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高機動幻想ガンパレード・マーチ

宣伝費と評価がみごとに反比例した驚異のゲーム。
噂に聞く限りでは、何とこのゲーム、宣伝費がゼロだったらしいです。マジで。
昨今、メディアの宣伝効果無くしては売れるはずもないゲーム業界、それでもこのゲームの評価がやたらに高いのは、その斬新さと異常なまでに綿密な世界設定が他の追従を許さないから。
実際、私が今年(2001)クリアしたゲームの中で、間違いなくベスト1。久しぶりに2周以上クリアした。
(最近のゲームはやたらに長くて、2周目をプレイしているヒマがない)

そして得られたのは、
「ファーストマーチで563機撃破。当然Sランククリア
というバカみたいな結果。
2周目は、
「舞プレイで327機撃破。当然Sランククリア
というアホみたいな結果。

ちなみに、2周目の撃破数が少ないのは、5月10日まで粘らずに、絢爛舞踏章を取った時点で最終戦を起こしたから。
粘ればたぶん600機以上はいけたと思う。<やりすぎ
……時々、自分が怖くなります。
まあ、世の中には1000機撃墜、というまさに決戦存在な方もいらっしゃるようですし。すげえよ、マジで。

とまあ、現在のクソ忙しい生活のプライベート部分をほとんど費やし、もののみごとにやり込んでしまうほどドツボにはまったこのゲームなのだが、何せ、ジャンル分け不能なゲームなので、「どんなゲーム?」と聞かれるとめちゃめちゃツライ。
一応、「学園もの」プラス「SLG」とでも言うべきなんだろうか。


50年前に突如現れた人類の天敵「幻獣」。
人類は存続のために天敵と戦うことを余儀なくされる。
1997年、幻獣と戦い続ける人類は、劣勢のあまりユーラシアから撤退。幻獣軍は九州西岸から日本へ上陸。
事態を憂えた日本国首脳部は、1999年にふたつの法案を可決し、起死回生をはからんとする。

幻獣の本州上陸を阻止するための拠点、熊本要塞の戦力増強。
もうひとつは、14歳から17歳までの少年兵の強制召集であった。

プレイヤーはこの少年兵の一人「速水厚志」。
「人型戦車兵器・士魂号」のパイロットとして戦闘に参加することになる。


というのが、はしょりまくったこのゲームの概要。
実はめちゃくちゃ暗い上に、かなり切羽詰まった状況だったりする。

ゲーム内容としては、とにかく何をしてもよいのだ。
一応主軸となるストーリーはあるが、その中でどう生活するかはプレイヤーの自由。

真面目に授業に出て同級生とラブラブな学園生活をエンジョイするもよし。
戦闘に明け暮れて鬼神のような人生を送るもよし。
世界の謎を解き明かすことに腐心してもよし。
他のキャラをつけ回すストーカープレイに走るもよし。

プレイヤーの勝手気ままなスタイルをすべて許容し、かつ破綻を見せない驚異のゲームシステム。

何せ、普通のゲームだったら回避できないはずの戦闘パートですら、このゲームでは回避できる。
(だから、SLGと断言できないのだが)
一応、エンディングにランク付けはあるものの、実はそれは大した意味をなさないのではないか、とすら思う。
Sランクを取って、初めて世界の謎を垣間見ることになるのだが。
むしろ、このゲームをどう遊んだか、ということの方が、プレイヤーにとっては重要なのだ。
だって、世界の謎を解くより、ストーカープレイの方が楽しい人だっているもんね。
私はこの「世界の謎」って奴にどっぷりとハマった口であるのだが。

何せ、シナリオの切れ味がすごい。
セリフや展開が重い。舞台が戦時中であることをことあるごとに感じさせてくれる、非情でリアルな世界。
これは、ゲームの中であるはずなのに、毎日が死と隣接しているはずの彼らに、それでも淡々と日々を過ごしている生活臭が感じられ、

あまりにも日常的すぎて。
あまりにも現実的すぎて。
あまりにもありえそうで。

その生々しさが、ふと恐くなる。
それは、友人同士の会話の中でも如実に現れている。

通常の人間では到達できないとされる、幻獣300機撃墜。
これを、プレイヤーが操るキャラクターが成し遂げたときの同級生の反応はとても冷たい。
普通のゲームでなら勇者として崇められ、誉められるべき場面であるのに、だ。
同級生達は怯え、遠巻きにし、話しかけると敬語で答える。
普通に考えるとそれはとても当たり前の反応なのだが、てっきり賞賛の言葉をもらえるとゲーム思考に慣らされてしまっていた頭では、思いもつかなかっただけにショックも大きかった。
ちなみに、ゲーム中で最も私が印象深かったセリフ。

「お前の選んだ道だ。気にするな。死を呼んで舞う美しい化け物よ。
                      人を守るために人でないものになったのだろう?」

通常の人間にとって「勇者」とは、「人でない」異端者であり「恐れられるべき存在」であること。
仮想世界の住人にそれを指摘されるとは本末転倒だが、こういう細部のセリフにまで神経が行き届いているこの作品、他にも思わず「真理かもしれん」と思ってしまうセリフが目白押しだったりする。
さらに難解で壮大、かつ多重構造の設定がこの世界観を盛り上げる。

ライトな人はライトなりに、深い人は深いなりに三者三様に遊べるゲーム。
周回すればしただけ、新しい魅力と切り口が見えてきます。私も間もなく再プレイを始めるつもり。
取っつきは悪いかも知れないが、ものすごい可能性を秘めているゲームであることは断言します。
この私が、中古で4千円も出して買ったゲームだから間違いない。
(注:私は中古で2千円以上のゲームはなるべく買わない主義。ケチとか言わないように)

エクソダスギルティ

う~ん……これがあの菅野ひろゆき氏(DESIREEVEYU-NOの生みの親)のゲームなのか?
というのが第一声。コンシューマー参画第一弾にしては、明らかに練り込みが足りないと思う。
これがまったく無名のド新人だったら80点クラスのゲームなのだが、決定的に容量不足
これだけのスケールの話を、CD1枚で納める、というのは力業を通り越して無茶というものだ。

相変わらず、ネタの目の付け所はとてもいい。
聖書ネタは一歩間違えばお笑い種にしかならないが、それをここまで盛り上げ、壮大な話に仕立て上げる力量はさすが。
が。今回はちょっと気になることがある。(以下、確証はないので自主規制。気になる人は反転)

過去編、未来編は「BASTARD!!」、現代編は菊地秀行の「エイリアン」シリーズに酷似しているのですが。
時期的には完全にこの2作品の方が古いので、これはちょっとまずいんじゃないのか?
どこが似てるって、設定や細部がかなり。
「母なる心」なんてバスタの「破壊神アンスラサクス」と同じスタンス、同じデザインだし、突出しすぎた文明のせいで世界が一度滅びたところまで一緒。
それが神と悪魔の交戦という理由にされているところも。

現代編においてはもっとマズイ。
宝探し協会、ハンターランキング、高校生のトレジャーハンター、これまんま「エイリアン」シリーズですわ。
金に糸目をつけず、高価な装備を持ち、親もトレジャーハンターでしかも超一流、ってとこも同じです。
モチーフにするのならもう少し隠してくれればよかったのだが。どちらもメジャーすぎる作品だし、そもそも、独創的なシナリオで評価が高い菅野氏にしては、少しお手軽すぎやしないだろうか。
完全に私の独断なので、単なる深読みのしすぎなのかも知れないが。

さて、肝心のゲームの方だが、相変わらずフラグ立てが厳しい
今回は攻略併用だったのだが、それでも未来編の紋章を持って逃げている兵士を追い立てるところで30分は詰まりました。
(私だけなのか!?)
あとはほとんど選択の余地もなく読んでいくだけ、なのだが。
時折入るこういうゲーム要素が、「コマンド総当たり方式」の古いAVGゲーム慣れしてない人にはちょっと難しいのではないか。

シナリオは……上にも書いたが、せめてCD2枚は欲しかった。
部分部分は悪くないのに、掘り下げが足りないので、ずいぶん唐突に思える箇所がいくつかある。

過去編においては、主人公が育ての親の仇である炎の神官を愛するようになるエピソード。
未来編においてはラスト近くの母なる心との対峙に至るまで。

今まで仇だった相手を、そんなに簡単に許したり、あまつさえ愛したりできるものか?
少なくとも私は無理だ。
これがPCゲームだったら、絶対にこの辺の葛藤をもっと深く追求しているだろうと思うだけに惜しすぎる。

現代編は一番破綻が少ない。
相変わらずスピードと緊迫感のある展開、独自の解釈による謎解き、他のエピソードに結びつける伏線、この辺はさすが菅野氏といったところか。
杖が交わる(これって十字架のメタファーだよね?)、とか、死海が割れて通路ができるとか、ちょっとでも聖書をかじったことのある人なら誰でも知っているエピソードが思わぬところで出てきて、ニヤリとさせてくれます。
こういうところのネタばらしのテクニックはとても秀逸なんだが。
やっぱり菅野氏にはPC業界をメインフィールドにしてほしいと思ってしまった作品でした。
人物を描く上での規制も少ないと思うしね。
というわけで、今回は残念ながら大目に見て70点といったところでしょう。

久遠の絆

ゲーム仲間の友人’sから強力にプッシュされたゲーム。というわけで私もさっそく借りてプレイ。

PS末期に出たAVGだが、シナリオが非常に練り込んである。
はっきり言って、PSでよくぞここまでやった、と思う。画像も音楽も綺麗だし、スタッフの熱意を感じる。
シナリオ上多少つじつまの合わないところもあるし、ネタ自体(転生とか陰陽道とか)は使い古されたものだ。
が、その使い方が上手い。

とにかく演出がいい。
ヒロインを少人数(3人)に絞ることで、各人の微妙な心情の機微が深く掘り下げられているし、脇を固めるキャラたちにもきちんとスポットを当てることで、ありがちな使い捨てのシナリオになるのを防いでいる。
それに、大筋は変わらないものの、選んだヒロインによって、シナリオががらりと変わってくる。
これは膨大なシナリオの成果だ。

コンシューマーでここまで泥沼の人間関係を展開していいものか、とも思うが、そこがまたいい。
全編恋愛を機軸にしてはいるのものの、登場人物それぞれが「毒」を持っている。
個人的には、「恋愛」って人間の「負」なる部分がかなりさらけ出されると思っているので、その点では非常にリアルだ。

愛しい男を他人に渡したくないばかりに食事に毒を盛る桐子、弟の恋人に恋い焦がれ苦悩する晴明、コンプレックスと妹に対する想いから主人公に殺意を抱くようになる光栄、愛してはいけないはずの主人公を愛し、天の裁きを受けざるをえなくなった万葉等々、挙げればきりのない毒のある方々。
おきれいな恋愛ゲーに飽きた方はぜひ。

さて、このゲームの問題点について。
シナリオがとにかく長い(再プレイがためらわれる)、誤字が多い、アクセスが遅い、戦闘がたるい、など。
とにかくインターフェイスがまずい。これがシナリオのテンポを大幅に妨げている。
いきなりゲームオーバーになる危険性もあるので常にセーブしておきたいところなのだが、いかんせんそのセーブがのろいのだ。

誤字に関しては、「納期に追われてたの?」と尋ねたくなるくらい多い。
攘夷→譲位じゃ全然意味が違うだろ!
「シネマティックノベル」と謳ってるんだから、校正ぐらいちゃんとやってくれ。

あとは、平安編、現代編に対し、元禄編と幕末編が明らかに力不足
輪廻を重ねた、という説得力を持たせたかったのだろうが、平安編で書ききった、複雑に絡み合う人間模様を他の時代で繰り返させるには、このシナリオでは説得力が足りなさすぎる。
このため、章を重ねてしまうと感動が薄れるという弊害が起こる。
もっと他の方法でそれを表現してほしかった。
そうすれば、ここまで長大なシナリオにならずともすんだと思うのだが。
(実際、元禄編と幕末編がとても好きだ、と言う声はあまり聞いたことがない)

色々と問題はあるが、輪廻転生、悲恋、陰陽道、人間の妄執が好きな人はやってみて損はない。
が、相当の時間を要することだけは覚悟しておくように。
シナリオは良質、インターフェイスは悪質なゲームと言えよう。

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