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SNOW

シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
72(kanon&AIR体験済)★★
(kanon&AIR未体験)
★★★★

(今回はゲーム内容の都合上、「Kanon」「AIR」ネタバレを多大に含んでいるのでご注意!!)

ハァ~。ある意味最もレビューしにくい作品だと思う、コレ。
作品成立に至るまでのの付加情報をまったくオフにして考えれば、かなりの力作ではある。
が、付加情報に耳を貸さないということは、今作の場合圧倒的に問題がありすぎるのだ。

今作を一言で表現するならば、よく言えば、奇跡の起きないkanon。破壊力のないAIR。
ぶっちゃけて言ってしまえば、kanon&AIRところどころONEのコラージュカラーコピー。パソコンプリンタレベル。

そう言われても仕方がないほどまでに、演出もストーリーも似通りすぎている。
開発陣自らが「似せた」とゲーム情報誌で公言している通り、「オマージュ」の域を通り越してしまっている、ある意味見事なパクリっぷり。
「パクリ」という言葉を軽々しく使うのは気が引けるのだが、そう言われても仕方がないだけの罪業をすでに背負ってしまっているのが如何ともしがたい。
せめてもの救いは、決して「デッドコピー」ではないということか。

この際、美点から挙げよう。

木々を覆い隠す雪や、冬の光の柔らかさ、暖かさを十二分に表現しきっている素晴らしい背景。
ちょっと微妙な表現かもしれないが、(みつみ美里+甘露樹)÷樋上いたる(各氏敬称略)な雰囲気を持つCG。
塗りはものすごく丁寧だし、何より、人物に降り積もった雪の質感がリアルで素晴らしい。

昨今の風潮に逆らうかのようにボイス無しではあるものの、それを補って余りあるレベルの高いSE。
(ちなみに私はボイス嫌いなので↑これはうれしい)
水のせせらぎ、吹き荒れる風の音、降り積もる雪、それを踏みしめる音、そういった自然の発する何でもない音を、まったく不自然のないレベルで再現している。
そして、相変わらず類いまれな表現力を持つI'veサウンド。
今回もその実力を遺憾なく発揮し、作品世界を大いに盛り上げている。

……だけど。だけどね。

肝心の演出とシナリオがこうも上記二作品に似ているのでは、判断のしようがないのですよ。
テンポの悪い会話、冗長な日常生活、構成すらほぼ同じ。

メインヒロインクリア → 過去編出現 → 全ルート補完 → 最終ルート出現 → 終幕

の展開は……それってAIR。
さらにヒロインは、

  • 澄乃――メインヒロイン。Keyキャラ伝統の白痴。口癖「えう~、だよ~」。ラストが観鈴(C)AIR。

  • 旭―――人外で萎え。シナリオ重要度薄し。まんま真琴(C)kanon。

  • しぐれ―せっかく積み上げたシナリオ&設定、自らぶっ壊すストーリー展開に脱帽。ある意味舞(C)ONE。

  • 桜花――ガキはもうお腹一杯。泣きゲーのキーパーソンに子供使うの禁止。(C)AIR美凪編のクソガキ。
  • すごいよメビウス! 4人も取り揃えておきながら、真っ当にオリジナリティのあるキャラが一人もいないなんて!

    それはそうとして、この作品の一番弱いところは、すべてにおいてあざといまでにきれいすぎること。
    kanonのいびつさも、AIRの難解さも持ち合わせず、ただ両者を教本として極めて手堅くまとめてあることが失敗なんだと思う。
    丸すぎる。突出した部分がない。

    人を涙させる悲劇的な展開も、深い感慨に導く印象性も薄く、すべてが片付きすぎ、しかも整合性なさすぎ
    あの、AIRの「鳥の詩」が流れてきただけで脳内にゲーム画面がフラッシュバックするほどのインパクトがない。
    代表的なエピソードが、AIRのSUMMER編にあたるLegend編において白桜を殺してしまったこと。

    SUMMERでは、神奈は運命の輪に囚われてしまったが、柳也はそこであえて死を選ばずに生を全うした。
    当然、この場では生き抜くことの方が辛く、厳しい道であることがプレイヤーには分かっているから、だからこそ最後の、輪から解き放たれた神奈と柳也の姿を見て滂沱することができるわけで、そこがAIRの演出力の高さでもある。

    が、Legendではそれがない。さらに、ヒロインである菊花が極めて脳天気で身勝手な性格であるため、いかに天罰を受けようとも、プレイヤーとしては「ふーん、あっそ。でも当然だよね」としか思えないのだ。
    おまけに、白桜が生きてりゃ全然問題なかったものを、まったく意味もなく自殺させている。

    ここでだいたいのプレイヤーは「へ? 何で死ぬの?」と(゚Д゚)ポカーン状態になることが予測される。
    だって、肝心の両者が死んでしまったらそこで天罰完遂じゃないのか。輪廻に囚われる必然性がないし。
    関係者の処罰だって、鳳仙もしぐれもいずれ死ぬんだから、放っておけばすべて丸く収まる。
    自ら望んでこの過ぎてしまった事態をやり直す必要などどこにもないのに、ご丁寧にもやってしまってるのだ、この作品は。

    おまけにLegendを終えて、最終ルートに入ると設定がおかしいことに誰でも気づいてしまう罠。
    同軸上にあるはずのすべてのヒロインのルートが、実は同軸上にはあらず、何でこんなに唐突にパラレルワールド突入?
    と思わざるをえない。
    そして、それに関しては一切の説明がなされない
    いつからここは並列世界(C)YU-NOになったんだ??? と首をかしげることしきり。
    伏線を回収しよう、という意気込みが強すぎて、極めて基本的な足下が見えてないというのがよく分かる。

    そして、最後のルートも終わって戻ったタイトル画面。画像変わってる。

    ここまでAIRかよ!

    ……ある意味徹底してます。

    運命から解き放たれようとして、でも結局天の罰を最後まで享受した最終ルートのエンディングといい、この作品自体が、結局kanonとAIRの呪縛から解き放たれずに終わっている。
    すべてにおいて亜流でしかない、でも一流の亜流ではあるという、残念至極な作品。

    はっきり言って、あの「悪夢」のスタジオメビウスがここまで真っ当な作品を作れるなんて全然思っていなかっただけに、私には惜しすぎる作品だった。
    クリエイターとしての矜持を持った、誰にはばかることのない、完全オリジナルの作品を次作に望みます。
    本来なら、いくら同系列会社であろうとも、いや、だからこそ恥ずかしいと思って然るべき行為のはずなので。

    kanon、AIRの下敷きがあったから、とうしろ指を指されることのない。
    本気でやればできるんじゃん、と素直に褒め称えられる作品を見てみたい。それだけです。

    ところで、そんな評を書いてるわりに本家より点数が高いじゃねーか。とお思いの諸氏へ。
    これは、今作がAIRよりはテンポがマシで、白痴度が低いからです。
    観鈴はマジで耐えられないくらい低脳だったので。

    あとさ……私のマシンスペックが低すぎるのが悪いのは分かってるんだけどさ。
    総インストール1.8Gはやりすぎなんじゃ?
    そのわりにメディアレスにはならないし、右クリックメニューや自動文章送りなんかもないし。
    細かいところの気配りが抜けてるような気がするので、これも次作への宿題。

    参考までに強引にCD使わない方法を。(ただし、私は責任取らないので各自自己責任で願います)

    (1)ゲームディスク内のBGMフォルダを、HDDのルートフォルダにコピー
    (2)同じく、BGM以外の全ファイル(フォルダ含む)を、ルート以下の適当な任意フォルダにコピー
    (3)コピー後、install.exeから起動すればウハウハ
    (4)デスクトップに↑これのショートカットでも置いとけば、なおウハウハ

    ……だって、この方法使わないとCDアクセスが頻繁すぎて、私のマシンじゃ一向に進まなかったんだよ(⊃дT)

    そして魂の叫びを。

    芽依子を攻略できんのは、絵里(C)臭作を攻略できないよりも納得できん!!

    臭作

    シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
    78★★★

    途中までは鬼畜陵辱ゲー。
    最後にいきなりエロゲーとしてのアイデンティティを自ら覆す大どんでん返し。

    このオチって要するに(以下反転)、
    お前、何でモニターの前で暗~くエロゲーなんてやってんだよ! やーい引っかかっただろ、バーカバーカ!
    と言われてるのと同じなのですが(苦笑)

    ラストまでやれば、激怒する人となぜか感動する人、萎える人、苦笑する人に大別することができるかと思われます。
    私は笑うしかなかったなぁ。最初エンディングを見たときは、「へ? 何じゃこりゃ?」と思ったし。
    冷静に考えてからは、「ああ、『書を捨てよ。街へ出よう』ってメッセージなのね」と解釈しましたが何か?

    臭作の言動が意外におちゃめなのが微妙にウケたので、個人的には満足です。

    水夏

    シナリオ音楽演出システム総合評価オススメ度
    78★★★

    「バッドエンドがすごい」という話を聞き、勇んでやったソフト。(ぉ
    確かにバッドエンドは面白かった。いきなり終わるわ救いはないわダークな展開だわ。
    だが、いまいち点数が振るわないのは、最初はよかったのに、最後の方が尻すぼみになってしまったから。

    1~3章までの「黒い」ノリを持続してくれたらもっと評価は高かったのだが、4章では突然感動物に日和見してしまい、かなり失望。
    私は3章が一番好きだ。何てったってドロドロぐちゃぐちゃの人間関係で最後がコワーイ愛憎劇だから。

    しかし、どの章にも言えることだが、シナリオが安直で文章下手すぎ。
    一つの段落に何度も同じ表現、統一されていない漢字に派手な誤字脱字。

    ノベルタイプのAVGは文章が主役。

    なのにその扱いがこうもお粗末では手に負えない。これでかなり興ざめしてしまう。
    それに、どのシナリオも、途中でほとんどオチが見えてしまう展開。
    むしろ、ハッピーエンドに持っていかず、完全にホラー仕立てにした方がインパクトがあって良かったような気がする。
    ぶっちゃけて言えばこのストーリー、ハッピーエンドが似合わない物語だから。

    私としては、1章の死人返りや2章の冬虫夏草のエピソード、3章の「真の黒幕」なんかは、ホラーとしてかなりいい味出してると思ったんだが。
    1章なんて、展開によっては腰抜けるほど恐い話にできたと思うし。
    最終の4章は、悪くはないけどありがちな味付け。愛憎劇が人情劇に急降下。だるい。

    18禁という限られた場でしかできない表現方法を求めてエロゲーやってんのに、そういうフィールドですら、

    「失われゆく命との絆」とか、
    「離れていたor忘れていた時を取り戻す」とか、

    ゴールデンタイムに視聴者からお涙頂戴するような、陳腐なドラマを見せられてたまるか。
    そんなのはやらせがお得意のテレビにでも任せておけばよし。

    私はこのフィールドに、18歳以上でなければアイデンティティが崩壊するような衝撃を求めている。
    だからこその年齢制限だ。

    「エロいから18禁」なのじゃなくて、「18歳以上じゃなければ危険」だから。
    「エロ」も「グロ」も「暴力」もあるけれど、それすら上回る圧倒的な力感と熱量。
    そういった力を併せ持つ作品にはなかなかお目にかかれない現実。
    「水夏」はやりようによってはいい爆弾になると思ったので残念。

    「水夏」の一番の弱点は、各ヒロインに個性が全然感じられないこと。
    引き合いに出して悪いが、Keyやleaf系の「痛すぎる個性」にも行き着けないし、確信犯的な狙いにも至らない。
    結果、「このあり余る感情をどうしたらいいんだーっ!!」ってことにならない。
    (それを「萌え」と言うのでは?)
    これって、エロゲーでは致命的なことだ。私が萌えないだけで、他のプレイヤーは萌えてるのかもしれんが。
    その辺、どーなんですかね? キャラ萌え事情には明るくないもんで。

    色々書いたけど、多少主題がボケている点を除けば、及第点のゲームだと思います。
    DC版はどんなオチになっているのか気になる。
    いや、ED改変してるって聞いたんで。

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