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遙かなる時空の中で

出ました、ネオロマンスの雄が。
ネオロマ好きのMが喜び勇んで購入したのだが、どうやら微妙に好みには合わなかったようで、何度かプレイして放り投げられたこの作品。
私は普通に面白いと思いましたよ? 出てくる奴が皆アレなのは置いといて。

元祖ネオロマの「アンジェリーク」よりゲーム性とストーリー性がちょっぴり高めに作られており、時には切なく痛いエピソードを盛り込んだ今作。
よりディープでクラシカルな、ピュア・ハーレクインとでもいうような雰囲気にまとまっていて、この手の作品が好きな人ならかなりハマるのではないかと。
その分、ひたすら脳天気なおバカ路線と笑いが全開の「アンジェ」と違い、気軽に笑い楽しく恋愛シミュレーションをやりたい、という人には向かない。
とにかく、キャラとのイベントをかなり掘り下げて作りこんであるので、とりあえず全員クリアしておきたいという姐さん方には非常に強敵であると断言する。

どクソ長えんだ、これが。

「アンジェ」のように、パラメータが一定水準に達したらそこでラブラブエンドというわけにはいかず、途中で自分に課せられた使命を投げ出すことは不可能。
つまり、どうあがいても、どんなにラブラブになろうとも、必ず基本シナリオの最後までプレイしなければエンディングは迎えられない。(一部例外もある)
これがもうホントつらい。一人目のときはいいのだが、何せキャラは八人もいるのだ。
ある程度までは掛け持ちはできるのだが、途中からは個別ルートに入ってしまい、それを延々と×8。
死ぬから。マジで。
当然、八人もいれば「できれば避けて通りたい」キャラというのも出てくるわけで、それがダルさの原因に。
しかも私が、「これ! このオヤジ(敵)落としたい!」と色めき立ったキャラは攻略対象外でした。ショボボーン。

そんなトホホ感をさらに、単調で芸のない戦闘モードが助長する。
いらないから、これ。誰もネオロマンスにこんなの求めてません。
「自分を守って戦う男と、それを支える主人公」という姿は確かに恋愛物として酔いやすいシチュエーションかもしれないが、そんな敵と長丁場の戦闘を繰り返さなくてはならないキャラが情けなくて、
「こんなザコ一匹に手間取ってんじゃねえよ、鍛え直せゴルァ!(゚Д゚#)」
と逆ギレしてしまう、いけないヒロインの私ですいません。どうやらネオロマをプレイする資格を持ってないようです。
ただ、異常に豪華な声優陣が、現実ならありえないクソこっ恥ずかしいセリフを惜しげもなく次々としゃべってくれるので、その点で身悶えは必至。
(半分は笑いすぎで震えているわけだが)

ある程度オーソドックスなエピソードでまとめられつつも、ツボをしっかり抑えた作りでさすがに本家の面目躍如といった感のある今作。
ネオロマ好きならやってみて損はない一品。
余談だが、中の人たちが歌っている「遥時」シリーズののキャラソンはかなり出来のいいものが多いです。
とんでもない数が出ているのだが、中の人好きならチェックしてみれば面白いかも。
ちなみに私のお勧めは、「電光石火の恋」(歌詞とパフォーマンスがめちゃウケる)と、「黒き氷塊の楼閣」(純粋に好み)。

俺の屍を越えてゆけ

私がコンシューマーで最も愛するゲームデザイナー、枡田省治氏の作品。
この人の何が好きか、というと、

シナリオがすっげーえげつないこと。(注:めちゃめちゃ誉めてます)
そして、そのシナリオがあからさまにエロいこと。(注:かなり誉めてます)
戦闘ルーチンの戦略性が妙に高いので、色々と小ズルイ手を使うことができること。

案の定この「俺屍」、上記2点において、今までの桝田作品の集大成といえるくらいエグイ作品に仕上がっております。
実際、私がこのゲームを買ったのは2001年7月のことだったのだが、おかげさまで7月中はマイ「俺屍」ブームが到来。
他のことには一切手を着けず、毎日毎日俺屍ばかりやっていたため、7月中はほとんど日記すら書けずじまいだった。

さて、一応ゲームのご紹介。

一見オーソドックスなRPGです。紹介終わり。<おい

んじゃ、何がキテるかと言えば、シナリオ。
何せこのゲーム、主人公は親の仇である大ボス朱点童子に呪いをかけられていて、2年間しか生きることができない
ドーピングアイテムでどんなに延命しようとも、どんなにスーパーキャラに育てようとも、確実に2年であの世に逝っておしまいになります。
思い入れもへったくれもあったもんじゃない。が、裏を返せば、昨今ありがちな「キャラゲー」ではない、ということ。

そして、ゲームの目的は、と言えば。

朱点童子を倒せ! 終わり。<おい

この目的を果たすためなら、どんな道程を経ようとも、どんなやり方をしようとも、一切がユーザーの自由
お使いイベントも、シナリオ重視RPGにありがちなフラグ立ても一切なし。
はっきり言って、「四角い会社」とかのRPGで育った若手ゲーマーは、プレイすれば混乱するかもしれない。
自由度が高い、ということは、自分で秩序を作らなければならない、ということなので。
が、このゲームは、その秩序を自分で生み出すことが面白いのだ。

例えば、家系の管理。
2年で死んでしまう設定なので、放っておくと当然家系が断絶してしまう。
そこで神々と交神し(要するにアレなのよ。この辺がエロい)、新しい子供を生み出すことができるのだが、神々には地水火風の属性があり、それぞれに能力差がある。
当然、遺伝システムもあり、潜在的な能力値をさらに高めるような交神相手を選ばなくてはいけない。
職業も選択でき、それぞれに奥義がある。が、これは一子相伝で、たった一人にしか受け継ぐことができない。
結果、
「コイツの方が能力値が高いが、どうしてもコイツを伝承者にしたい」
などと、非論理的で、そのくせやけに現実味を帯びた親バカな命題が発生したりもする。

ちなみに私の家系は最初水属性だったのだが、最終的には攻撃力重視の火属性になり、
「広範囲&攻撃力重視=並みいる敵は力ずくでなぎ倒して進むぜオラオラ道を開けろパーティ」
に仕上がっていた。(悪役だよこれじゃ……)
さらに、なぜか女系一族のようで、やたらと女性キャラが強かった。

というわけで好き勝手にゲームを進めていくと、中盤で一度朱点童子を倒す流れになる。

ここからがまた桝田節お得意のえげつなさ大爆発のシナリオ展開。
善と悪、の単純な二元論が崩壊するカタルシス。泥沼の人間関係。
これでもか、なくらいキレたセリフと皮肉に満ちあふれた設定。ナイス、ナイスです~~~!!

ラスボス戦も大方のユーザーの予想通り(?)エグイ。の割に、エンディングはあっさり普通だったりもする。
だが、ここでいささか拍子抜けしていると、いざスタッフロールが流れ始めたときにとんでもない衝撃が。

結論:あのスタッフロールを見ずして、俺屍を語る無かれ

私が今までプレイしたゲームの中で、間違いなく強烈なスタッフロール度No.1。
これを見るためだけにでも、俺屍をプレイする価値あり。

御神楽少女探偵団

時は大正、帝都の名探偵と謳われる主人公の下、乙女達が果敢に猟奇事件に挑む――と、概要だけ聞くと、やたらに軟派な雰囲気が漂うこのゲーム、実はバリバリ硬派な本格推理AVGだったりする。
本格の定義というのはミステリファンの間では尽きない論題なのだが、ここではまあ割愛する。
かなり私的に乱暴に訳すと、

謎が成立する状況(トリック)を提示し、それに論理的な決着(ロジック)をつける」

ってのが絶対条件なのだ。
(ああ、ミステリファンの激怒する声が聞こえる……だから怒るなって)

実はこれが意外と曲者で、謎が困難であればあるほど読者は引き込まれるが、その解決がナンセンスであれば急激に怒りが増す、という諸刃の剣なのだ。
だから、推理ゲーというのはかなり危険性の高い代物なのだが、このゲームに関してはその心配は杞憂に終わった。

とにかく、推理部分がものすごく練られている。
状況付けも見事だし、最後に颯爽と探偵が現れて謎を解決するカタルシスも計算されている。
何より、「推理トリガー」というシステムがいい。

これは、調査対象が現在の推理に有効に働く、と思ったポイントでボタンを押すと、正解の場合は何点か溜まり、それが規定の点数になると解決編へ進めるという仕組みなのだが、回数制限を設けることでゲーム中の緊張感を高め、自分で推理している、という感覚を味わわせてくれる。
この辺で、コマンド総当たり方式の推理ゲーとは盛り上がりが断然違ってくる。

実際、このポイントにはミスリードもかなりあり、その取捨選択をする手応えはなかなかのものだ。
逆に、ミステリ部分が特化しているため、キャラ立てにはあまり力が入ってないような気すらさせられる。
また、事件は解決するが、後にはやりきれない思いが残る、という本格必須のカタストロフィを感じさせるシナリオもある。

登場人物が軟派な設定であるため、誤解されがちだけど、ミステリ好きの人はやってみる価値はあり。
ただ一つ苦言。
続編作るんだったら、最初っからそう言ってくれ。ラストのシナリオが前編だけってのは蛇の生殺しです。
そして続編、どこにも売ってないよ……(涙)

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