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ヨルムンガンド

1巻 2巻 3巻
■1巻
サンデーGX連載中。
同誌ですでに「ブラック・ラグーン」、「ワイルダネス」が連載中であるのに、これ以上ガンアクション物が入る余地があるのかな、と思っていたら、意外や意外、どちらにも重ならないところにすっぽり収まった感が。
銃火器や野戦服よりも剣とローブのファンタジー世界の方が似合いそうな描線だが、不思議な魅力がある。
ただ、「ピカレスク」と銘打っているのに対し、内容は必ずしもそうであるとは言いきれないかも。
武器商人であり、同業者や敵対する者に対しての悪辣さとか無慈悲さも描写されてはいるのだが、世界平和を謳ってみたり、意外に犠牲が少なかったり、あまり「悪」っぽくない。
そこが新しい読み口なのだろうが、これが今後どのように転がっていくのか。以降の展開に期待大。

陽気なギャングが地球を回す

新書 文庫
世評がだいぶ高くなってきて気になっていたところに、趣味の合うサイト常連様からもオススメをいただいたので、とりあえず自分が一番読みやすい形態であるノベルス作品から、とチョイスの初・伊坂幸太郎作品。

こりゃ面白い。深い余韻や私好みのカタストロフがあるわけではないのだが、とにかくキャラが立っていてちょっとクセがあるくせに、セリフ回しも展開も軽快で実にサクサクと読みやすい。
4人の主人公グループは銀行強盗なのだが、その行動の裏に悲壮な理由や陳腐な政治観とかないのがまた良し。
ぶっちゃけて言えば、倫理観が奇妙に欠落しているのだが、おかげで良い意味でリアリティを感じさせず、「これは物語だから」と非常に割り切った楽しみ方ができる。
強盗なんだから本当は悪事なんだけど、それが痛快だと感じることに対して後ろめたさを覚えることがなく、実に爽快な後味で読み終わることができるのが良。
純粋な娯楽作品として、非常にレベルの高い作風だと思う。

また、伏線の張り方がかなり巧みで感心させられた。
最近は、「そんなこと書いてあったっけ?」というレベルのものが多すぎて、実際作者が後書きで伏線の解説をしちゃってるようなダメ作品すらあるのだが、本来、伏線というのはそんなものがなくても分かって然るべきものだ。
この作品では、後から「うわっ、確かにあそこにそういう記述があった!」と思い至ることができ、しかも瞬時にそのシーンを明確に思い出すことができた。
あまり書くと強烈なネタバレになってしまうので控えるが、それに途中で気付いた人も、ネタを明かされるまで気付けなかった人も同じくニヤリとできる、実にセンスの良い仕掛けです。

どこかとぼけたところがあるけど、おおむねクレバーな人物達が繰り広げる、二転三転の銀行強盗ストーリー。
手軽に楽しい作品を読みたい方にお勧め。
私は……伊坂作品を買い集めねば。(←ハマったらしい)

妖幻の血

1巻 2巻 3巻 4巻

■3巻
ウホッ! いい展開……
読 ま な い か

……とかバカなネタやってる場合じゃないんです。
(分からない人。私に元ネタを聞くな)

くっくっく。ヘビーな展開になってきたね。私好み。
2巻が少しだけギャグが多めでどうしたの? と思ってたら、あれよあれよと黒い雰囲気へ。
やはり伝奇ホラーはかくあるべしですな。

獣の血に支配され、人としてあろうとしながらも、その実、心すら血に呪縛される一族の苦しみ。
一見それに抗っている様でいて、実は誰よりも強く「獣」であることが垣間見えてきた主人公の暗黒面。

やわやわとした人格を装いつつも、決して「他」の介入を許そうとせず、究極のエゴイストであることを匂わせてきた主人公の秘密が、今後どんな形で明かされていくのか楽しみ。

……これで、その「秘密」がお涙頂戴系だったら萎えるけどね。

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