エクソダスギルティ
う~ん……これがあの菅野ひろゆき氏(DESIRE、EVE、YU-NOの生みの親)のゲームなのか?
というのが第一声。コンシューマー参画第一弾にしては、明らかに練り込みが足りないと思う。
これがまったく無名のド新人だったら80点クラスのゲームなのだが、決定的に容量不足。
これだけのスケールの話を、CD1枚で納める、というのは力業を通り越して無茶というものだ。
相変わらず、ネタの目の付け所はとてもいい。
聖書ネタは一歩間違えばお笑い種にしかならないが、それをここまで盛り上げ、壮大な話に仕立て上げる力量はさすが。
が。今回はちょっと気になることがある。(以下、確証はないので自主規制。気になる人は反転)
過去編、未来編は「BASTARD!!」、現代編は菊地秀行の「エイリアン」シリーズに酷似しているのですが。
時期的には完全にこの2作品の方が古いので、これはちょっとまずいんじゃないのか?
どこが似てるって、設定や細部がかなり。
「母なる心」なんてバスタの「破壊神アンスラサクス」と同じスタンス、同じデザインだし、突出しすぎた文明のせいで世界が一度滅びたところまで一緒。
それが神と悪魔の交戦という理由にされているところも。
現代編においてはもっとマズイ。
宝探し協会、ハンターランキング、高校生のトレジャーハンター、これまんま「エイリアン」シリーズですわ。
金に糸目をつけず、高価な装備を持ち、親もトレジャーハンターでしかも超一流、ってとこも同じです。
モチーフにするのならもう少し隠してくれればよかったのだが。どちらもメジャーすぎる作品だし、そもそも、独創的なシナリオで評価が高い菅野氏にしては、少しお手軽すぎやしないだろうか。
完全に私の独断なので、単なる深読みのしすぎなのかも知れないが。
さて、肝心のゲームの方だが、相変わらずフラグ立てが厳しい。
今回は攻略併用だったのだが、それでも未来編の紋章を持って逃げている兵士を追い立てるところで30分は詰まりました。
(私だけなのか!?)
あとはほとんど選択の余地もなく読んでいくだけ、なのだが。
時折入るこういうゲーム要素が、「コマンド総当たり方式」の古いAVGゲーム慣れしてない人にはちょっと難しいのではないか。
シナリオは……上にも書いたが、せめてCD2枚は欲しかった。
部分部分は悪くないのに、掘り下げが足りないので、ずいぶん唐突に思える箇所がいくつかある。
過去編においては、主人公が育ての親の仇である炎の神官を愛するようになるエピソード。
未来編においてはラスト近くの母なる心との対峙に至るまで。
今まで仇だった相手を、そんなに簡単に許したり、あまつさえ愛したりできるものか?
少なくとも私は無理だ。
これがPCゲームだったら、絶対にこの辺の葛藤をもっと深く追求しているだろうと思うだけに惜しすぎる。
現代編は一番破綻が少ない。
相変わらずスピードと緊迫感のある展開、独自の解釈による謎解き、他のエピソードに結びつける伏線、この辺はさすが菅野氏といったところか。
杖が交わる(これって十字架のメタファーだよね?)、とか、死海が割れて通路ができるとか、ちょっとでも聖書をかじったことのある人なら誰でも知っているエピソードが思わぬところで出てきて、ニヤリとさせてくれます。
こういうところのネタばらしのテクニックはとても秀逸なんだが。
やっぱり菅野氏にはPC業界をメインフィールドにしてほしいと思ってしまった作品でした。
人物を描く上での規制も少ないと思うしね。
というわけで、今回は残念ながら大目に見て70点といったところでしょう。