御神楽少女探偵団
時は大正、帝都の名探偵と謳われる主人公の下、乙女達が果敢に猟奇事件に挑む――と、概要だけ聞くと、やたらに軟派な雰囲気が漂うこのゲーム、実はバリバリ硬派な本格推理AVGだったりする。
本格の定義というのはミステリファンの間では尽きない論題なのだが、ここではまあ割愛する。
かなり私的に乱暴に訳すと、
「謎が成立する状況(トリック)を提示し、それに論理的な決着(ロジック)をつける」
ってのが絶対条件なのだ。
(ああ、ミステリファンの激怒する声が聞こえる……だから怒るなって)
実はこれが意外と曲者で、謎が困難であればあるほど読者は引き込まれるが、その解決がナンセンスであれば急激に怒りが増す、という諸刃の剣なのだ。
だから、推理ゲーというのはかなり危険性の高い代物なのだが、このゲームに関してはその心配は杞憂に終わった。
とにかく、推理部分がものすごく練られている。
状況付けも見事だし、最後に颯爽と探偵が現れて謎を解決するカタルシスも計算されている。
何より、「推理トリガー」というシステムがいい。
これは、調査対象が現在の推理に有効に働く、と思ったポイントでボタンを押すと、正解の場合は何点か溜まり、それが規定の点数になると解決編へ進めるという仕組みなのだが、回数制限を設けることでゲーム中の緊張感を高め、自分で推理している、という感覚を味わわせてくれる。
この辺で、コマンド総当たり方式の推理ゲーとは盛り上がりが断然違ってくる。
実際、このポイントにはミスリードもかなりあり、その取捨選択をする手応えはなかなかのものだ。
逆に、ミステリ部分が特化しているため、キャラ立てにはあまり力が入ってないような気すらさせられる。
また、事件は解決するが、後にはやりきれない思いが残る、という本格必須のカタストロフィを感じさせるシナリオもある。
登場人物が軟派な設定であるため、誤解されがちだけど、ミステリ好きの人はやってみる価値はあり。
ただ一つ苦言。
続編作るんだったら、最初っからそう言ってくれ。ラストのシナリオが前編だけってのは蛇の生殺しです。
そして続編、どこにも売ってないよ……(涙)