殺しも鯖もMで始まる

未だデビュー作にお目にかかっていない、ここ最近の気になる作家「グレさん」(通称)。
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(初版が少なすぎ、しかもまだ文庫化していない)
どちらかというと、ミステリよりメタ・ファンタジーやハードボイルド寄りの作風だったが、今回は文三(※1)、最大の地雷企画「密室本」(※2)で密室ミステリに初挑戦! ……だったのだが。(注釈は一番下に記載しました)
相変わらず地味だが抜群のトリップ感で、すらすら読める。
だが、実に「変なミステリ」。
別にダイイングメッセージが「サバ」、「ミソ」だからじゃないけど。<本当にそうなんだよ
殺しも出てくる密室もある、名探偵も謎解きもある。
でも、読後にあるのは「爽快感」じゃなくて「浮遊感」。
綺麗にオチもつくし、多少強引なトリックではあるものの、許容範囲であることは確か。
そうして身構えて、固い木の床に足を踏み出したつもりで、実はその床がゼリー状にグニャグニャしていたかのような驚きに満ちた一冊です。
分かりにくくてすまん。
本編を読むのが一番手っ取り早い、ということで。<逃げ
※1.講談社文芸図書第三出版部の略。文芸史上最も玉石混合な受賞作を乱発する「メフィスト賞」の生みの親。諸悪の根元。又は類い希なる目利き集団。
※2.講談社ノベルス20周年企画。小説の本文自体が「袋とじ」(つまり密室)となっており、これにちなんでメフィスト賞受賞者たちが「密室」をテーマにした作品を刊行。
この袋とじに「応募券」が付いており、それを5枚集めると、メフィスト賞選出の際、編集者たちが作品について論じた座談会をまとめた本がもらえる。
……もちろん私は5冊買ったよ(死)