久遠の絆
ゲーム仲間の友人’sから強力にプッシュされたゲーム。というわけで私もさっそく借りてプレイ。
PS末期に出たAVGだが、シナリオが非常に練り込んである。
はっきり言って、PSでよくぞここまでやった、と思う。画像も音楽も綺麗だし、スタッフの熱意を感じる。
シナリオ上多少つじつまの合わないところもあるし、ネタ自体(転生とか陰陽道とか)は使い古されたものだ。
が、その使い方が上手い。
とにかく演出がいい。
ヒロインを少人数(3人)に絞ることで、各人の微妙な心情の機微が深く掘り下げられているし、脇を固めるキャラたちにもきちんとスポットを当てることで、ありがちな使い捨てのシナリオになるのを防いでいる。
それに、大筋は変わらないものの、選んだヒロインによって、シナリオががらりと変わってくる。
これは膨大なシナリオの成果だ。
コンシューマーでここまで泥沼の人間関係を展開していいものか、とも思うが、そこがまたいい。
全編恋愛を機軸にしてはいるのものの、登場人物それぞれが「毒」を持っている。
個人的には、「恋愛」って人間の「負」なる部分がかなりさらけ出されると思っているので、その点では非常にリアルだ。
愛しい男を他人に渡したくないばかりに食事に毒を盛る桐子、弟の恋人に恋い焦がれ苦悩する晴明、コンプレックスと妹に対する想いから主人公に殺意を抱くようになる光栄、愛してはいけないはずの主人公を愛し、天の裁きを受けざるをえなくなった万葉等々、挙げればきりのない毒のある方々。
おきれいな恋愛ゲーに飽きた方はぜひ。
さて、このゲームの問題点について。
シナリオがとにかく長い(再プレイがためらわれる)、誤字が多い、アクセスが遅い、戦闘がたるい、など。
とにかくインターフェイスがまずい。これがシナリオのテンポを大幅に妨げている。
いきなりゲームオーバーになる危険性もあるので常にセーブしておきたいところなのだが、いかんせんそのセーブがのろいのだ。
誤字に関しては、「納期に追われてたの?」と尋ねたくなるくらい多い。
攘夷→譲位じゃ全然意味が違うだろ!
「シネマティックノベル」と謳ってるんだから、校正ぐらいちゃんとやってくれ。
あとは、平安編、現代編に対し、元禄編と幕末編が明らかに力不足。
輪廻を重ねた、という説得力を持たせたかったのだろうが、平安編で書ききった、複雑に絡み合う人間模様を他の時代で繰り返させるには、このシナリオでは説得力が足りなさすぎる。
このため、章を重ねてしまうと感動が薄れるという弊害が起こる。
もっと他の方法でそれを表現してほしかった。
そうすれば、ここまで長大なシナリオにならずともすんだと思うのだが。
(実際、元禄編と幕末編がとても好きだ、と言う声はあまり聞いたことがない)
色々と問題はあるが、輪廻転生、悲恋、陰陽道、人間の妄執が好きな人はやってみて損はない。
が、相当の時間を要することだけは覚悟しておくように。
シナリオは良質、インターフェイスは悪質なゲームと言えよう。