違っているだけだ。

私には大いなる地雷作だった。
確固たる自我をお持ちの方・ポジティブ思考の方にはお勧めできません。
ストーリーはどうでもいい上に、イライラするだけで何一つ得るものがないので。
逆に原画家のファンの方には良い作品かも。
最近のLeafには珍しく、結構頑張ってエロ絵描いてますんで。

Routes

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
80★★★

高橋&水無月コンビ(To heartの立役者)の抜けたLeafなど枯葉」と揶揄され、「誰彼」で本当にたそがれてしまったもう後のないメーカー、Leaf大阪開発室の新作。
とうとう伝家の宝刀「リーフビジュアルノベルシリーズ」を持ち出し、どうなることかと、私を含めた9割以上のユーザーに危惧されていたわけですが。

背水の陣、成功しましたね( ̄ー ̄)ニヤリ

さすがに往時の勢いはないものの、これを地雷呼ばわりするのであれば、ほとんどすべての作品が地雷扱いになるかと。
実にそつなく、手堅くまとめてあります。ツッコミどころもかなり多いけどな。

何はともあれ、一番ツッコミたいのは文章が下手なこと。

助詞がかなり抜けてます。主人公、日本人だよね? と作中、首を傾げることしきり。
「てにをは」をきちんとした、崩れのない日本語を!
過剰な装飾や滑りすぎのギャグ、おまけに変に表現に凝らなくていい。
「二人は無駄口を畳んだ」とか「俺に怖気をふるった」とか書かなくていい。
「飛ぶ鳥落とす篁エネルギー」じゃなく、ちゃんと「飛ぶ鳥を落とす勢いの~」って書いて。お願い。
改行もおかしく、改ページも多すぎ。これじゃ、ノベルじゃなくて普通のAVGです。

文がメインなんだから、読みやすく、クセのない素直な文章が一番。
モノは「ビジュアルノベル」なんですぜ、ダンナ方(←今回、シナリオライターが二人なので複数形)。
これで文章下手くそだったら、ほとんどすべてが台無しでしょう。

シナリオ展開自体は悪くなかったので、これがとても残念。
ノリやテンポを重視しているのだろうが、たぶん「筆が滑ってる」状態なんじゃないかと。
とてもじゃないが、じっくり腰を据えて書かれた文章とは思えない。
ちなみにこの「バカップル」や「掛け合い漫才」度数は私の忍耐限度ギリギリ。
これ以上だったらレッドアラート点滅でした。

ただ、これぐらい筆が滑ってないと今作のテーマである、

真っ正面からの人間賛歌

は書き上げられなかっただろうなぁ、というのもまた然り。
よくもまぁ、エロゲーでここまでこっ恥ずかしいテーマを据えたもんだと感心しながら(注:誉めてます)プレイしてましたが、今のLeafには、やってる方が苦笑してしまうこの青臭さがふさわしいと思う。

序盤は「スプリガン+エイリアンシリーズ(C)菊地秀行」なノリで、これを基軸に一本大きい事件を解決して終わるのかな……と思いきや。
いきなりYU-NOモード発動。その突拍子のなさに唖然。
でも、最後の最後までプレイして分かりました。貴方たちが何を言いたかったのか、了解しました。
「これが、俺たちのルーツさ」
という、とてつもなくこっ恥ずかしさ度MAX限度オーバーなセリフと共に。

80年代のゲーム作りの姿勢に戻る、と見なしてよろしいでしょうか。
イベントのたびに必死こいてフロッピーディスクを入れ替え、それを苦とも思わなかったあの時代に。
FM音源の中に、珠玉の音楽性を感じ取っていたあの頃に。
16色ですら、神業とも言えるCGを見せつけてくれたあの頃に。
表現の限界なんて、全然感じることのなかった、あの頃に。

PC98からの筋金入りのエロゲーマー(恥ずかしいな、おい)としては、心に響くノスタルジックな作品でした。
往年のLeafファンとして、その心意気、しかと受け取りました。

それはそうとして。

あのー、作品中、バレバレの伏線多すぎじゃない?

  • 主人公の名前が那須宗一

  • 序盤で日本史や「源氏と平氏」の話が出る

  • 草薙の剣!?

  • 悪役がご丁寧にも「那須宗一」とか含みたっぷりに発言(もちろん、有名な「那須与一」を彷彿とさせてる)
  • とすれば、椎葉物語キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

    と、数学の証明問題のごとく、明快きわまりない展開を読めてしまうのがちと気になりましてな。
    それでも、後半まではずっと現代物の様相を呈してるので、「気のせいかなぁ」と思ってたら案の定。
    いきなり「平景清」かい。

    今度は「源平討魔伝」キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

    ああもう、何で私のツボを突きやがりますか。
    「ありがたやー」ですか。「おまえのちからはそんなものか」ですか。「ころしてしんぜよう」ですか。
    レトロゲーマーはどうしてこんなところばかりにツッコミ入れてますか。
    (この辺は、分かる人だけ分かってね)

    ま、それはおいといて。

    とにかくこのシナリオ、「今できるものを全部突っ込んじまえ!!」ってヤケクソとも思える開き直りっぷりがいっそのこと小気味いいです。
    いいんじゃないかなぁ。無茶苦茶でもトンデモ設定でも。勢いあるし。伏線は全部回収してるし。これがコケたらマジで後がないわけだし。
    私はわりと楽しめました。どうオチつけるのかな? と興味津々だったし。

    そして腐ってもLeaf、音楽と絵は相変わらず最高レベル
    特に今回は音屋さんたちがいい仕事してます。
    私はボーカル曲があんまり好きではないが、今回の「あなたを想いたい」はかなり気に入ったし、過去の名作群を彷彿とさせるBGMもすべて高レベルで、特にRoots編は素晴らしい。
    このBGMに合わせて、桜の花びらが舞う中、ゆっくりと背景がスクロールしていく演出は、ゲームプレイ中久しぶりに鳥肌立ちました。

    全体的に非常に良くまとまっていて、安心して遊べる&勧められるレベルの力作だとおもいます。

    だがね。このゲームの真価は、おまけシナリオにあるのだよ。
    この、Leafの暗部を自爆ギャグとして無理矢理昇華させようとしてる内輪ウケスレスレのシナリオ。

    もう大好き。

    というより、対象者狭っ!!
    これ、Leafのスタッフや、背景に起こった事件を知ってる人じゃないと、ほとんど面白くないと思う。
    つまり、「重度のLeafファンに向けてのメッセージ」だったわけで。
    「色々ゴタゴタあったけど、今度はちゃんとやるから許して」
    って解釈してよろしいでしょうか。
    私としては、今回の「Routes」と「うたわれるもの」でだいぶ持ち直した感があるので、次回作まで様子見かな、って気もしますが。
    少なくとも、今作では大阪開発室の面目躍如、ってところではあると思います。

    ただ、伝家の宝刀を抜いたにしては、若干攻撃力が弱かった感は否めないけどね。
    「電波届いた?」や「あなたを殺します」クラスの一撃必殺技をかつて味わったことのある身としては、今回の「数撃ちゃ当たる」的シナリオは、今回限りの裏技、ってことで及第点とします。

    WHITE ALBUM

    シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
    82★★★

    浮気ゲー。
    二大ヒロインの壮絶な女の戦いを、「やれやれGOGO!」と思ってプレイしていたのは私だけではないはず。
    (でも私のイチオシはマネージャー)
    修羅場ゲーにも関わらず、どのエンディングもさらっと、切なくはあるものの後味良くまとめている点は感心。
    BGMや挿入歌のレベルが高く、しかもシナリオに巧く絡ませていることもあって、演出力を高めている。
    理奈の歌ったら、しばらく頭から離れませんよ……。
    冬の季節感が出ていて、素直にいいゲームだなぁと思えます。

    がしかし。
    システム最悪。バグ多すぎ。パッチは確実に当てましょう。

    正直、AVGにするより、今まで通りビジュアルノベル形式を取ったほうが良かったと思う。
    その方が、きっとこのシナリオが生きたはずだ。
    ただ、複数のヒロインの間で揺れているわりには「毒気」が薄いストーリーなので、パンチ力は弱い。
    この点、「君望」はね……ふ、ふふふ。

    To Heart

    シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
    81★★★

    うぁー。評価しにくくて、今まで避けていたゲームがきた。
    いや、誤解のないよう言っとくと、プレイ時はとても楽しく遊べました。
    キャラによってシナリオにばらつきはあるものの、サクサク進むし、絵もかわいいし。
    しかし、いまいちのめり込めないのはなぜなのか、自分でもよく分からないのですよ。
    たぶん、この満面に押し出されている「幸せピンク色」な雰囲気がダメなんだろうとは思うんだけど。

    どうせ私は、血と硝煙と伝奇と猟奇じゃないとダメだよ。分かってるよ。ああ分かってるとも!

    こみっくパーティー

    シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
    62★★

    正直、「許してください」と思ったソフト。
    Leaf版Piaキャロ at 同人誌。それ以外の何者でもない。
    しょうもなくオチもないシナリオ、ほとんど皆無のゲーム性、お気楽なノリ、とぬるーくやるにはいいかもしれんが、Leafというメーカーからこの作品を発表したことの罪は重い
    プレイ後、(虚しくて)泣き崩れました。

    うたわれるもの

    シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
    85★★★★

    「こみっくパーティー」で放心、「まじかるアンティーク」で呆然、「誰彼」で私に絶望を見せつけ、「もうだめだ」と思っていた瀕死のゲームメーカーLeafが、起死回生の一発を放ってくれました。
    良作です。エロが薄いこと、難易度が低すぎること、分岐がないこと以外はほぼ文句なし。
    よくぞここまで立ち直ってくれた。
    かつて気に入っていたメーカーなので、その復活の兆しが見えるこの作品には好意的な評価ができるというもの。

    絵、音楽に関しては特に言うことは何もない。さすがの出来映え。
    実は私、人外キャラ嫌いなんですが、この作品に関してはそれ自体がストーリーのキモであるし、何より作画がとてつもない綺麗さだったので、マイナスの印象は受けなかった。
    チップキャラのなめらかな動きや立ち絵のバリエーションも多く、ことCGに関しては他メーカーを圧倒する仕事ぶりは健在
    ただ、イベントCGが少なすぎる。
    「このシーンおいしいよなぁ」と思う場面でも、ただ暗転して終わるケースが多かった気が。
    せっかくのイベントなんだから、ここ一番、というところで気張ってほしかった。
    (まあ、スタッフは死んだかもしれんが……)
    音楽は少々曲数が少ないが、シーンの雰囲気を壊さない作風で、ちゃんと仕事を果たしている。

    シナリオに関しては、終盤~ラストまでが少々急ぎすぎた。
    肝心の謎の部分を「すったかたー」と通り過ぎてしまった感がある。一応きちんと説明はされているので疑問点は残らないのだが、もうちょっと引っ張ってもいいかも……と思わずにはいられなかった。
    それだけ、この世界観にひたることができた、ということであるけれども。

    散りばめた伏線をすべて回収しようとする努力や、何気ない伏線の張り方には感心した。
    まさか、序盤の木登り→落下エピソードがラストに絡んでこようとは……。
    単なる作画上の飾りだと思っていた髪飾りに、そんな意味があろうとは……。

    派手に意外性があるわけでもなく、奇天烈なキャラ造形をしてるわけでもないが、とにかく丁寧な作り
    かなりな数のキャラが出てくるが、一部を重用しすぎてバランスを崩したり、他をないがしろにしたりすることなく、それぞれに印象深いエピソードを用意し、それを主軸に絡めてくる手腕はかなりのもの。
    また、緩急のテンポが絶妙で、戦闘を終えた後には必ずちょっと笑えるイベントを数多く用意してあったり、異世界伝奇物という特殊なフィールドでプレイヤーがとまどいや疎外感を覚える前に、流れにうまく乗せてしまうテクニックは賞賛に価する。

    また、一歩間違えば殺伐で陰惨な雰囲気を醸し出しそうな「戦国時代」を舞台にしておきながら、このAVGパートでの「笑い」がそうなるのを防いでおり、ゲームとしての雰囲気がとてもいい
    プレイしていても、ちっとも嫌な気分にならないのだ。
    テーマには種の存続や人としての尊厳、国同士の攻防による理不尽さなど重っ苦しいものがてんこ盛りだというのに。
    どこかしら暖かく懐かしい雰囲気と、自分を信頼してくれる心強い仲間たちが繰り広げる、時には笑い、時には涙するエピソードの数々が、一気にラストまでへと導いてくれる牽引力となっている。

    その「笑い」の部分も、無理矢理ギャグを言ったり、理不尽な展開に持ち込む奇形的な笑わせ方でなく、あくまでも話の流れ上やキャラの性格を活かした、モニターの前で「プッ」と吹き出す程度の自然さで誘導していて、乗せられていても気分がいい。
    (とか言ってたら、このシナリオライターって「BE-YOND」の人だったのね……納得)

    ラストの扱いについては賛否両論あるらしいですが、私はあれで満足。
    ユズハもちゃんと亡くなってるし(設定上そうなんだから仕方がない。生きてたら興ざめだ)、ひょっとしてハクオロが帰ってきたのかな? と暗示させる程度に抑えてるところが、この話の空気を壊さないでいるような気がしたので。

    このゲームの最大の問題点は、何と言ってもその難易度。

    めっちゃ簡単すぎ

    あのですね、18歳以上のゲーマーならば目をつぶっていてもできますぜ、このSLGパートは。
    攻略もへったくれもなし。早い話、全員を攻撃力重視で育て、やられる前に大将をタコ殴りにすればおしまい。
    おまけに連撃システムなんてあるもんだから、ますますバランスの崩れること崩れること。
    自軍強すぎのため、「ユニットが潰されるかも……」といった、通常のSLGに感じられる緊張感は皆無。
    地形効果や騎兵と弓兵、歩兵との相性なんてのがあるからこそSLGは面白いわけで。
    まあ、これ自体がイベントの一環、と言えなくもないので、あえて目をつぶりますが。
    せっかく、勝利条件は色々とバリエーションを取り入れ、途中のイベントによって変わったり、と工夫を凝らしているのだから、もっともっと戦略性を強めてもよかったと思う。

    あとは、魅力的な女性キャラが多数いるので、分岐エンディングも見てみたかった。
    ストーリーを魅せるためにはこの手法がベストだ、というのは分かってるんですが、これはちと残念。
    その分、エンディングでその後の展開を見せてくれたのはありがたかった。皆、納得できる行く末だったので。

    どうもコンシューマーを狙っているような気もするが、戦略パートを改良すれば、十二分に通用する出来映えだと思います。
    私はこれ、「エロゲー未体験者」にお勧めの「ファースト18禁ゲーム」に向いていると思う。
    ストーリーも魅力あるし、エロも薄いしどノーマルだし(笑)
    極めて拒絶反応の薄い、良質のゲームだと思います。
    正直、手元に置いてからも半年以上放置してたことを後悔。やっぱ積みゲーはダメね。

    誰彼

    シナリオ音楽演出システム総合評価厳重注意度
    50★★★★

    当レビュー初の赤点。これがあのリーフのゲームかと思うと、その没落ぶりに涙が出てくる。
    あまりのすごさに、怒りを通り越して笑えるくらいの怪作。(決して遺作、臭作、鬼作の兄弟ではない)
    少なくとも私はこれを許すことができないので、あえてレビューを書いた。
    私は容赦のない性格なので、はっきり言わせてもらう。

    シナリオがダメ。演出がダメ。文章もダメ。AVGとしての形態に意味まるでなし。

    そこまで言うことないだろう、と思っている方、試しにプレイしてみましょう。
    ただし、リーフ作品体験者に限る。
    「誰彼」を初めてプレイして、このメーカーがいつもこんなアホゲーばっか作っていると思われては、さすがに可哀想すぎるので。

    とにかくもう、マジすごい文章と矛盾極まる設定の嵐。センスのかけらも感じられないセリフ。
    有名すぎて今さらだが、これだけは世界に知らしめねばならないと信じているので、あえて引用する。

    「おまえがいまじている情は精神的疾患の一種だ。
              しずめる方法はが知っている。に任せろ」
    (通称、「感感俺俺」)

    「感じている感情」って?Σ(゚▽゚;)
    このように、文章構造に欠陥があることはもう言うまでもない。

    さらに、エンディング直前の最高(?)の盛り上がりを見せる場面で、今回の事件の根元でもあるヒロインが、愛する男と共に皆の前からひっそりと姿を消し、その際にたった一人の肉親である弟に残したセリフ。
    (つーかこの展開がすでにひでえ)

    「日本一の弟だと思っています」

    よっ、にっぽんいちぃ~~~~!(←狂い気味)
    ダセェェェェェェ!!!!

    君(シナリオライター)にはセンスがないのかと問いたい。
    問い詰めたい。
    小一時間問い詰めたい。
    (むしろ、並々ならぬギャグセンスに満ちあふれていることは認める)

    こんなこと喋られて、ラストに感動の涙を流すアホ愉快な人物がいたらお目にかかりたい。
    全編この調子で、ミステリアスでシリアスであるべき伝奇物が、電波系ギャグへと変換されている希有なこの作品。
    クソゲーハンターならやってみるべし。
    ただし、私は責任をとらないので各自自爆覚悟でお願いします。

    シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
    1094

    私的18禁ゲームランキング第1位。現時点で考え得る最高傑作。
    (長年守った王座だったが、2002年末にとうとう「月姫」に明け渡した)

    シナリオ、キャラ造形、音楽、演出、すべてにおいて、100パーセントに最も近いゲーム。
    何で100をつけないかというと、一部のシナリオが弱いのと、ここで100を付けちゃったら、この先ゲームをやる意義を見失いそうだったから。
    それくらい、見事にツボにはまったゲームでした。

    特にシナリオが絶妙。神懸かり的に冴えわたってると言っても、過言でない。

    千鶴の、「あなたを殺します」で死んだ人は数知れず
    (私も死んだよ……)

    バッドエンドがかくも美しく印象的なのも特徴か。絶対ハッピーエンドよりレベルが高い。
    さらに、何と言っても、日本の美を感じさせる描写とシナリオ、そして、音楽
    和物に弱い私としては、それだけでもうオッケーな気もするのですが。

    柏木四姉妹のエピソードは、それぞれどれも印象的ではあるんだけど、残念ながら、梓がやや弱い。
    これが100点にならない第一の原因。
    が、しょうがない、これは。他の3人のシナリオが立ちすぎなんだから。


    • 記のセリフ&ラストシーンで陥落率No.1の千鶴

    • 転生入ってて無口だけどひたむき、ツボ抑え率No.1の楓

    • 純粋でけなげで守ってあげたくなる率No.1の初音


    この隙のまったくない布陣のどこに梓の食い込む余地が?(梓ファンの方、すいません)

    だが、導入部の事件にきちんとした解決を与えなくてはシナリオとして成立しないし、あの4人の中で誰がその役を果たすか、となると、やはり梓としか考えられない。
    キャラ造形的に見て、彼女が一番現実的で、非日常をあまり感じさせないキャラだからだろう。
    そういう計算も兼ねて、現実をより際だたせる「料理上手」とか、「行動的」な性格を与えた、と考えるのは穿ちすぎかな?

    このゲーム、べらぼうにキャラが立ちまくってはいるけれど、実はそんなにセリフが多いわけではない。
    なのに、このキャラの存在感。これはひとえに演出の妙だろう。完成度高すぎ
    無駄がないゲームってのは本当に優れている。

    さらに、ゲームとしてのスタンスも進化している。
    前作の「雫」は、そのシナリオの毒電波ぶりに、とても万人向けとは言い難かった。
    それが一部の熱狂的ファンを生み出す要因にもなったわけだが。
    普通ならここで、もっとどぎつく、扇情的なものが生み出されてくるか、一般受けを狙って、妙にソフトになるかのどちらかなのだろうが、「痕」は違った。

    「雫」の長所で短所でもある(私は長所だと思っているが)、先鋭的な部分を丸くして、結果的にシナリオの妙を損なうような愚行はせず、さらに魅力的なシナリオを用意した上で、突出した部分を上手くカムフラージュさせ、その実切れ味は増している、という希有なゲームなのだ。

    シリーズが進化する、というのは、実はなかなか大変なことなのだ、
    という持論を持つ私としては、この点は大きく評価したい。

    シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
    88★★★★

    あのダークな雰囲気が気になって以前からずっとやってみたかったのだが、タイミングよくお勧めもあってプレイすることに。

    初っぱなからキてます。電波ガンガン届いてます。
    キャラ? そんなものは二の次でいいっす。
    コンシューマーになんて移植は絶対不可能。むしろ、したら殺ス。
    18禁であることの強みを最大限に引き出しているシナリオに脱帽。

    ボリューム的には長くない、むしろ昨今のゲームに比べて非常に短いくらいだけれども、それの持つ重みは全然違う。
    そして、一般的に見れば決してハッピーエンドじゃないけれど、一つの物語として、限りなく美しい収束。

    完成されたものが与えるインパクトというのは、こうも大きいのか

    そう思いました。

    あと、音楽が素晴らしいです。特に好きなのが「バッドエンド」と「瑠璃子」。
    ええ、私はそういうキャラです。

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