サクラ大戦
……はいはい、これをプレイしてない私じゃないですよ。
ってことで、多くの人と、セガの道を誤らせたサクラ大戦の登場。当然、全員クリアしてます。
もうね、ベタの嵐。
さすが脚本はあかほりさとる氏。偉大なるベタの帝王。でも、この超エンターテインメント路線でのベタの選択はたぶん正解。
ちょっとだけ意表を突いて、でも大部分は王道で、笑いあり、泣きあり、そして最後も大団円。
これが、最も受け入れられやすいキャッチーなストーリーってことは誰でも分かる。
広井王子氏の、ユーザーのピンポイントを付いたプロデュースの下、まさに王道をばく進するシナリオ展開。
藤島康介氏デザインのかわいいキャラクター。田中公平氏の熱い音楽。
セガの、バーチャ以外の看板作品が不在の時期に、このソフトが出てきたことはもはや必然だったのかも。
もちろん、狙っただけじゃここまでブレイクできるはずもなく。
すべてにおいて、かなり高レベルの完成度を保ってます、このゲーム。
TV番組のように各話ごとに区切られ、次回予告が入る演出。
こうして分けられたシナリオは、「取っつきにくそう……」といった不安感を微塵も与えないように練られているし、実際、操作もストーリーも平易で簡単。
最初の一話をプレイしただけで、ユーザーはたやすくこの世界観に馴染むことができるように工夫されている。
いわゆる、「つかみはOK!」なのですよ。
SLGパートも実に難易度が低く、誰にでもできるように調整されている。
後半はマップが広いため、やや単調で作業と化してしまうことも事実だが、SLGメインのゲームではないので、これは仕方がない。
むしろ、合体技や、戦闘中に起きるイベントを楽しみ、女の子の信頼度を上げる要素として割り切った方がいい。
肝心の(?)恋愛要素の方も、正統派・美人系・クールビューティー・ボーイッシュ・眼鏡っ子・ロリ、とまったく死角のないキャラ布陣。
これがすべて「ときメモ」な萎えるキャラだったらやる気も起こらないのだが、キャラクターデザインに藤島康介氏を起用するという、「そいつぁ反則だろう!」って叫びが聞こえてきそうなくらい、まともにかわいい女の子たち。
クリアはできないが、要所要所を押さえすぎてるくらい存在感のあるサブキャラクター。
選択肢に時間制限があり、それによって上下する信頼度など、ゲーム性もそこそこ整っている。
ただ、エンディングへの分岐が少々早く、さらにそこから分かれた後の個別イベントが少ないのが残念。
基本的には一本道のシナリオなのでこれは仕方がないのだが、恋愛要素を盛り上げるために、もっと個別のエピソードを盛り込んでもよかった。メインヒロインであるさくら以外の扱いが薄いのも問題。
後半はシナリオ一つ一つが長めなので、再プレイをするにはそれなりの覚悟が必要になってくる。
できればもっと分岐を遅く持ってくるか、エンディング付近でもヒロインを途中で変えられるよう、制限を甘くしてほしかったかも。(すんません、ぬるゲーマーで……)
そして、一番残念なのが、後半シナリオが失速してしまうということ。
これはあかほり氏すべての作品に通じることなのだが、つじつま合わせが強引すぎて、もしくは一つのエピソードを引っ張りすぎて、「ああ、あそこで終わっておけばよかったのになぁ」という感じが否めなくなってしまうのだ。
今回もまさにそう。特に「あやめ」のエピソードや、ラストダンジョンにおけるヒロイン以外の扱いって、本当に必要だったのだろうか? と思わざるをえない。
確かに、王道中の王道なエピソードではあると思うんだけど。
(でも、どちらかといえば諸刃の剣のような王道だけどね)
このため、「ひょっとして、都合良すぎ?」ということにユーザーが気づいてしまい、ゲームへの移入度が薄れてしまう。
賛成派も多数いることは確かなのだが、私はいささか興ざめしてしまった。
ただ、この時には、まさか続編が作られるなんて思っても見なかったから、「ああ、そういうのもありかもね。ちょっと切ないけど大団円かなぁ」と納得したのですが。
おいおいおい、続編が続々作られちゃって、あやめさんの立場って一体? と呆然としてる私はどうすればいいのですか?
だって好きだったんだもんよー(⊃дT)
何はともあれ、恋愛SLGの金字塔であることは間違いないので、未だやったことのない人はぜひやってみるがよろし名作。
王道を楽しむことのできる人、藤島康介ファンは必須アイテム。