Dance Dance Revolution 2nd reMIX

1999年の夏――。
恐怖の大王はやってこなかったが、それよりも恐ろしいモノが降臨した。

このゲームだよ。

それまでゲームに縁がなかった層にまで大反響を及ぼし、専用コントローラーは売り切れ続出、代わりに間違ってマナークッションを購入してしまう アホ うっかりさんも現れ、ある種の社会現象にまでなったこのゲーム。

普段の私なら絶対に購入しなかったに違いない。
動かなくていいものなら、一日中ゴロゴロしていることだって可能(むしろ大歓迎)な怠け者属性の私に、こんな自ら動かなければならないゲームなどできるはずがないからだ。
しかし、目前で超プレイをゲーム仲間の友人’s他、数々のゲーマーに見せつけられ、「これはやらねばなるまい」と無謀なる決心をした大バカ者がここに。
さっそくソフト&コントローラー&マットのフルセットを購入し、自宅でレッツプレイ。
上級DDRer様のプレイを見ていると実に軽やかに跳んでいるように見えるが、実際自分でやってみると、その足のおぼつかないこと。
元々鈍い運動神経をここまで恨めしく思ったことはない。
マラソン大会でどんなに鈍くさいタイムを叩き出そうと、運動会では応援専門だろうと、まったくもって気にも留めたことのなかった私だが、中途半端にゲームであったことが災いし、攻略魂に火が点いた。

初めてプレイした際、その騒音に驚いた母が2階に駆け上ってきた挙げ句、「アンタいい歳して……」とまるで可哀想なものを見る目で私を眺め、去っていったという冷たい仕打ちにも動ぜず、「会社から帰宅 → DDR → 風呂」のコンボを編み出し、クーラーのない部屋でひと夏中狂ったように踊り続け、ようやくたどり着いた境地は。

マニパラMAX(※1)で限界だったよやっぱり。
常人に足で61連符は不可能です。マジで。
でもゲーセンでは当たり前のようにクリアしてる人たちがほとんどなのが怖い。君たち人間ですか?

それはさておき、「見てても楽しい」ゲームスタイルをゲーセンで提示し、それによってライトユーザー層を取り入れ、世間的にもPRしたこのゲームの功績は大きい。
コントローラーさえ購入すれば、家庭用機でも楽しめるし、ちょっとしたパーティーゲームとしても優れている。

現在のDDRはすでにジャンプ化(※2)していて、初心者には全然入っていけないゲームになってしまっているが、各地のゲーセンでは人外化した鬼ゲーマーたちがまだまだ熱いダンスを繰り広げているようなので、これから仲間入りしたい人は、まず家庭用版で特訓してみては。


(※1)
MANIAC(一番難しいモード)の「PARANOiA MAX -DIRTY MIX-」(尋常じゃない速さの最難関曲)。
DDRは多くの信者と鬼ゲーマーを生み出し、それと共にCIAでも解読不可な暗号が多く生まれた。
穴鰤桶(ANOTHERの「BRILLIANT 2 U (Ohchestra Groov)」)とか俺炎(「MY FIRE」)とか。

(※2)
週間少年ジャンプの漫画に多く見られる強さが肥大化する現象。「インフレ起こしてる」とも言う。
この場合は、難易度がどんどん増していることを指す。
DDRのMANIACモードでは、2枚抜き(を片足で同時に踏むこと)が前提の曲が幾つもあり、人間の規格外の動きを要求されることがしばしば。
さらに、を全部同時に踏む(これを4枚抜きという)ことを要求してくるステキ曲もある。
人間の足は2本しかないということを理解してくれ、コナミ!