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続・殺戮のジャンゴ -地獄の賞金首-

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
84虚淵玄ファン:★★★★
普通の人:★★★

ゲームシナリオとしては4年ぶりとなる虚淵玄氏の新作。
全ニトロファンの期待を背負い、制作発表がなされたのが今年(07年)の3月。
そして提示されたジャンル、「SF+マカロニウエスタン」、しかも主人公は女。しかも悪女。
これは、ヤバイ。
極めつき・重度のニトロファンである私でさえそう思った。
SFもウエスタンも非常にマニア嗜好の強いジャンルだし、何より、主人公が男でないエロゲというのは、通常のプレイヤーには感情移入しにくい。
特に、脳天パーで精神年齢小学生以下な、目だけがやたらとデカくて、ブローくらいしろよとツッコミたくなるほど髪の毛の収まりが悪い美少女と、どーでもいい日常をダラダラ過ごすのがエロゲーと勘違いしてる輩にとっては。
こりゃたぶん売れないだろうな。私は買うけど。
そう覚悟を決めた今年の春。

案の定、「ニトロ史上、最悪の予約率」(クリア後に見れるライナーノーツより)だったらしく。
うわー、業界のユーザー層ってのは分かりやすいもんだな、と思わず苦笑したものだ。
だが、あえて言おう。

虚淵玄は天才だと。

私が購入したのは「皆殺しパック」(定価9,240円 公式通販割引で8,180円)だったのだが、正直、このコストパフォーマンスの悪さはありえない。
総プレイ時間、5時間。1時間あたりの単価、1,636円。映画より高いよ。
それでもあえて言おう。

虚淵ファンならプレイ必至だと。

もうね、全編匂いまくりなのです。虚淵節が。
悪業に悪びれない。悪党であることに何の気負いもない。
「腹が減ったら奪えばいい。ムカつく野郎は殺ればいい」で、「ないモンは、ある所からかっぱらってくればいいんだよ」(いずれも作品本文より引用)という、実に分かりやすいキャラたちの人生哲学。
ゲーム序盤から、徒党を組んでいた仲間がバッタバッタと撃ち殺されます。そこには何の悲哀もなく、ただ事実があるだけ。
人間が死ぬことに関して、ウザったい逡巡も、殴りつけたくなる堂々巡りも一切なし。殺すか、殺されるかのみ。
殺られたら殺りかえせ。犯られたら犯りかえせ。盗られたら盗りかえせ。
この殺伐とした、けれどシンプルであっけらかんとした世界観を、実に魅力的に、何も考えることなく、ただ純粋に楽しませてくれる
こんな芸当、虚淵玄以外に誰ができるか。

絵はメーカーから独立し、フリーとなったお馴染みNiθ氏。
肉体の描写やキャラの描き分け、人外キャラにも定評がある氏だが、今作のコンセプトには、特にベストマッチ。
悪女は皆ムチムチのボイーン、衣装はこれでもかとボディラインを強調し、相変わらずのにし~皺も健在。扇情的なことこの上ない。
男キャラの筋肉っぷりもナイス。一歩間違えばクリーチャーになりかねない亜人(馬頭とか豚頭とか獅子頭とか触手とか)のキャラデザも相当奮っている。
グラフィックチームの仕事はもう言うに及ばずで、完璧。
ただ、モブシーンが32ビット機のポリゴンみたいなどうでもいいキャラだったのはちょっと減点。
たぶん、「わざとらしいB級くささ」を出すための演出だというのは理解できるが、どうしても安っぽさが否めない。
せっかく高レベルのグラフィッカーを多数要しているのだから、モブくらい描いてもいいのではと思ってしまう。
それ以外では、武器や蒸気機関車、建物等、お得意の3Dとの融合もバッチリ。世界観に華を添えている。

演出はもうハンパでないくらいよく動く。
動きすぎて、スペックの低いマシンだとおそらく相当つらいことになると思われる。
作中、銃撃戦になる箇所では、マウス連打(実は押しっぱなしでもOK)によって、3Dグラフィックで描かれた建物内を探索することになるのだが、これなど、ロースペックマシンだと下手すりゃフリーズする危険性大なのでは。
とにかく、砂埃が舞い上がったり、拡大縮小したりと、動きのないシーンの方が少ないんじゃないかと思えるくらいだ。
ド派手な演出が、このどこまでもB級くさい(※褒め言葉)世界観を大いに盛り上げていると思う。

システムは毎度同じのニトロ仕様。
相変わらず、過不足はないのだが、今一つ使いづらい。
ロード時に若干間があるし、起動時に毎回ディスクを要するのも手間だ。初回起動時だけにならないものか。
今作は短かったからいいものの、長時間プレイを強いられる作品では、もはやこのレベルのシステムでは我慢しがたいと思う。
次作までに切なる改善を望む。

音楽担当も毎度のZIZZ。
しかしこの集団、実に幅が広い。
またもや、こんな特異な舞台設定をしてくるニトロに、しっかりと合ったものを用意してくる。
また、主題歌を担当するワタナベカズヒロ氏の声と、西部劇の曲調とが絶妙にマッチ。
劇中の、いとうかなこ氏が歌うカントリー風の歌も素晴らしい。
ことニトロに関しては、音楽の失敗というのは考え難いかも。

さて、虚淵玄ですよ、お客さん。
鬼哭街沙耶の唄白貌の伝道師Fate-Zeroと、「どシリアス救いなしエンド」ロードを爆進してきた氏だが、こんな作品も書けるんだと、その器用さには舌を巻かずにはいられない。
たかだか総プレイ5~6時間の間に、状況はめまぐるしく変化し、さっきの敵は今の友、とも言うべき凄まじい立ち位置の変化が何度も訪れる。
今の今まで殺し合いをしていた相手と、次の瞬間には共闘するのだから、その変化がスリリングで目が離せない。
逆を返せば、すぐにでも寝首をかかれるということもあるわけだから、キャラたちの腹の読み合いにドキドキしっぱなし。
復讐と裏切りはマカロニウエスタンの醍醐味であるから、当然の展開ではあるのだが、その忠実な再現っぷりがもう楽しくて思わずニヤニヤしてしまう。

いつもの、無駄を省いた硬質の文体ながら、今までにはなかった下品なギャグや、絶妙なバカさ加減、苦手と言われていたエロシーンをあえて笑いに転化してしまう手法も面白い。
バッドエンド後に示される、「ガンマン十戒」などのシャレも気が利いていて非常に笑える。(しかもちゃんと10個ある)
かと思えば、もちろん震えるほどに格好いい燃える話も用意されており、もはやこのライターには死角はないのかと思ってしまう。
強盗にレイプ、大量殺人に騙し合い、そんな悪行のオンパレードだが、どれもこれもうまい具合に陰湿さを取っ払ってあり、それを魅力的に、とっておきのフィクションとして昇華しているので、罪悪感や不快感といったものがない。
実に良質のピカレスク・ロマンであり、娯楽作品としてこれ以上の評価があるだろうか。

電子機器の使用ができず、レトロな銃器に頼るしかない舞台設定に、思いっきりSFな設定を盛り込んでいるのだが、それに関してこの先どうなるのか、そして、銀河連盟や軍部との関係はどう転がっていくのか、もうこの続きはないのだと分かっていても、夢想せずにはいられない。
ただ、革命物やマカロニウエスタンのスタイルを踏襲するならば、この先に待ち受けるのは決してハッピーエンドではないことだけは分かっているのが、虚淵玄の意地の悪いところ。
考えれば考えるほど、いつも通りの救いなしラストに突入してしまうことはもはや明白(※1)なのだが、そこをあえて描かず、すっきりと爽やかなエンドに見せかけているあたりが巧妙で、ほくそ笑んでしまう。
(※1:なぜかと思う人は、(ネタバレ危険→)スイートウォーターにはレアメタルが眠っていること、銀河連盟に属する財団はその存在を知っていること、軍の上層部もそれを知っていると思われることを考えると明白。
採掘するにはプロトゾアンを滅しなければならないが、もしプロトゾアンと戦えば、地表生物は生存不可のダメージを食らうだろうということは作中明言されている。
ついでに、プロトゾアンと共存しようとする革命軍の命など、おそらくレアメタルより軽いと思われるので、銀河連盟が電子機器を持って介入してくれば革命軍の壊滅は必至

正直言って、あまりにもコストパフォーマンスが悪すぎ、そしてあまりにもネタが特異すぎるので、とても一般エロゲーマーにはお勧めできかねる。
普通のニトロファンにすら勧めづらいくらいだ。
これはもう、筋金入りの虚淵ファン、もしくはこの全編に漂うB級くささにトキメキを覚える、お脳をやられてそうな人向け。
私はもう大好きです。こういうのを平気で出してきちゃったりするのがニトロのニトロたる所以。
例え売れなかろうが、好きなことを好きなようにやっちゃえるのがこの業界のいいところだよ。
利益は他の作品で出せばいい、という大手メーカーならではの体力と自信、それでも作品の作り込みはきっちりとする姿勢に漢を見た。

「さすがニトロ! 他のメーカーができないことを平然とやってのけるッ! そこに痺れる憧れるゥ!」

この精神を失わない限り、私は買い続けます。たぶん。

月光のカルネヴァーレ

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
80★★★

購入後、半年以上放置してからようやくプレイ。
それほどまで、ここ最近のニトロ作品には、「是が非でもやりたい」と思わせる力が欠けていたわけですが。
もたもたしていたら「ジャンゴ」が発売してしまい、いくら何でもこれはまずいと焦ってプレイ開始。
で、蓋を開けてみたら、意外や意外、きちんと面白かった。良作とまではないけれど、力作。
むしろ、万事に及第点すぎて、いつもの、
「さすがニトロ! 他のメーカーができないことを平然とやってのけるッ! そこに痺れる憧れるゥ!」
という荒唐無稽さはないものの。
むしろ、ニトロ初心者に勧められるような、ブランドのカラーをきっちりと踏襲した作品であると思う。

絵・音楽・演出は、毎度のことながらどれも実にそつのない作り。
ビジュアル面は、異国情緒溢れる背景と可憐な女性キャラ、渋くて猛々しい男性キャラ、CGと、それぞれが非常にハイレベルな融合を遂げていて、特に彩色は素晴らしく、光の表現がものすごく美しかった。
また、武器や不気味な人形のCGも奮っており、専門の3Dチームの力を存分に発揮している。
枚数自体は物語の尺のわりに若干少なめかとも思うが、それぞれの質が相当のものであるので、特に不満は感じなかった。

ただ、演出に関しては、同時期に開発していたはずの「Lamento」がバリバリに動きのあるものであったため、今作もそうであろうと思っていたら、ごく正統的なAVGスタイルだったのには拍子抜け。
ライターの文章力が高いのならそれでも力押しでどうにかなるだろうが、もはや動的演出の強化は業界の標準だ。
決して全体的に下手というわけではないが、戦闘シーンでは特に間延びした印象が強いため、できればこれを動きで補ってほしかった。

音声は、もはややりすぎだ。
ニトロ作品に出演する声優陣に慣れてしまうと、自分内デフォルト値が上がってしまう恐れがある。
それほどハイレベルなベテラン声優を、とんでもねー役でゴリゴリ起用しちゃってます。よろしよろし。
他も、キャスティングの妙を感じさせる実に巧みな選出で、物語を大いに盛り上げていると思う。
中の人スキーなら、それだけで買っても損はしないかもしれない。全キャラにわたって、かなりセリフが多いので。
あと、保村氏のキレキャラの巧さと、ダヴィデのイッちゃってる演技は異常。
保村氏、「あやかしびと」みたいな影の薄い主人公より、こっちの方が断然合ってるし光ってるよ。
(そういや、「あやかしびと」でもブラック主人公の方が格段に良かった)

音楽はいつものZIZZ。
主題歌は上野洋子氏。てっきり、お馴染みのいとうかなこ氏かワタナベカズヒロ氏がやるもんだとばかり思っていたので思わずビックリ。しかもビッグネームだし。
が、これが大正解。元々、半音移行のコード進行を多用し、エキセントリックで幻想的な曲調を得意とする上野氏と、この世界観とがしっくりくる。
もちろん、エンディングを手がける上記二氏と、挿入歌の小野正利氏のそれぞれの個性に合った歌も素晴らしい。
ただ、今回BGMで一部違和感のあるものが。
BGM自体の質ではなく、Hシーンに日常生活のBGMを持ってきたり、使用箇所に問題があったと思う。
いつもの圧倒的な曲数と選曲センスを誇るニトロらしくない。

システムはいつものニトロ仕様だが、さすがにそろそろ改良の余地があるかも。
一度に見れるバックログがやけに少なかったり、戻るのにわざわざマウスを動かしてEXITを押さなければいけなかったり。
右クリック解除くらいは、別に難しい制御でもなんでもないのでは。
それに、右クリックを押してからメニューが表示されるまで微妙な間があり、とにかくもっさりしている。
何にリソースを使っているのか素人には分からないが、エロゲの世界も日進月歩。
根本的な足回りを見直さなければ、このままでは他メーカーにどんどん水を開けられていくだけだと思う。

さて、「思ったよりは」ずっと面白いし、筋立ても真っ当だったシナリオ。
ニトロお得意の、人と人外と武器とが入り乱れ、複数の思惑が錯綜する群像劇だ。
どの陣営も、目的と立ち位置がはっきりと書かれており、それがブレたり説明不足だったりすることはないので、ストーリーは非常に追いやすい
また、エピソードもバランス良く割り振られてあって、どれかに偏るということもなく、かなり練り込まれていると感じた。
多数のキャラが登場するが、それぞれが作中できちんと役割を果たし、群像劇にありがちな、「このキャラいらない」といった蛇足感もないので、以上の点では極めて優秀な作品であると言える。
むしろ、一番いらないのは主人公だ

こいつたぶん、ニトロの歴代主人公中、最高のヘタレ。
かつてオルマ・ロッサというマフィア組織内で、冷静沈着で最強の暗殺者だったという謳い文句のわりには、さほど強さも感じないし、何をするにもはっきりしない。
恋人を失い、親友に裏切られ、自暴自棄になっているからという設定を差し引いても、物語の主人公はこれじゃダメだ。
少なくとも、ニトロのような、ユーザーが「燃え」を大いに期待するメーカーである以上は。
ストーリーの途中でどん底に落ちるような展開があり、一時的にヘタレになるのはいい。それは演出のうちだ。
だがコイツ、やることなすこと中途半端で、ホントにヒロインたちに惹かれているのかすら疑問に感じるほど感情の起伏にも乏しく、お世辞にもプレイヤーが「格好いい」とは思えないキャラなのだ。

それなのに、やたらと戦闘シーンが多いシナリオ。
その戦い方のパターンも決まりきっており、「銀器を出され大ピンチ→力押し→味方の助けが入るor辛勝」の繰り返しのため、バトルの爽快感は乏しく、むしろ、冗長に感じてしまう。
いっそのこと、要所要所でのボスクラスのキャラとだけの戦闘にした方が、全体的には引き締まったのではないかと思う。
この悪しき戦闘シーンのおかげで、作品全体がスピード感に欠け、おかげで物語に緊迫感がない。
シナリオ自体はかなりよくできた部類で、先を読ませる力もあるのだが、どうも間延びした印象が拭えないのだ。

また、脇を固める男キャラが、皆非常に魅力的なのに対し、肝心の女性キャラは、アンナ以外、今一つ。
この辺の伝統もニトロだから、と言ってしまえば身も蓋もないのだが、どれもこれも決して悪くないキャラ立てのため、あまりにも惜しすぎる。
ルナリアとかレベッカとか、すわ、殺し愛か! と色めき立ってみれば、どれもそこまで突き抜けるでもなく、中途半端なエンドを迎えてしまう。
違うだろ! そこはもっと病まなきゃダメなんだよ!(私は危ない人間ではありません)
殺し愛なら、妹ブランドのメインライター、淵井鏑氏に聞いてこい。氏の殺し愛展開は神レベルだ。
(マジで。この人、絶対私の妄想を具現化してるに違いないってほどツボをついてくる魔人)

今作でのエンディングの順位としては、アンナハッピー>ノエルノーマル>>>越えられない壁>>>ルナリア=レベッカ。
特にルナリアの扱いはもう残念の一言。これはいくら何でもありえない。
本来なら、外見も中身も、間違いなく人気沸騰、話題騒然、業界を席巻することすらできたかもしれないのに。
それが、「ルナリア? ……ああ、かわいいよね」レベルで終わらせてしまうとはどういうことだ。
どうせ壊れるのなら、完膚無きまでに壊れなきゃダメなのよ。病むなら頭がおかしくなるくらい病まなきゃダメなのよ。
(ネタバレ危険!→)シリンダが欠け、記憶を失うエンドはともかく、他の姉妹と一緒にドサ回りをするエンドのどこに幸せを見出せと?
しかもこっちがハッピーエンドだろう。ああ、もったいない、もったいない。
もっと、世界に二人きり、互いが互いしか見ておらず、そしてそれは絶対的な主従というエンドは作れなかったのか。
そもそもこの作品は、人狼と、それを殺すための人形との恋愛物なのだ。
もっとヒリヒリするような殺愛、心かきむしる葛藤を見たいと思って何が悪い。いやそれこそがユーザーの本望。
(私は決して危ない人間ではありません)

それに、全体的にエピソードの扱いが綺麗すぎた。
もっと血みどろ、もっとドロドロ、もっと情念を。
ノエルやレベッカが捉えられたら陵辱を受けて当然だし、ピウスのような非人間的な主人の元では、人形たちだってもっと苛酷な扱いを受けているはず。
ルナリアがダヴィデを毛嫌いする理由も、具体的に陰惨なエピソードを用いれば、後にその呪縛から解放された際のカタルシスをもっと味わえたかもしれないのに。

以上がシナリオで残念だった点。
挙げすぎだと思われるかもしれないが、むしろ、これしかないのだと好意的に見てほしい。
だって、それ以外はほぼ合格点だったんだもの。

とにかく、多数のキャラが絡み合う構図を、プレイヤーが混乱することなく把握できるよう、きっちりと説明しきった力量は確かなものだし、世界観は実に魅力的。
ルートごとにまったく別の展開を用意してあり、キャラのエンディングが全然被らないのも高評価。
エンディング自体も、ご都合主義が薄く、どれも手放しで喜べるようなハッピーではなく、切ないエンドが多いのも高評価。
何と言っても、セリフ回しがかなりこなれていて、ダラダラとつまらないギャグを垂れ流すエロゲが多い中、会話シーンはかなり楽しめた。
特にカルメロ。麻薬中毒のイッちゃってるキャラだが、そのアッパーなセリフの数々ときたら、戦闘シーンで退屈してしまったプレイヤーのやる気を再び起こさせるに充分。(重ねて言うが、保村氏は最高の演技だった)
ジェルマーノとアンナのやりとりも微笑ましく、ペルラの性格破綻者ぶりには戦慄。
そういった、キャラの立たせ方には非常に長けていて、また、ルートによって立ち位置が変わり、多彩な面を見せてくれるのだから、何だかんだ言いつつも、すっかりこのシナリオに魅了はされていたのですよ。
特に男キャラの漢っぷりの良さはさすがのニトロ節であり、これで主人公がもっと格好良ければ、手放しで良作と言えたのに、と返す返すも残念でならない。

全体的に、そつなく、小ぎれいにまとまっている。クラスに一人はいる良い子の典型的見本だ。
往年のニトロの破天荒さこそないものの、実に手堅く、大抵の人は楽しめる作り。
特に、伝奇物はやってみたいけど、あまりにエロがキツかったり、描写がどぎついのは嫌、という人には勧めやすい作品だと思う。
女性でも取っつきやすいエロゲの一つかもしれない。

ここのところずっと下降線だったニトロの、起死回生とまではいかないが、上昇に向けての足がかりになりうる作品。
ただ、ニトロ以外のメーカーだったら大成功に入るのだが、ニトロの魅力は、何と言ってもその突き抜けたパワーと、血がたぎり、圧倒的に燃えたつ戦闘シーンにある。
次作こそは、燃える主人公が、刀振り回したり、銃ぶっ放したり、車で追いつ追われつしたり、死んだり死なせたりする作品をやりたいです。

機神飛翔デモンベイン

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
基本部分 8
ACT部分-2
82★★★

※この作品は非18禁ですが、「斬魔大聖デモンベイン」の続編にあたるため、こちらに分類しました。
ちなみに、前作のプレイは必須。最低でもアルトゥルーEDをクリアしていないと、内容が理解できません。

「斬魔大聖デモンベイン」=「機神咆吼デモンベイン」の続編にあたる今作。
前作のアルトゥルーED後の世界観を継承し、デモンベインをプレイヤーが実際に動かせるということで、鳴り物入りで登場したわけだが。
フルポリンゴンモデルをリアルタイムで動かす作品のため、当然、相当のマシンスペックを要される上、18禁ではなく、一般作品として発売、と判明した時点から、嫌な予感は拭い去れずにいた。
正直言って、ニトロ作品って、メーカー自身が思っているほどには、変わったシステムを搭載した作品の評価は高くないと思っていたので。

案の定、嫌な予感は大当たり。
シナリオに関してはさすがの出来栄え。燃えも萌えも笑いもふんだんに盛り込まれた、前作に恥じないレベルのものを出してきたのに対し、最大の売りであったはずの格闘パートはもうボロボロ。
はっきり言って、格闘要素は全部取り除いて、4~5千円台のファンディスクか外伝として売り出してほしかった。
それならば、手放しで良作と褒められたのに。
とにかく、操作性とレスポンスの悪さが、納得しがたい難易度の高さを引き起こしている。私は最初、ノーマルで始めたが、すぐに断念してイージーにチェンジした。
ノーマルではおそらく、いつまで経ってもクリアできない。

そもそも、基本的なACTとしてのバランスがまるでなっていない。デバッガー陣が異常にACTスキルが高いのか、それとも
一般レベルを誤解しているのかは定かではないが、このバランスでは、慣れる前に嫌になってしまう。
そりゃあ、私はACTはどちらかと言えば苦手分野だ。ただ、ゲーマーとして年季は入っているので、決して上手くはないが、
ド下手クソというわけでもない。
一般的に難易度が高いと言われる作品だって、それなりにクリアしてきている。
だが、そんな経験値などまるで役に立たない、極悪な操作性とバランス。
何より、3D格闘ゲームだというのに、相手との距離感がかなり掴みづらい
おかげで攻撃は当たらないし、回避できたつもりでも、そうでないこともしばしば。
キャラの動き自体は実になめらかで、処理落ちもなく、家庭用PCでこれだけ動かせれば合格というラインを大きく凌駕している。
しかし、肝心のキーレスポンスが鈍く、コマンドもやたらと細かく煩雑に分けられているため、ACTの醍醐味である爽快感を
まるで味わえない。
結果的に、戦闘に負ける→コンティニュー→シナリオが進まない、という、悪しきスパイラルに陥ってしまう。
ゲーム性以外の点では、どの要素もほとんど文句のつけようがないレベルに仕上がっているため、この点が惜しまれてならない。

これは、「ニトロウォーズ」や「戒厳聖都」を遊んでみて感じたのだが(いずれも「サバト鍋」収録)、ひょっとしてこのメーカー、
プレイヤーの忍耐力や能力を過信してるのではと思う。
手触りといい、難易度といい、どれもこれも決して一般向きとは言えないレベルなのに、それを改善するパッチなども出てこないし、これくらいなら普通にクリアできる、と思われているのではないだろうか。
この温度差が、今作にも如実に反映されてしまったため、実に残念な結果に終わってしまったのだが。
(※なお、現在公式サイトでバランス調整パッチ配布中)

先ほども少し書いたが、ゲーム性さえ除けば、他の要素はメーカーの名に恥じないさすがの仕上がり。
グラフィックは質量共に申し分なく、お得意の3DCGも、実に違和感なく溶け込んでいる。
所々挿入されるムービーも高いクオリティを維持しており、特に、格闘パートでの必殺技を決める際の演出は、ド派手で見ごたえも充分。
「デモンベイン」といえば多数のボーカル曲が存在するが、それを要所要所のシーンで惜しみなく投入し、さらにお馴染みの
BGMに加え、雰囲気バッチリの新曲ももちろん登場して、嫌が応にも盛り上がる。
基本的な足回りはいつも通りで、ゲームを進める上で、まったく支障がない。

シナリオは当然、前作に引き続き鋼屋ジン氏。
自ら生み出した作品世界を少しも損なうことなく、さらなる飛躍を感じさせるものであり、大変満足。
ルビを多用した、相変わらずの畳みかけ表記が、やはり人によっては好き嫌いが分かれるだろうが、それでも、ここまで王道的な構造をした物語を、ちっとも飽きさせずに一気呵成にエンディングへと持ち込む手腕はすごい。
また、前作でもそうだったが、広げた風呂敷の畳み方が実に鮮やかで、今作のEDも、「真・デモンベイントゥルーエンド」とでも言うべきものとなっており、前作プレイヤーは必見。
「荒唐無稽」や「ご都合主義」という批判を、物語自体のネタとして取り込んでしまうという力技を駆使し、さらには、メディア
ミックス展開された小説の内容をも包含し、相当無茶をしてるのに無理がない。
続編としての位置付けや展開に、有無を言わせず、疑問を抱かせないのだ。
また今作は、前作ほどの中だるみがなく、かといって性急過ぎることもなく、シナリオ自体は実に無駄のない、スマートで洗練されたものに仕上がっていると思う。

だから、本来なら中編ほどもないこの話を、単品で一作品にしてしまおうという企画自体が無理なのだ。
「デモンベイン」はニトロの代表作の一つであり、メーカーにとってもある程度のペイを見込める貴重な作品のはずだ。
それを、こういう売り方で評判を下げてしまうのは非常にもったいない。
もしコンシューマーに移植するのであれば、格闘パートは最初から見直しを図った方がいいと思う。

前作が非常に良作だったからこそ残念だったし、ここ最近のニトロの低迷ぶりを、「デモベ」なら何とかしてくれるんじゃないだろうかと思っていたから、そして、格闘パート以外は期待以上の出来だったから、余計に惜しいと思う。
「デモンベイン」の世界観がたまらなく好きな人、鋼屋ジン氏のファンにはお勧め。
本当ならこのシナリオ、前作プレイ者には問答無用でやってほしいのだが、格闘パートがそれを阻むため、「短い、高い、
めんどくさい」を克服する覚悟を決めた人のみ。

サバト鍋

作品シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
ニトロウォーズ82★★★
竜†恋84★★★
戒厳聖都83★★★

※これはアミューズメントディスクです。STGとAVG、RPGの3本の作品が収録されているので、それぞれについて書いてあります。


■ニトロウォーズ(STG)

歴代のニトロキャラがザクザク登場する、横スクロール型STG。ニトロ版パロディウスと言えば分かりやすいか。
特殊弾を使って、キャラを仲間にすることができる。(最大4人)
この、デフォルメされたドットキャラたちのリアクションは、それぞれの設定に合った攻撃パターンで、見ているだけでもかなり楽しいのだが、敵の攻撃もシビアなため、のんきにそんなことをしている余裕があまりないのがつらい。
(STG苦手なのですよ。すいません)

難易度は使用武器によってガラリと変わる。
ぶっちゃけ、レーザーさえあれば、仲間は弾除けorボム要員でしかない。
気軽な「お遊び」を前提に作られているため、コンティニューの無制限や、ステージセレクトも可能となっており、全体的な難易度はそう高くはないのだが、(私がクリアできるくらいだから)それにしたってこれはバランス悪い。
自機は大きいが、当たり判定はそう大きくはない。ただ、敵の弾なのかアイテムなのか判別がつきにくく、突っ込んで玉砕することもザラ。
基本的におふざけシナリオなので、そういうのに耐性がある人だけ。

ちなみに私同様、STGを苦手とする人へのアドバイス。

  • カーソルキーなんてナンセンス。何はなくともパッドは必須。ただ、Z・X・Cを各ボタンに割り振るのを忘れると、弾が出なくて泣きを見る。(そんなアホウは私だけだ)

  • 武器は完全ランダムだが、レーザー以外は必要なし。レーザー3段階になったら勝機は我にあり。

  • 仲間はボス戦の最中でも現れるので、道中、避けきれないと思ったら、素直にボムを使おう。

  • やられても何度でも立ち上がれ。地形と敵出現パターンさえ読みきれば何とかなる。


■「竜†恋」(AVG)

「斬魔大聖デモンベイン」のライター、鋼屋ジン氏の新作AVG。
アミューズメントディスク収録の短編、ということで、総プレイ時間1時間ちょっと、とボリュームはかなり少なめだが、ギャグあり、シリアスあり、典型的なボーイミーツガールでありながら、実は殺愛、と芯の部分はやっぱりニトロな作風で、気軽に楽しめるけれど、抜群の安定感を誇る一本。
「天使の二挺拳銃」出しちゃうような、迷走中の最近のニトロ作品群の中では、純粋な楽しさでは1,2を争う出来。

ボイスもボリュームもない、キャラに名前すらないのに、プロットは断然光っている。
ここまで非常識な設定を使って、それでも王道で正統派なストーリーに仕上げる手腕は、さすがデモベのライターの面目躍如というところか。(でもニトロ臭プンプンなのがイカス)
これは完全に短編向きの設定であって、まさにアイディアの勝利。
学校や街を壊しまくっているのにも関わらず、後のことや余計な心配のいらない短編という前提があるので、飛ばし放題、はっちゃけ放題のテンション高めギャグだが、尺が短いため、飽きたりげんなりしたりする前に楽しいままで終われる。
その突き抜けっぷりのおかげで、小気味よいテンポが生まれているので、これはこれでよし。
さらに圧巻なのは、メーカーが持てるリソースを最大限に生かした、ボーカル曲5曲もの投入。
このサイズの作品にそこまでやるか? というニトロイズムを感じて大変によろしい。
「萌えて進め!」は全オタク必聴の一曲です。♪萌え! 萌え! 萌え萌え萌え!
というわけで、鋼屋氏の作風が好きな人なら、まず間違いなく楽しめる、良質の短編。


■「戒厳聖都」(RPG)

賛否両論巻き起こした、「刃鳴散らす」収録の外伝、「戒厳の野望」の続編にあたるRPG。
よくもまぁ、このニトロのシステムをそのまま使ってRPG作ったもんだ、と半ば感心しました。
ただし、基本的にAVG用に作られたシステムを流用してるわけで、移動や装備といった、RPGお馴染みのコマンドに対するインターフェースやレスポンスは、当然ながら激悪。
ニトロのシステムと相性の悪いマシンだと、たぶん相当つらいことになるはず。

さらに、ゲームバランスもめちゃくちゃに厳しい。レベルが1つ違うだけで、ザコにすら瞬殺される。
それなのに、回復アイテム入手すらもバトル勝利が前提となっていたり、HPを回復させるために休憩していても、高確率で襲われたり、と、とにかく鬼のような作りに血涙すること必至。
よって、推奨レベル以下でのプレイは自殺行為。むしろほぼ不可能。(ちなみに安全地帯などは当然ない)
そんなわけで、レベルアップがすべての鍵を握る、実に地味かつストイックなRPG。
これが武人というものか……!(違)

序盤は、まるでジャンケンのような面倒くさい戦闘システムに慣れていないのと、シナリオの制約上、何だか自分が不安定な立ち位置で右往左往することになるため、はっきり言ってかなりダルい。
おそらく、ここで投げる人が多数。
だが、早まることなかれ。シナリオ3あたりから俄然燃える展開になってきて、多少のつらさは我慢できるようになる。
大ラスにはある仕掛けも施されており、シナリオはかなり読ませる。やばいなぁ、私、このライター大好きかも。
アミューズメントディスクにしては、プレイヤーを限定しすぎているのが難点だが、「刃鳴散らす」を楽しめた人なら、一読の価値があるものに仕上がっているため、ぜひ、忍耐力を総動員して挑んでほしい。
余談だが、移動できる街中の背景は今までの作品の流用なので、ニトロコンプリーターならニヤリとできることうけあい。
まさか、「咎狗の血」からも持ってきてるとは思いませんでした。
今にもビトロ様が出てくるかと思って、ドキドキビクビクしちゃったよ。

刃鳴散らす

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
81★★★

「天使の二挺拳銃」「塵骸魔京」と立て続けにスカり、ちょっぴりやさぐれていた上、世評がやけに芳しくなかったので、半ば地雷覚悟で特攻した本作ですが。
何だよ、普通に面白いじゃん。
まぁ、評価がはかばかしくない訳もよおぉぉっく分かりましたが。

私的にはこれはOK。全然問題なし。ある意味、究極にニトロらしいです。
そもそも、BLでもないのに、こんなに女に存在価値のない作品、初めてです。これ、一応エロゲだよね?
ぶっちゃけ、登場人物を全部男に変えても、何一つ違和感ありません。つーか問題なし。モウマンタイ。
そしたら今度は硬派なボブゲとして売り出せそうです。

というわけで、どんな鈍感なプレイヤーでも分かる。
この作品がやりたいのは、斬り合いであって剣戟であってチャンバラなのだと。
それ以外の付加価値など、台風の前の紙くずみたいなもの。ちょっと重要そうに見えるキャラでも、出てきたそばからバッタバッタと退場させられていく。
もうこの作品は、

唯一無二の相手と、ただ一度の、生死を賭けた仕合――死合

を描くためだけのものであり、ニトロ一流のスタッフによって、商業作品としてきちんと昇華されてはいるものの、この、他のすべてをなげうって「やりたいことだけをやりたいようにやっちゃった」感は、むしろ同人誌のマインドに近い。
放った球で打ち取ろうと打たれようと後は知ったことか、俺は何が何でもこの球を投げるんだ、という、微塵もぶれない超剛速球ストレート。他の決め球はなし。ある意味清清しいまでに徹底してます。
低価格ラインの小品だからこそできた冒険であり、私はその気概や良しと評価する。
もちろん、このサービス精神のなさっぷりが気に食わない人も多数いるわけですが。

書きたいことがはっきりしているだけあって、とにかく剣戟に関する描写は異常に多い。
その薀蓄に興味が持てなければ、たぶん5分と保たない。むしろ、最後まで到達不可能。
エロはクリック数回で終わっても、この描写は延々と続きます。
ただ、それを受け入れられる人ならば、ライターは実際にある流派の師範代らしいので、実学に基づいた、一風変わったチャンバラを楽しめる。
この、虚と実の混ざり具合がなかなか楽しい。運足の重要性に触れておきながら、空中で宙返りして相手の後ろに立つ、とかおバカなネタもあって、決して教則本を読んでいるような退屈さはない。

ただ、復讐する者とされる者の間に何が起こったか、とか、同胞であった時代の絆の強さについては、さらっとしか触れられておらず、ここをもっと盛り込めばよかったのに、と思う。
そうでないと、殺す殺されるのせめぎ合いと、お互いの妄執が生きてこない。そこが鬼哭街との違いか。

この殺し合いの果てには、当然ながら何一つ報われるものなどない。だが、それでいい。
(↓ネタバレ危険!)
憎き相手の肉親、と、自らが首を刎ねた人間は実は――。
そして、相手のただ一度だけの魔剣は完成し、復讐はその前に敗れ去る。
復讐者との魂を賭けた果し合いを終えた主人公は、自ら花散らす――。

このライター、よく分かってる。これこそが浪漫です。これこそがカタルシスです。
剣に生きる者は、剣に倒れるが定め。剣を持たずして生きる価値などないのですよ。
この展開に、純真なプレイヤーはマジかよーとげんなりするだろうが、私はニヤリとした。
この、最後まで貫かれた意地が何とも心地よい。

だからこそ、1周目以降のサブシナリオが余計なのですが。
中身は、同メーカーのある作品のセルフパロディ(同じテーマソングまで流れる凝りよう)だが、最初のエンドで、どシリアスな物語を大いに堪能しただけに、思わず(゚Д゚)ポカーンとしてしまった。
私はおふざけや内輪ネタも特に嫌いじゃないけれど、今作に限っては、できれば本編でなく、メニューからサブシナリオを選ぶ形式とか、もうちょっと作品の雰囲気を大事にしてほしかったなぁと思う。
これで怒った人も多いみたいよ。気持ちは分かりますが。
絵・音楽・システム・演出に関しては割愛。いつも通りのニトロです。安定しすぎていて書くことなどありませぬ。

いったい誰に勧めていいのか非常に迷う作風だが、破滅が嫌じゃない、そして守備範囲の広い人、とにかくチャンバラが好きという人、あたりは大丈夫かな?
私は結構楽しめた。「サバト鍋」に収録される「戒厳聖都」も、楽しみに待つとします。

塵骸魔京

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
74★★★

かなり重度のニトロファンである私から見ても、凡作としか評価しようのない出来。
ABC段階ならBマイナスといったところか。

いつもながら、絵や音楽、演出なんかはかなりのハイレベル。
主人公がちと不気味(肌が土気色だし!)なのを除けば、原画も塗りも安定しているし、背景はもちろん、お得意の3DCGだってバッチリ。
画面のレイアウトやデザインなども、雰囲気を壊さない、統一感のある仕上がり。

ただ、OPは無理にアニメを入れなくてもよかったな、と思う。公式サイトで多用されているフラッシュや、作中の演出を見ても分かる通り、静止画でも充分にセンス良く、見ごたえのあるものを作っているのだから、何でもかんでも動かせばいいってもんじゃない。
原画の持ち味を生かすには、ベターッとしたアニメ塗りは不要。これでちょっと気が削がれました。
それに、ムービー部分はブロックノイズが多すぎ。どうせならもっと高画質で圧縮してくれ。

音楽には文句のつけようなどございません。さすがZIZZ。
いとうかなこ嬢のソウルフルなボーカルと、オリエンタルな楽曲とが非常に良くマッチしており、単品で聞いても、かなりのレベルを感じさせる。
むしろ、シナリオがいまいち盛り上がらないのを、音楽が奮闘してギリギリの線を支えている気すら。

システムはニトロのいつもの。設定は細かく変更でき、ショートカットも充実。
バックログの音声再生にも対応しており、過不足のない実直な作り。無問題。

このように、シナリオ以外は実によくまとまった、非常にハイレベルな出来なのだが、悲しいかな、私が評価の際に、一番重要視するのはシナリオなのですよ。

とにかくもう、決定的に説明不足。重要な伏線や、サブエピソードのほとんどが尻切れで終わってしまう。
ライターの脳内では既知の設定なのだろうが、それが本文中では説明されず、エンドロールを過ぎても、「……で? だからどうなったんだよォォ!」という状態になってしまう。
しかも、その伏線の方が、本筋よりもずっと面白そうなのだから始末が悪い。
結果的に、一つの作品を終えた、という達成感、爽快感に乏しい。それが第一の敗因。

第二の敗因は、主人公の設定ミス。
何でもない会話シーンにも、いちいち理屈っぽい論理展開がなされるもんだから、一度は面白くても、二度目以降は飽きるし、いい加減うんざりしてくる。
種々の薀蓄を含んだその理屈は、それぞれに興味深く、面白くもあるのだけれど、そっちに気を取られていると、「ところで、本編どうなってたっけ?」という弊害が起きる。
おかげでこのシナリオ、妙に間延びした印象を受けるのだが、展開は決して遅くなく、冗長なわけでもない。
ヒロインごとにストーリーも別れており、共通パートもさほど多くない、と、本来ならば長所になるべき数々の点が、まったく生かされていないのだ。

個々の設定やキャラは結構面白く、魅力的でもあるのだが、それが一つになったとたん、何だかうすらぼやけた味に。
まるで、出汁の入っていない湯にそのまま具材だけ突っ込んで、煮えすぎた鍋みたいだ。
決してつまらないわけじゃない。ただ、面白くはない。
確かに、盛り込まれている雑多な知識は相当のものだし、それを話に絡めてくる手腕も認めよう。
ただし、学者が文豪であるとは限らないように、知識だけでは面白い物語にはならない
このライター、そこのところを決定的に踏み誤ってしまったのでは。

同じ異界・人外のものを扱った同メーカーの作品に「斬魔大聖デモンベイン」があるが、あちらは、どうにかしてユーザーを楽しませてやろうという気概、異形のものを魅力的に書きたい、そういう作品が好きでたまらないというライターの魂を感じられた。
だが、今作にはそれがない。異界もある、異形もある、バトルもある、漢の友情も、エロも(一応)ある。
でも、そんないつものスタイルを盛っておきながら、結局何がしたかったのかがまるではっきりしない。
一番印象に残ったのと言えば、音楽の良さと、しつこいくらいに垂れ流された理屈ばかり。
メインディッシュよりも付け合せの方が美味な料理って、成功なの、失敗なの?

たぶん、別のライターがこの設定を使って書いたらば、ひょっとしたら、最近低迷気味のニトロにとって、起死回生の一発になったかもしれないことが非常に悔やまれる。
そろそろ本腰入れて建て直しをしないと、非常にまずいと思います。すでにユーザー離れは進んでいるぞ!

ニトロ作品コンプリーターを自認する人、積みゲーは一切なく、超ヒマで何でもいいからやりたい人はどうぞ。
でも、あえてプレイするほどの作品じゃありません。
発売したそばから忘れられていく、大量生産の一環でしかない、そんな作品でした。

天使ノ二挺拳銃 -Angelos Armas-

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
67★★

ニトロやっちまいました。ブランド名(火薬)に引火して、アチチチ助けて119番、な状態です。
この、とてもニトロ作品とは思えない点数を叩き出したすべての根元は、システムの大失敗
これじゃなくて、通常のAVGかノベルスタイルだったら、たぶん点数はニ割増しだったと思う。
(それでも80点台は付けられませんが)

悪い点が多すぎるので、とりあえず良い点から。
絵、音楽に関してはもう安定の一言。抑えた色調の中央東口氏の絵は、終末感漂うこの作品にベストマッチしている。
ニトロの他の絵師では、とてもこの雰囲気を出せないだろう。
相変わらず、チンピラ・オヤジ・化物のニトロ三大必須キャラが群を抜いてお上手であらせられます。大好きだー!
萌え絵ばかりが綺麗であとはお粗末、という作品に比べて、格段に物語に厚みを与えている。
皺や髭を付け足しただけであとは若者と一緒、という絵を描いてしまう絵師が増えてきた中で、この描き分けの達者さはかなり貴重なものだと思う。
(言っておくが女性も上手だ。というかものすごい進歩を遂げた)

音楽はおなじみ、ZIZZ STUDIO。もうコツが分かっているというか、そぐわないというBGMがほとんどないので安心して聞いていられる。
毎回質の高いボーカル曲を出してくるが、今回のEDテーマも相当に良かった。ED自体はアレだがな。

さて。さてさてさて。今回のメインぶった切られ悪役(市中引き回しの上、磔獄門)であるシステム。
いったい今までの作品の蓄積は何だったのか、と頭を抱えたくなるほどにまるでなってない。
普通、作品数が増えれば増えるほどに、システム周りは洗練されていくものじゃないの?
そもそも、セーブデータをロードするのに10秒近く待たせられるエロゲなんてプレイしたことがありません。
これはPSのゲームですか? それとも記録媒体がテープレコーダだったころのアレ?
(若いプレイヤーは知らないだろうが、パソコンにはそういう時代があったのです。しかし私はそこまで歳取ってないよ)

1G以上もフルインストさせておいて、ディスクレスにならないこと、レスポンスが激悪なことも納得いかない。
何かするたびに必ずワンテンポ遅れるし、今回初搭載のうざったらしいエフェクトも切れない。
念のため書き添えるが、私のマシンは05年8月の現時点でも比較的高スペックな方です。
なので、マシンが原因という可能性はかなり薄いはず。

一番最悪なのは、AVGでありながら既読スキップがないこと。
ぶっちゃけ、最初と最後だけ読めば、中盤はどうでもいいシナリオなのDEATHがね。
それだって、既読スキップなんて搭載されて当たり前の機能、なぜあえて外してしまったのか問い詰めたい。
小一時間問い詰めたい。
おかげでこっちは、画面眺めたままの高速スキップ併用というアホな作業を繰り返すことに。

これでただでさえイライラが募るのに、このシステム、異常に不安定で何かの拍子にいきなり落ちます。
私なんぞ、あと2,3回画面送ればエンディング、という箇所でいきなり落ちた。
当然やる気は下降線。むしろマイナス。そんな状態が幾度かあり、既読スキップもないのだから、途中、セーブしないで延々とプレイしてると確実に泣きを見ます。(ホント泣けたよ……)
私のマシンだけかと思ったが、他にもそういう事例が多々あるようなので、間違いなくバグと言えよう。

頼むよー、こんなボリュームの少ない作品でそんな致命的なミス犯すなよー。
普段のニトロなら考えられないのだが、今回は、AVGとしてのシステムを一から構築したせいで仕方ないのだろう。
だが、新しいものを導入するときは、それに見合った保守を。安全性はシステムの最根幹を担う要素だ。

そして、よりバリエーションに豊んだ演出を表現しようとして採用されたであろうこのシステム、はっきり言ってウザいだけなのは私だけですか?
マンガのようにセリフや説明が吹き出しで表現され、一枚絵の背景にそれを喋るキャラがカットインで挿入される、という手法なのだが、ただでさえ説明が多く、難解で重いテーマがある設定であるのに、それを白抜きの吹き出しで小出しにポコポコ表示されるような真似をされちゃったら、読みづらいことこの上ない。
おまけにその吹き出しの出現位置が定まらないので、視線をあちこちに動かさねばならず、文との一体感、スピード感が全然味わえないのだ。
マンガなら右から左、ノベルタイプなら左から右、といった日本人共通のお約束をいとも簡単に飛び越えられてしまい、普通のゲームスタイルに慣れていればいるほど、こちらのリズムを簡単に狂わせられてしまう。
この点、もしノベルタイプだったら、文章のリズムを崩すことなく、違和感なく世界観に入っていけたと思われるのがまず失敗の一点。

さらに、これだけどシリアスな物語をこの手法でやっちゃったら、どんなに気を付けても

下手なアメコミみたいな三文芝居

にしかなりえないということ。
カットインのタイミングや絵、画面効果などは本当に見事なのだが、すべてに吹き出しが表示されるせいで、どう好意的に見ても陳腐なデジコミとしか思えないのだ。
おかげで、世界観に入りこむ前に作品に対する熱が氷点下まで下がってしまい、物語を楽しむどころではなくなる。

何でこの作品でこの手法取っちゃったんだろう。これは、もっと甘酸っぱ~いメルヘンラヴな世界か、この手法の効果すらギャグとして笑えるようなコメディ作品にしか通用しないのでは。
少なくとも、私は演出方法とシナリオとの間に深い溝を感じた。
もともと大したシナリオでもないのに、演出によってさらにその魅力が半減。こんなゲーム初めてだ。
(普通は、シナリオはいいのに演出は、とかその逆が多数を占める)

カットインのセンスには並々ならぬものを感じたので演出に8点を付けたが、吹き出しだけなら3点クラス。
もう二度と使わないでほしい。頼む。本当頼む。これ以上やられたら、ディスク叩き割りたくなる。
どうしても使いたいのなら、吹き出しかノベル式か選べるようにしてくれ。じゃないと忍耐が保たない。

そして、その最悪の演出とイヤな相乗効果を生み出してしまったシナリオ。
残念ながら、このテーマを扱うには、現時点では決定的に力量不足。
同社内に虚淵玄という卓越しすぎたライターがいるもんだから、その点をかわいそうには思うし、ある程度情状酌量の余地はあるのだが、どうしても比べざるをえない。
同じライターでも、いっそのこと鋼屋ジン氏(デモンベインのライター)のように、全然違う角度から切りこめばよかったのだろうが、終末という閉塞した世界観、異形の種、狂気の愛、ポン刀銃器カーチェイス祭り、どれもこれも虚淵氏の得意フィールドばかり。
となれば、あとは地力の差が出てしまうに決まっている。

案の定、最近流行りの「アンチハッピーエンド」に仕上げてしまったのだが、それがまず間違いの始まり。

安易なハッピーエンドには罵声を。下手くそなエンドには制裁を。

アンチハッピーエンドってのはものすごーく難しいのです。受け手に衝撃を与えつつ、それでも納得に足る結末を与えなければならないのだから。
そこのところを無視して、ざらつきだけを残すようなエンドってのは、そのときは確かに強烈に印象に残っても、結局は不快感しか残っていないもの。
むしろ、最後まで右往左往してるようなおバカちんが主人公の今作では、
「お前がグズで腑抜けだからこうなっちまったんだ、ボケ!」
としか言われないのが関の山かと。

さらに、黒幕の行動原理がもうすっっっっっっっっっごくチープ

今どき、

「女にフラレた(そもそも、好かれてると勘違いしてた)」→「誰も理解してくれない」→「ボク寂しんぼ」

くらいで世界を滅ぼそうとする短絡思考の悪役がいたんですね。思わず生ぬるい微笑を浮かべてしまいました。
火曜サスペンス劇場だって、もうちょっと気のきいた動機を思いつくぞ。
どうせ鬱を狙うなら、もっと救いがなく、もっとどす黒い、魂が汚濁されるかのような理由を。
おまけに君たち天使なのに、輪廻を信じるんですか。天使はブディストだなんて初めて知りました。

とにかく、一生懸命資料に当たって勉強はしたんだろう。それは感じられるものの、付け焼刃感が強すぎて、結果的に一つのストーリーとしてまとまりがなくなっている。
風子ルートでペーターが語った嘘の定義が、実はエンディングの伏線であるなど端々に光るエピソードも結構あったし、後半のアクションシーンはスピード感も出てきてよかったのだが、いかんせん途中のダラダラした展開が長すぎて、後半に入る頃には「もういいから早く終わってくれ」と祈るしかなくなる。
こういう話なら、各人の心理描写が重要になってくるのに、それがおろそかで状況説明ばかりがくどくどしく入るため、とにかく「うざい」という印象しか持てない。

今作に新人を起用したのは大きなミステイク。メーカーとライター、双方にとって不幸な結末しか生んでないし、実験作では新人の力を測れない。
シナリオ自体、確かに力量不足の感は否めないけれど、たぶん、ノベルタイプだったらもうほんのちょっとは高評価できたであろうので、演出に邪魔されたことを差し引いて、あと1,2作は様子を見たい。
過度の期待はしないが、成長の余地はかなりある。基本的には悪くないものを持っているとは思うので、正統派のゲームスタイルで、きちんとした監修の付いたものをプレイしてみたい。
「」内に句点を付けてしまうような凡ミスに気を付けて、精進してくれることを切に願う。
(↑私はこれが許せない。今作に限らず、結構間違ってる作品多々あり。日本語勉強し直してくれ)

メーカーとしては、これ以上私を苦しませないでほしい。この演出は、個人的に再度の使用を禁止します。
ファンディスク等のギャグ系作品じゃない限り、これを搭載したら私は買わない。徹底回避させていただきます。
それにしてもウロブッチー、ホモゲーのディレクションしてる場合じゃないっすよ! 屋台骨の危機っすよ!
ここらで一発、ガツンとメインシナリオかましてください!
こんな状態が続いたら、私はきっと死ぬ。_| ̄|○~0

斬魔大聖デモンベイン

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
83★★★

これは好き嫌いが別れるであろう、ある意味問題作。
「"Hello,world."」ほどの明らかな失敗作でもないし、総じて手堅くまとまっている。
が、往年の虚淵玄節に慣れてしまったニトロファンには、受け入れられるテキストかどうか、というのが非常に重くのしかかってくるのだ。
あちらがコクもキレも鋭い、重厚な円熟味を感じる安定した古酒の味わいなら、こちらは若さとパンチ力に満ちた新酒といった趣。

とにかく勢いはある。だが、対象を違う言葉で何度も繰り返して表現する手法が多用されており、ともすればしつこすぎるきらいがあるため、マシンガントークが上滑りしている印象を受ける。
虚淵氏が極力無駄を書かないことで物語のテーマや輪郭をくっきりと浮かび上がらせているのとは対照的に、訴えたいことをあらゆる方面から何度も畳みかける、この絨毯爆撃的な手法はある種諸刃の剣。
好きな人なら気にならないだろうが、一度鼻についてしまうとうっとうしさがまとわりつく。
特に、ゲーム・漫画・アニメのパロディ的なネタも多く、多少ならお遊びとして許容できるのだが、これまた相当多用されている上に、かなりシリアスな場面にも登場するのは少々やりすぎの感が否めない。
良くも悪くもライトノベル臭が強く、この手のテキストに慣れていない人はつらいかもしれない。
今回のシナリオライターは鋼屋ジン氏だが、私が以前読んだSSとはだいぶスタイルが変わっているような。
ゲームのシナリオと小説とは形態が違うので、あえてこの手の形式にしたのかもしれない。

だが、そういったテキストの方向性に目をつぶれば、ストーリー的にはかなり読ませる力作。
ニトロプラスのゲームであることを十二分に念頭に置いた、熱く、スピード感に溢れ、時には切ない各エピソードが、これだけのボリュームを持ちながら、伏線を破綻させずにきちんと収束していく様は圧巻。
ルートごとにヒロインが変わるのはもちろんのこと、それに合わせて最後の敵すらも変わってしまう。
もちろんエンディングも世界の秘密をしっかり提示し、据わりが良く、納得に足る出来であるため、死ぬほど長い苦痛を延々と与えられた挙げ句、ヒロイン全員のエンドが同じという同メーカーの超ボリュームを誇る某ゲーム(相当心の傷)とは満足度が雲泥の差。
さらに、エンディングの扱い方が相当に巧い。長大なボリューム、クトゥルー神話というネタの設定を最大限に生かし、かつ後味に爽快感を伴うという、ニトロ作品には珍しい一本となっている。

音楽は臨場感たっぷりで、ボリュームあるゲームにふさわしく曲数も多め。
曲のタイトルも奮ってるし相変わらず良い仕事をする音屋さんたちです。
テーマソングは生沢佑一氏。静かなイントロから壮大なサビへと情感たっぷりでOPにふさわしい、熱い盛り上がりを予感させる良い仕上がり。
一方音声は、せっかくの超豪華声優陣なのに、しゃべる場所が全体量から見てかなり少なめ。
尺の長い物語なので仕方がないと言えばそれまでなのだが、残念な感は否めない。
PS版はフルボイスらしいので(しかも我が愛する矢尾一樹氏や若本規夫氏、中田譲治氏という豪華っぷり!!)、ぜひこのキャストをPC版で……と嘆き悲しんでいる次第。

システムは微妙に使いづらい。私は大丈夫だったが、プロテクトの誤爆が多発しているらしいし、バックログがホイールで見られないのが致命的。
システム周りは直感的なインターフェースで操作できることが大前提で、細かい設定などは二の次だと思うのだが、今作はそれが逆になってしまっているのが残念。
大作とも呼べるボリュームのゲームなだけに、やはり気持ち良い操作感は必須だと痛感した。

シナリオは真っ向勝負の力技。
小手先のテクニックに頼らない、逃げも裏技もない愚直なまでの正面突破
虚渕氏に比べれば確かに青臭く、つたない点もあるけれど、それは個人の好みの問題だと思う。
とにかく複雑きわまるクトゥルー神話体系を題材に取りながら、これだけ綺麗かつ納得に足る帰着を見せたという点。
これだけでも、他の些末な問題点には目をつぶってもいいくらい高く評価できる。

大方の予想通り、私はクトゥルー関連もわりと好きで色々読んではいたが、例のダーレスによって付け加えられた設定を包含しつつ、それを効果的に生かしたストーリーには大いに感心させられた。
物語ではアルノーマルエンドにあたるエピソードだが、これは鳥肌めいたものを感じるほど印象に残った。

たった二人の善なる神。
それは邪神を封じるために永遠なる時を戦い続けるアルと九郎の姿であり、本来なら選ばねばならない道を選べず、彼と共にあることを願ってしまったアルによって顕現した世界。

誰からも責められる事のない罪。
故に。
誰からも赦される事の無い罪。
(ゲーム本文より、アルの独白)

たった一つの、ラストの選択肢によってハッピーエンドへと至れることを知っているプレイヤーなら、その切なさに胸をかきむしられるであろう心震えるラストだが、そこで彼らを善なる神として扱うことで、「邪神群を封じる旧神」を存在させたダーレスの設定を見事に説明できている。
それは、なぜ「旧支配者同士の対立」が存在するのか、という疑問への答えにもなっているという周到さ。
希望などない、邪神に支配された世界に生まれたたった一筋の光。
それがアルと九郎であり、「選ぶべき選択肢」を選ばなかったが故にハッピーエンドへ至れなかったプレイヤーに残された次への希望でもある。

ゲーム自体のボリュームと寄り道表記の多さのため、実はプレイ途中で結構中だるみしてしまったのだが、罪の意識に苛まれながらも己の幸せを貫き、痛みを伴う幸福を得るこのラストは大変に私好みのため、評価はかなり高い。
哀しくも美しいこの手の味わいのラストは、覇道瑠璃のルートでも味わうことができる。

いつ終わるともしれない、その「いつか」のために戦い続ける物語。
決して己の想いを口にすることはできず、たった一人の少女を護るために何度敗れようとも立ち上がり、回り続ける物語。
それが切なく、毅然とした印象であるがゆえに、そのループが破れたときに訪れる優しいエンディングの感動は大きい。

と、ここまで書いておいてなんだが、どうでもいいことが気になったので一つ。
瑠璃は財閥のお嬢様のくせに下着ダサすぎ
オーバドゥやラ・ペルラくらい着てろや、と思わずツッコミを入れたくなりました。
エメラルドクリーンと白のストライプはないだろう、今どき。(しかもあれは絶対綿パンツだ)
あれで超萎えたのは私だけではないはずだ……と思っていたら、ネットでは萌えてる人多数ですげぇビックリ。
やはり、オタク層には受ける記号だったのですか、エメラルドクリーンと白のストライプ綿パンは!
私が男なら、脱がした時点でその場で回れ右して帰りたくなるくらい萎えたのですが。

あと、九郎がデカすぎ。(何が? ナニが)
絶対入らねぇ。むしろ裂ける。間違いなく。しかも相手はロリだし。痛いっつーの!!
男は大きさよりテクです。これ絶対。
大きいのは痛いだけ。良くも何ともありません。これ真実。
こちとら、正真正銘の女が言うんだから間違いない。
(いや中には「大きくなきゃイヤ~ン」という方がいるかもしれないが。つーか下品ですいません)

というわけで、熱い物語、ロボット物、絶望的な状況からの逆転劇、人外ロリ、クトゥルーなどのキーワードに敏感に反応してしまう方にお勧め。

あ、ライカルートについて書き忘れた。が、ボスが違うだけで普通。特筆すべきとこはないです。私にとっては。
リューガとの殺し愛は結構ツボだったのですが。
仮面ラ●ダー的な懊悩する主人公が好きな人ならいいかもね。

沙耶の唄

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
82★★★

ニトロの屋台骨、虚淵玄+中央東口コンビの最新作。
業界の各情報誌に、
「過去の作風である『漢祭り・火薬弾薬祭り・日本刀カンフー祭り』を深く反省し、野郎キャラよりも大勢のおなごキャラを出す」
と、18禁ゲームメーカーとしては至極当たり前なのだが、ニトロファンには驚愕の野心溢るる声明文を発表し、いったいどんな作品に仕上がってくるのかと戦々恐々としていたら。
ゲーム起動開始と同時に爆笑。

何せオプションに、「グロ(画像)をそのまま表示」「フォーカスをぼかす」「明度を落とす」なんて選択があるし。
そうか、そうきたのか、ニトロ。単なるおなご祭りなんてするわけないとは思ってたよ。
さすが私の愛するメーカーだぜ!( ^ー゚)b

というわけでこのゲーム、イントロ部からいきなりグロ画像です。
それも、思いっきりスプラッタでこれでもかというくらいに緻密に描き込まれた臓物様が。
しかも、描写も微に入り細をうがち、それを引きずる音まで再現しちゃってくれてるので、この手の作風がダメな人はおとなしく回れ右した方が無難。
最初っからグロ全開でいくためにすぐ見慣れてしまい、慣れるとさほどでもないのだが。

CGはお馴染み中央東口氏。
元々異形の生物を描くのが格段に上手かった氏だが、やはり作品を重ねるに従って普通の人間を描くのも相当レベルアップしたのが伺える。
タイトルにもなっている、キーパーソンである沙耶の無邪気なかわいらしさは文句の付けようのない出来だし、抑えた色調のシックな画風は、作品の雰囲気に抜群にマッチしている。
また、高レベルな音楽でも知られるニトロだが、今回は突出した楽曲こそないものの、どれもホラー作品に相応しい不安感を煽るような曲調で、画面との相乗効果もきちんと計算されている。
もちろん、一部に有名キャストを起用したキャラボイスもハマっており、全体的にそつのない作り。

低価格作品でありながら、常時相当のレベルのものを見せつけるニトロらしく、システムにもまったく手を抜いていない。
特に、ホイールで文章を送れるのがとても便利。
私のようにものすごい勢いで文章を送る人間にとっては、クリックよりこっちの方が断然楽で早いので、これはかなりありがたい機能だった。
もちろんバックログもホイールで見れるが、残念ながら音声再生までには対応していない。

さて、肝心のシナリオ。
実は、初プレイ時には「面白いけど、虚淵氏だし当たり前。まっこんなもんだよね」と思ってました。
それがとても失礼な感想であることに気付かずに。
気付いたのは、ゲームをアンインストールして、レビューに何書こうかなぁと内容を反芻しつつぼんやり考え始めてから。

確かにプレイ時間が短すぎて食い足りない気持ちが強かったし、伏線が生かしきれなかった部分もある。
短編よりは中編くらいにすればよかったかなぁとも思う。
でも、その内容はただのスプラッタホラーじゃなかった。

あの救いのないラスト、その意図はプレイヤーによって受け取り方が千差万別だとは思うけど。
あれは、認識障害を抱えている主人公視点だからこそああいう悲しげで綺麗な美しい景色が見えるのであって、それがもし普通の一般人だったら、どんなにおぞましい狂気の世界が見えてくるのか。

そして、沙耶が異形の生物であることを知ってしまったのにもかかわらず、変わらず沙耶を愛し続ける主人公。
それは、自らが異常であることを知りつつも彼岸を越えてしまったということだ。
この一種のパラダイムシフトにプレイ時気付けなかったことが大変悔しく、その破壊力に気付いたときは後の祭り。
ああもう、これだから私はバカだ。

そこには、必ず救いが起きてしまう、ご都合主義の感動物に対する強烈なアンチテーゼが感じられる。

この、誰が見てもハッピーじゃないのに、究極に幸福であるエンド。
何て絶望的な美しさだろう。
何て邪悪なメルヘンなんだろう。
何て醜悪な純愛なんだろう。

もう、さすが虚淵玄と言うしかない。現時点で間違いなく業界最高レベルのライターの一人。
下手をすると陳腐そのものになってしまうネタをここまで散りばめておきながら、ホラーの恐怖と萌え、燃え、決して相容れない種との恋愛に起因する悲哀や寂寥を、ここまで絶妙の配置でバランス良く出してくるのは並大抵の手腕ではない。

ある意味人をかなり選ぶ作品だが、対価効果以上の余韻が残るので、スプラッタに抵抗ない人はぜひ。
旧作虚淵ファンで未プレイの人も、氏の新境地を味わえるのでぜひ。

ところで虚淵氏へ。
次はぜひともまた「漢祭り」の長編を出していただきたいと思ってるのですが。

"Hello,world."

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
72★★★

(メーカー)は、全ニトロファンの忍耐を試しているのに違いない。

だってそうとしか思えないんだよ。私だってこんな点数付けたくないよ。
「ファントム Phantom of Inferno」が90点、「吸血殲鬼ヴェドゴニア」が84点、「鬼哭街」が83点と、常に高アベレージを叩き出し、安心して遊べるメーカーだと信じてきたニトロが、まさかこんなどうしようもなくアイタタタな作品作っちまうとは。

とりあえずプレイ開始後10分でやる気をなくしたゲームは久しぶりです。
ものすごくダルい。異常な説明の多さ。
たとえそれが、主人公がこれから人間社会の常識を身につけていくことを前提としたロボットだという演出を差し引いても。
前半、どうやってもちっとも進まないストーリー。魂が抜けかけるような冗漫な毎日の繰り返し。

私がプレイ中密かに気になったのは、どうもアージュ臭さが漂っていたこと。
学生の仲良しグループ、身近などうでもいい事件の積み重ね、キャラ同士のつまらない掛け合い漫才。
主人公と奈都美、薫、圭介の関係なんて、まんま「君が望む永遠」じゃん。
いくらメーカー同士が仲が良くても、いらんところまで参考にしなくてもよいわ。
ニトロにはニトロの、他メーカーには出せないカラーがあって、そこが好きだったのに。

率直に言って、今回はシステムしか評価できない。
ニトロ作品とやたらに相性の悪かった私のマシンでも今回はかなり安定していたし、サウンドやエフェクト、その他細かいところまで自分のいいようにカスタマイズできる仕組みになっている。
バックログの読み込みや、そこからの復帰がやや時間がかかるような気がするが、それ以外はセーブ数も多いし、セーブ時のコメントや選択肢に戻る機能も備え、AVGとして必要なシステムを網羅しており、十二分に合格点。でもそれだけ。

3DCGはかなり良い出来映えなのだが、肝心のキャラ絵は好みじゃないし(時折変な人体になってるし)、シナリオもテンポ激悪。演出は平凡。
キャラの肉付けに至っては涙を流して「勘弁してください」と土下座したくなるくらい最低。
あまりにひどかったので列挙します。

  • 奈都美――メインヒロイン。鈍くさい。頼むからもうストーリーに絡んでくるな。

  • 薫――――足手まとい。敵地潜入して「気を付けろ」と言われてるのに、次の瞬間突撃かましてんじゃねぇ。

  • 千絵梨――お嬢うざい。テメーは金があるだけマシだ。わがまま言うな。もみあげがしめ縄。

  • 深佳―――お子様はすっこんでろ。

  • 若佳菜――エロ担当。いちいち泣いたり愚痴ったりうるさい。大人は大人らしくしろ。

  • 遥香―――このゲームのオアシスその1。でも座ってるときのCG、胸垂れてるのが気になったよ。

  • 純子―――オアシスその2。なのに何でエンディングないの? 彼女のシナリオこそやりたいのに。
  • こんな各ステキヒロインのシナリオ攻略に、8~10時間以上(スキップ併用・常人平均値)かかるのはいかがなものか。
    さらに、そこまで長時間縛り付けておいて、どうしてトゥルーエンドが全員同じなのか。
    よくぞ耐え抜いた、私。

    それもこれも、
    「次の瞬間には、きっとあっと驚く『ニトロ仕掛け』が飛び出すに違いない」
    と信じていたから。(そして裏切られた)
    泣くに泣けません。

    ファーストプレイではスキップが使えないため、おそらくプレイ時間が20時間近くかかると思われるのだが、それでもストーリー上の盛り上がりは大きく分けて3回しかない。
    しかも、それがすべて中盤以降の後半に集中している。
    これだけでシナリオのバランスが悪いことを露呈しているのに、その展開自体がトホホなもんだから、プレイヤーは脳死を起こします。

    今どき無機物から派生した破滅主義ロボットの人間性の発露なんて流行りません。テーマが遅すぎ&古すぎ。
    しかも、それを肉付けも味付けもしてないもんだから、実に陳腐な勧善懲悪自己犠牲物に仕上がっている。
    つまらん! 実につまらん! そんなの18禁ゲーじゃ意味ないやい!

    今回は、メーカーが「萌え」を意識したらしいが、意識しすぎて空回りしたという印象が拭えない。
    モーラ(※「吸血殲鬼ヴェドゴニア」のヒロイン)にならいくらでも萌えられるが、奈都美に萌えろというのは逆立ちして一回転しても無理。
    むしろ、ニトロの銃火器類になら萌えられますが、ヒロインに萌えることは不可能。
    萌えを意識していない方が、ずっとずっと萌え&燃えられる展開を巻き起こしていたニトロに戻ってくれ、頼む。

    メーカーへの愛ゆえにこっぴどくこき下ろしたが、このプレイ中ずっと苦行に耐えているような気がしていたので。
    「楽しむ」ためにゲームやってんのに、それをほとんど味わえることなく苦痛な数週間を過ごしてしまったので。
    これなら総プレイ時間3時間の「鬼哭街」の方が、ずっとコストパフォーマンスに優れているような気すら。

    次回作「斬魔大聖デモンベイン」に期待します。シナリオ担当の鋼屋ジン氏の文章や展開は結構好きなんで。
    ……とりあえず最後に。

    こんなのニトロ作品じゃないやい!!
    (夕陽に向かって猛ダッシュしつつ涙を拭きながら)

    吸血殲鬼ヴェドゴニア

    シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
    84★★★★

    吸血鬼ハンターキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
    各話ごとにオープニング・エンディングが入るTVドラマ構成。なかなか面白いです。

    ダークなだけでなく、永遠を生きる者の悲哀、非日常へと足を踏み入れてく恐ろしさ、なんてのがきちんと描かれてて◎。
    ただ、戦闘シーンはテンポを落としてる感が否めない。
    武器を選んで出撃するのはいいのだが、どれを選んでも戦い方が画一的で、あまり意味をなしてない。
    むしろ、デスモドゥス(バイクの名前)燃え(ぉ

    どのエンディングにも余韻があり、ハッピーエンドに頼らない叙情的なシナリオは総じてレベルが高い。
    脇役も、ただ出てくるだけでは終わらない見せ場があって、一つの物語としての完成度の高さに花を添えている。
    良作です。アクション&バイオレンスと聞いただけで血が奮い立つ人はぜひ。

    鬼哭街

    シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
    83★★★

    いっそのこと、と開き直ってしまった姿勢が潔い、ニトロプラスのストーリーノベル。

    選択肢ないです

    とにかく話を読め、とばかりに突きつけられた形態、ストーリーノベル。
    さすがだニトロ。エロゲーなのにエロとゲームはそっちのけ!
    そこに痺れる、憧れるゥゥ!!

    とまあ茶化してますが、作品自体は大変高品質です。
    レベルの高い音と絵が入ることによって、ドラマチックに展開するシナリオにさらなる波状効果が生まれているし、実はトンデモ設定な話なのに、意外に隙がない仕上がりになっている。
    ボリュームも飽きない程度の長さで申し分ないし、このスタイルは大成功だと思う。

    実際、つまらん映画を見るより数千倍は面白いかと。
    こういうの実写でやられたりすると、変なSFXやCGを見せつけられてげんなりするので。

    ファントム Phantom of Inferno(DVD版)

    シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
    90★★★★★

    レビューの前に一言。

    「決してPS2(もしくは等速オンリーのDVDプレイヤー)でプレイしてはいかん!!!」

    はっきり言って、本筋に対して関係ないところで印象悪くします。
    再生速度を替えられないと、地獄のようなプレイ環境になること間違いなし。
    それほどまでに、なぜかこのソフト、スローペースです。

    物語自体は緊迫した、スピード感と哀切溢れる秀作。
    記憶を失くし、過去を忘れ、生きる意味を問いながら手を血に染め続ける登場人物たち。
    マフィアの頂点に立たんとする組織、「インフェルノ」。
    そして、組織の暗殺者で最高位の者に与えられる称号「ファントム」。
    主人公は、その「ファントム」としての生き方を余儀なくされたアイン、ツヴァイ、ドライ。
    それをとりまく組織の幹部や対立する人間、渦巻く陰謀、これでもかと登場する重火器等、品揃えは一級品。

    何と言っても、冗長な部分や無駄が少ない
    緩急ある展開や周到な伏線、印象的な場面設定や音楽等、せっかく築き上げた世界観を壊さないよう、細部にも気を使っている。
    特に感心したのが後半に宗教の持つ「救い」の作用を絡めたこと。
    比類なき暗殺者としてその名を轟かせた「初代ファントム」であるアインが、宗教に関心を持ち、教会に出入りし、祈りを捧げ、賛美歌を歌う。
    この一見相反する行為が物語の悲壮感を一層高め、結果、このゲーム一番の見せ場と言っても過言ではない、

    アイン(初代ファントム)とドライ(3代目ファントム)の教会での一騎打ち

    に発展する。

    「暗殺者」としての呪縛から逃れられない苦しみ。
    「人」として救われたい気持ち。
    「愛する人」を救いたい気持ち。

    人は、己一人の力で立つしかなく、自身は決して贖えない罪を背負っていることを嫌というほど知っているアインが、それでも神への祈りを捧げずにはいられない気持ちを忖度し、プレイヤーはそれに心を引きずられる。
    「暗殺者」「組織」「血と硝煙」「陰謀と抗争」「純愛」と、並べただけではありがちな各パーツが、「宗教」の持つファクターを一枚噛ませてやるだけで、これだけの演出効果を導き出す。
    ここだけ取り上げても、絶対的にやるべき要素満載。

    私は3章のヒロイン美緒は正ヒロインと思っていないので除外するが(ひでえ)、

    アインと迎える、彼女が自分のアイデンティティの拠り所を取り戻す感動的なラストも、
    ドライと迎える、ある種突き抜けた感のあるラストも、
    賛否両論別れる、クロウディアのエンディング2種も、

    どれも納得できる出来だった。
    敢えて言うなら、アインのラストは別格だろう。
    なんせ1章から「草原」の伏線を張って用意してあるんだから。

    ちなみに、クロウディアはああいう展開になるだろうってことはよく分かってた。
    だって私も(一応)女だもん(笑)
    エゴイスティックこそ女の本性ですよ、世の男性諸君。
    組織の幹部になるほどの実力を持つ女ならなおさら。
    ただ、頂点に登りつめたときに、失ったものに思いを馳せるかそうでないかが、「悪女」と「計算高い女」の違いなんじゃないのかな。
    クロウディアは悪女にはなりきれない、そういう部分が魅力的な女なんだと私は思いますが。
    そりゃ、こういう女は18禁ゲーのキャラ造形としては受けないわな。私は好きです。

    冒頭の緊張感から、学校でのラストバトルに至るまで、全編中だるみや破綻がなく、怒濤の展開を繰り広げます。
    ドラマティックでスケールが大きく、まさに珠玉のエンターテインメント
    映画的なノリが好きで、ストーリー重視派の方、ぜひプレイを。

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