ソードオブソダン

……ヘッ。
メガドラユーザーでこれをやらなきゃ「漢(おとこ)じゃねぇ」と言うべき、燦然たるクソゲー。
このクソゲー度は凄まじく、ゲーム開始直後からイヤ~なオーラを放っている。

洋ゲーくささ満点の不気味な操作キャラ。
刺されたところから、または死んだときに、やたらと飛び散る血しぶき。
わらわらわらわらと数限りなく出てくるザコ敵。
前を倒したと思ったら後ろから。
後ろを倒したと思ったら前から。
そしてついには囲まれる羽目に。
あまりにも出現しすぎて、ちっとも前へ進めない。
そのステキな操作性ゆえ、「かつて、これほどまで左右を向くのが困難なゲームがあっただろうか?」と評され、この言葉は、一躍クソゲー界を席巻した。

そして、BGMは一切ない代わり(?)に、意味なく小鳥の鳴き声のSE。
ゲームにミスマッチすぎて、かえって不気味感を際だたせている。
敵味方問わず、やられたときに上がる「う゛ぁー」「あ゛ぁー」「い゛ぁー」と発声不可能な不気味な声。

気持ち悪い! このゲーム気持ち悪いよママン!!

何でこんなゲームをプレイしたかというと。
すべては「Beep!メガドライブ」(※1)という雑誌のせいでもある。

この雑誌では、毎月、読者投票によるソフトランキングが行われており、これが異常なまでに突き抜けていた。
メーカーとのしがらみがあるであろう雑誌のレビュアーと違い、読者は遠慮がない。
ゆえに、ある意味雑誌評価より信頼に価するのだが、トップの方より、最下位帝王決戦場が群を抜いて熱かった。
これは、文字通り低評価(いわゆるクソゲー)の中でも、その最下位をめぐり熾烈な争いが繰り広げられる場であり、何を隠そう、私が雑誌の中で最も楽しみにしていたコーナーでもある。

その不名誉な場で、このゲームは親衛隊(常に最下位を維持できるよう投票活動を行う)を生み出し、
彼らの活躍もあってか常に覇者として君臨し続け、

最下位帝王在位回数1位(23回!!)、連続最下位記録1位

という偉業を成し遂げたのだ。
この業績を称え、このゲームには「帝王」の称号(※2)が贈られた。
これが、クソゲー界に現在にまで広く伝わる、「帝王ソダン」の異名の由来である――。

それほどのいわくを持つこのゲーム、どうして放っておくことができようか(反語)。
私のワゴンセール漁りの日々が始まった。
が、あまりのクソっぷりゆえか、探すまでもなく簡単に見つかった。
レッツプレイ! 私のメガドラは稼働を始めた。

……数分後、電源を切る私の姿があった。
翌日、購入したのとは別の店に売りに行った。二束三文だった。


(※1)のちに「セガサターンマガジン」へと転身。ここでもさらなる熱い読者レースを繰り広げた。

(※2)この称号制度(?)は、そのだいたいが読者レースにおいて授与されたものであり、そのネーミングセンスは的を射すぎていて、笑いを誘わずにはいられなかった。以下、代表的なクソゲーに与えられた称号。

  • 「デスクリムゾン」=超魔王。デス様。驚異の最低点「1.0909」を叩きだした20世紀最強のクソゲー。

  • 「スタンバイSay You!」=声優魔人。超魔王をすら凌ぐ最低点を記録した恐るべき魔人。

  • 「大冒険 セントエルモスの奇跡」=超魔海王。「このゲームを買うことが大冒険だ!」との名言を生み出した。

  • 「イエローブリックロード」=黄色い悪魔。一瞬だが最下位に躍り出、「デス様崩御」の報が親衛隊に駆けめぐった。
  • ソニック・ザ・ヘッジホッグ

    今さら知らない人はいない、セガのマスコットキャラクター。
    私のメガドラ購入歴はかなり遅く、本体と同時に買ったソフトのうち一本がこれだった。
    (もう一本は「シャイニング&ザ・ダクネス」)
    電源をオンにし、セガのロゴが現れると共に「セ~ガ~」と音声が聞こえてきたときの驚愕と言ったら。
    それまで、声の出るゲームなんてFCの「水戸黄門」しかプレイしたことがなかった(笑)ので、「すげぇ! メガドラってハイテク!!(死語)」と単純に喜んだものだ。

    目の覚めるようなカラフルなグラフィックの中、ノリのいいポップなBGMに合わせて、画面上を隅から隅まで超高速で動き回るソニックに、私が夢中になったことは言うまでもない。
    だってマリオも好きだけど、こんなにハイスピードは出ないからね。

    おまけに、使用するのは十字キーとボタン一つだけという簡単きわまりない操作性の良さ
    ただの横スクロールには留まらず、上下左右と移動可能な自由度の高さ。
    リング一つだけ持っていれば、事実上ゲームオーバーとは無縁の絶妙のバランス
    始めは目が回るほどの高速多重スクロールが、すぐにスピードへの快感にとって変わる巧妙なステージ設定。
    各ステージごとに、実に多彩に設けられたトラップや仕掛け。

    楽しい。すごく楽しい。とても「ゲーム」というイメージに忠実な作品だ。
    直感的に操作でき、すぐにコツを掴めるようになっているので、ライトユーザーにも安心して勧められる。
    さらに、ACTの良さってのは、「見ている方もハラハラドキドキ」の楽しみを味わえる、という点もあるなぁ、と所有ハードの多さゆえに、自宅が「ゲーム会場」になっていた私は思っていたので、この点でもこの作品は及第点。
    実際、かなり減価償却させていただいた。非常にありがたい一本です。